ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

サブウェイ123 激突

2010年03月04日 | ネタバレなし批評篇
地下鉄ハイジャックを題材にした同名タイトル(1974年度版)のリメイク作品。監督はあのトニー・スコットであるが、何気ないないシーンを必要以上に短くカット割する演出はタイトルバック内にとどまっており、映画本編は割と普通に見れるクライム・ムービーに仕上がっている。交渉担当のガーバー役がウォルター・マッソー→デンゼル・ワシントンへ、犯人グループの首領がロバート・ショウ→ジョン・トラボルタへと引き継がれている。

オリジナルとほぼ同一のストーリーではあるが、路線管制係のガーバーと犯行リーダーのライダーとの交渉シーンには、ちょいと注目すべき修正が加えられている。ハイジャックした人質の身代金1000万ドルの到着が遅れいらだったライダーが人質の一人に拳銃を向ける。「本当のことを言わないとこのアンちゃんの命はないぜ」地下鉄会社の社員や警察関係者、おまけにニューヨーク市長まで同席している公の場で、ライダーがガーバーから聞き出した衝撃の真実。

その後に展開される銃撃戦や身代金の引渡し、そして脱出トリックなどは、もはやこの部分の付け足しにしか思えないほど、まじめなオッサンにしか見えないガーバーの告白に思わずのけぞってしまった。犯人の目的が実は○○○○○だったことを考えれば、むしろこのガーバー発言を根拠とする株の値動き等にお話をシフトした方がインパクトは強かったのではないだろうか。正義の交渉人と思いきや実は小沢一郎なみの腹黒男であったことが明かされるのである。

まんまと金をせしめることに成功した一味のスキだらけの逃走劇にも?が残る。はじめっからとっつかまるのを見越していたかのような謎の行動は、本気で逃げおおせる気がなかったとしか思えないのである。パソコン内蔵のテレビ電話にも気づいていた犯人一味の真の目的がはたしてどこにあったのだろうか。この映画を見るかぎりでは何も説明されておらず、映画を見終わった後一瞬消化不良に襲われる1本である。

サブウェイ123 激突
監督 トニー・スコット(2009年)
〔オススメ度 

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