『小林秀雄』の言葉より…NO.2 2008-04-13 | TAZUKO多鶴子からの伝言 無我の法の発見は、 恐らく釈迦を少しも 安心などさせなかったのである。 人間どもを容赦なく 焼きつくす火が見えていたのである。 進んで火に焼かれる他、 これに対するどんな態度も迷いであると 彼は決意したのではあるまいか。 不死鳥は 灰の中から飛び立つ筈があろうか、 心ない火が、 そのまま慈悲の火となって、 人の胸に燃えないと誰が言おうか。 … 小林秀雄 … 参考資料:『人生の鍛錬』小林秀雄の言葉 新潮社 編 発行者:佐藤隆信 発行所:株式会社 新潮社