そっくりさんシリーズ(クイーン、カポーティ、太陽などに比べると)の中では一番出来がよいのではないだろうか。時系列に出来事を並べていくだけではともすると単調でつまらなくなってしまう伝記モノではあるが、本作品ではジェイミー・フォックス演じるレイ・チャールズが、人生いやなことに出くわすたびに子供の頃の思い出のシーンがカットバックで挿入され、ストーリーに深みを加えることに成功している。
しかし、子供時代の“金だらいトラウマ”を何度も何度も引っ張りすぎた感は否めない。人間関係(特に女性)や麻薬常習で人生につまずくたびに、そのトラウマがしつこいほど挿入されるので、最後の方は「またかよ」と不謹慎にも思ってしまった。
両肩をこわばらせた独特のピアノ演奏スタイルも、ジェイミー・フォックスが見事にマネており、たとえ紳介であろうともつっこみ所に困るほどだ。人生のステップを上るたびに昔の仲間を切り捨てていかなければならない、成功者のある意味非情なる決断も作品の中にうまく表現されている。
波乱万丈に見える天才レイ・チャールズの人生も、本作品の中ではチャップリンのように最後はちゃんと報われて、ポリティカルコレクトなきれいなエンディングを迎えている。この次は是非、R&Bの巨人ジェームス・ブラウンの実人生に忠実なそっくりさん映画を見てみたい。演じさせるとしたらどの俳優がいいだろう?
監督 テイラー・ハックフォード(2004年)
〔オススメ度 〕
しかし、子供時代の“金だらいトラウマ”を何度も何度も引っ張りすぎた感は否めない。人間関係(特に女性)や麻薬常習で人生につまずくたびに、そのトラウマがしつこいほど挿入されるので、最後の方は「またかよ」と不謹慎にも思ってしまった。
両肩をこわばらせた独特のピアノ演奏スタイルも、ジェイミー・フォックスが見事にマネており、たとえ紳介であろうともつっこみ所に困るほどだ。人生のステップを上るたびに昔の仲間を切り捨てていかなければならない、成功者のある意味非情なる決断も作品の中にうまく表現されている。
波乱万丈に見える天才レイ・チャールズの人生も、本作品の中ではチャップリンのように最後はちゃんと報われて、ポリティカルコレクトなきれいなエンディングを迎えている。この次は是非、R&Bの巨人ジェームス・ブラウンの実人生に忠実なそっくりさん映画を見てみたい。演じさせるとしたらどの俳優がいいだろう?
監督 テイラー・ハックフォード(2004年)
〔オススメ度 〕