日本では生まれてきた子供に希望と期待を込めて、自分が気に入った名前を付けるが、キリスト教圏など宗教がらみの名前を付けることが一般的。そのため、名前の種類はある程度限定される。本書は世界の姓と個人名の由来をまとめたもの。
Peterは新約聖書のペドロに由来。ドイツでもPeter、Petri、Petris、フランスではPierre、イタリアではPietro、スペインではPedro、ロシアではPyotrとなる。
出身地を示す姓ではイングランドを示すEngland、Inglis、ブリテン島をしめすBreton、Brett、Britt、スコットランドはScollan、Scott、ウェールズはWalch、Wallace、Wallis、Welch、Wellsman、コーンウォール地方のCornell、Cornwell、アイルランドのIrish、ノルウェイのNorman、Normand、デンマークがDence、Dench、Dennis、ドイツのGermaine、Jermyn、オランダはHolland、Dutchman、フランドル地方がFlanders、Fleming、フランスがFrancis、Frankish、ロレーヌ地方のLoring、Lorraine、ロアール地方のLoaring、ガスコーニュ地方のGascogne、Gaskin、ローマはRomain、Romayne、スペインがSpanier、ポルトガルがPettengale、Putergillなどなど。
職業を現わす代表選手がSmith。イギリスではその他にSmythe、Smither、スウェーデン、デンマークではSmed、ノルウェイではSmid、フランスではLefevre、Ferrier、Ferron、ドイツとオランダではSchmit、ポーランドではKowalski、ロシアではKuznetzov、ハンガリーではKovacs、トルコではTemirzi、ギリシャではSkmiton、イタリアではFerraro、スペインではHerrera、ポルトガルではFerreiroとなる。
職業ではほかにもArcherが弓職人、Wheelerが車輪職人、Walkerが織物工、Webberも織物工、Gardinerが庭師、Chapmanが行商人、Barkerが皮のなめし職人、Parsonsが司祭、Farmerはなぜか徴税人、Fosterは刃物職人、Fletcherが矢の仕上げ職人、Marshalは馬丁、Masonが石工、Leachが医師、Redmanが屋根ふき屋などなど。
個人名にも流行はある。1976年のイギリス人女性が好む男性名では、
デイヴィッド、スティーブン、ポール、マーク、アダム、ロバート、リチャード、マイケル、クリストファー、フィリップとなるがいずれも伝統的な名前。これ以外にもアンドリュー、マシュー、ダニエル、ダレンで、ダレン以外はいずれも保守的命名で聖書由来が多い。
このほか、ユダヤ人、アフリカ大陸、中国、朝鮮と日本以外で世界中の名前を集大成した一冊。