1981年レイ・ハリーハウゼンの同名映画のリメイクで、監督のルイ・レテリエは聖闘士星矢が大好きな日本アニメオタクである・・・なんてことを書くために、貴重なGWの最中この映画を見に行ったわけではない。知人から「なんかストーリーが『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(RF系の20世紀FOX)』とかぶっちゃって」という話を聞いて、わざわざRC系のワーナーが本作をぶつけにいった理由を探しにいったのである。
ともに映画の舞台は、現在EU経済圏崩壊の火種にもなりかねないほどリセッションが問題化しているギリシャ。副島隆彦氏などがさかんに吹聴しているアメリカ大財閥RF家のお家騒動に『パーシー・・・』ならびに本作の人物相関をあてはめてみると、ピタリと一致していることにまずは驚かされるのである。(ちなみペルセウスの分身と思われるパーシー・ジャクソンはポセイドンの子供という設定に変更されている)
日本にも多大な影響力を持つといわれる世界皇帝DはRF家の中ではいわゆる傍流、ギリシャ神にたとえるならば最高神ゼウス(リーアム・ニーソン)の弟で冥界の神ハデス(レイフ・ファインズ)のような立場にいる人。(噂によれば)現在そのDに対立しているJはRF家の中では本家にあたり、(本作同様)叔父と甥の間で行われているお家騒動らしいのだ。
(アメリカの象徴)白頭鷲に変身できるゼウスはおそらくアメリカ大統領、ペルセウスに同行する仲間のみなさんはEU各国首脳、ペルセウスを陰で助ける守護神イオ(ジェマ・アータートン)はRF家と対立するRC財閥、そしてその仲間のみなさんから「こんな奴信用できっかよ」みたいな白い目で見られている謎の魔法使ジンをJとつながっている中国のメタファーとして見ればあら不思議、この映画『300』もびっくりのプロパガンダ作品に大変身するのである。
戦争屋の異名を持つDは軍複企業を手下(クラーケン)に持ち、ハデスのように米大統領(ゼウス)に戦争をおこすようしょっちゅうハッパをかけていたらしいのだが、リーマン・ショック(メデューサ)の影響で息もたえだえ、高齢によるボケも進行しているらしく、(本作の結末同様)その影響力は大幅に低下しているとのこと。
クラーケンを倒すべく、ゼウスから与えられた剣(レアメタル?)や黒いペガサス(石油?)をJいなペルセウス(サム・ワーシントン)が頑なに拒否していた理由こそはっきりとはわからないが、いかにも意味深であることは間違いない。ゼウスが放つ稲妻が、RC家が全面バックアップしている原子力発電に見えたのも私だけではあるまい。
ギリシャ神話では生贄になる寸前で助かったアンドロメダとペルセウスが結ばれてめでたしめでたしなのだが、本作のラストでは、なんとその伴侶までアンドロメダからわざわざイオへと無理やり変更しているのだ。3Dではなく2Dで見たのだが、そんな飛び道具は一切不要に思えるほど政治的暗喩に満ちた本作を、とても興味深く見せてもらったのである(本当かぁ?)。
タイタンの戦い
監督 ルイ・レテリエ(2010年)
〔オススメ度 〕
ともに映画の舞台は、現在EU経済圏崩壊の火種にもなりかねないほどリセッションが問題化しているギリシャ。副島隆彦氏などがさかんに吹聴しているアメリカ大財閥RF家のお家騒動に『パーシー・・・』ならびに本作の人物相関をあてはめてみると、ピタリと一致していることにまずは驚かされるのである。(ちなみペルセウスの分身と思われるパーシー・ジャクソンはポセイドンの子供という設定に変更されている)
日本にも多大な影響力を持つといわれる世界皇帝DはRF家の中ではいわゆる傍流、ギリシャ神にたとえるならば最高神ゼウス(リーアム・ニーソン)の弟で冥界の神ハデス(レイフ・ファインズ)のような立場にいる人。(噂によれば)現在そのDに対立しているJはRF家の中では本家にあたり、(本作同様)叔父と甥の間で行われているお家騒動らしいのだ。
(アメリカの象徴)白頭鷲に変身できるゼウスはおそらくアメリカ大統領、ペルセウスに同行する仲間のみなさんはEU各国首脳、ペルセウスを陰で助ける守護神イオ(ジェマ・アータートン)はRF家と対立するRC財閥、そしてその仲間のみなさんから「こんな奴信用できっかよ」みたいな白い目で見られている謎の魔法使ジンをJとつながっている中国のメタファーとして見ればあら不思議、この映画『300』もびっくりのプロパガンダ作品に大変身するのである。
戦争屋の異名を持つDは軍複企業を手下(クラーケン)に持ち、ハデスのように米大統領(ゼウス)に戦争をおこすようしょっちゅうハッパをかけていたらしいのだが、リーマン・ショック(メデューサ)の影響で息もたえだえ、高齢によるボケも進行しているらしく、(本作の結末同様)その影響力は大幅に低下しているとのこと。
クラーケンを倒すべく、ゼウスから与えられた剣(レアメタル?)や黒いペガサス(石油?)をJいなペルセウス(サム・ワーシントン)が頑なに拒否していた理由こそはっきりとはわからないが、いかにも意味深であることは間違いない。ゼウスが放つ稲妻が、RC家が全面バックアップしている原子力発電に見えたのも私だけではあるまい。
ギリシャ神話では生贄になる寸前で助かったアンドロメダとペルセウスが結ばれてめでたしめでたしなのだが、本作のラストでは、なんとその伴侶までアンドロメダからわざわざイオへと無理やり変更しているのだ。3Dではなく2Dで見たのだが、そんな飛び道具は一切不要に思えるほど政治的暗喩に満ちた本作を、とても興味深く見せてもらったのである(本当かぁ?)。
タイタンの戦い
監督 ルイ・レテリエ(2010年)
〔オススメ度 〕