ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

LOGAN/ローガン

2018年08月12日 | ネタバレなし批評篇

不死身の肉体を誇ったウルヴァリンも、いまはしがないリムジン運転手、カリヴァンの手を借りながら、アルツハイマーを患っているチャールズを介護する毎日。そんなローガンの元に見知らぬ女がやってきて、連れの少女を車にのせてほしいと頼まれるのだが…

自慢の爪の隙間からは膿み、黒々としていた髭にも白髪が混じり、目にはローガン?鏡、足を引きずり引きずり歩くローガンを見たときは何かの冗談かと思ったが、マジもまじ、大まじめの老老介護生活はリアルそのもの。

元気の源アダマンチウムが体内に悪影響を及ぼし、ローガンの身体はボロボロになっていたのだ。足は悪いが頭脳明晰だったチャールズも、時々発作を起こして周囲を時間停止状態にしてしまう単なるボケ老人と化している。

ヒーローも年には勝てないというヒューマンドラマかと思いきや、このあと映画は見知らぬ女が殺され、林遣人似のローラ、チャールズ、ローガンによるロードームービーへと転じていく。Xメンのネタもそろそろ尽きかけたこの時期にこんなとび道具をもってくるとは、ハリウッドやはりまだまだ侮れない。

モーテルのTVに映っていた『シェーン』をオマージュしたかのような見かけにはなっているが、昭和生まれの私のような日本人にとってはむしろ、ハードボイルド時代劇『子連れ狼』と言ってくれた方がイメージがわきやすい。もしかすると前スピンオフ『SAMURAI』の流れを汲んでいるのかもしれない。

いくら悪とはいえ1度手にかけてしまえば人殺しの烙印を一生背負って生きなければならない。冥府魔道を生きる心得をローラに説くローガンの姿が、どうしても大五郎と拝一刀に見えてしまうのだ。ラスト、少女がさし直した十字架に思わずグッときた私は、聞こえるはずのない山びこを聴いた気がした。ちゃーん、カンバーック!

LOGAN/ローガン
監督 ジェームズ・マンゴールド(2017年)
[オススメ度 ]
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