ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

2018年08月15日 | 映画館で見たばっかり篇

MIシリーズもいよいよ相棒と同じ末路を辿ろうとしているようだ。主演の水谷豊が制作に口を出しすぎたせいで実力派シナリオライターが大量流出、ドラマが一気に陳腐化した悲劇は周知の事実となっている。

ビルからビルに飛び移るシーンで壁に激突、トム・クルーズが本作で足を骨折し撮影が延期されたことは皆さんもご存じだろう。劇中トムがマジで足を引きずるお宝映像を一瞬だけ拝むことができるので、トム・ファンの方は(このシーンだけ)必見だ。

そんな名誉の負傷から復帰した主演俳優から「アイデアがあるんだ」と持ちかけられたら、現場の監督だって断りづらくなるのは当たり前。しかもトム・クルーズあってのMIシリーズ、逆らえる者など皆無だったに違いない。

見たことは確かなのだが印象に全く残っていない前作からの続編的内容、映画監督以下俳優陣もほぼそのままで、要するにイエスマンばかりを周囲に集めた撮影現場だったことが容易に想像できるのだ。

俳優がシナリオに口を挟んだ映画というのは得てして自分の役柄を美化しがちになるものであり、ゴースト・プロトコルまでは健在だったイーサンの非情さ・狡猾さがなりを潜め、前作にもまして薄っぺらな人物造形となってしまった。まるで離ればなれになった子供にアピールする離婚した父親のように。

ロシア産核兵器テロ流出防衛というお決まりのミッション・パターン、誰が裏切り者なのか大体の観客には最初からバレバレなどんでん返し、しかも若い時のアシュレイ・ジャッドに似ているレベッカ・ファーガソンのお色気も封印とあっては、147分の長尺に堪えきれずトイレに立つ人が多かったのもうなずける。

自慢のアクションも「これどっかで見たことあるよなぁ」というシーンの継ぎ接ぎにすぎず、トムの骨折を逆手にとるようなキレのある演出を見たかったところだが、何かの罰ゲームにしか見えないスカイダイブや芸のないカーチェイス等がなんの脈絡もなくダラダラと続くばかりなのだ。骨折り損とはまさにこの映画のことなり。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
監督 クリストファー・マッカリー(2018年)
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