井伊氏は現在の静岡県にある井伊谷に本拠をおいていた豪族で、戦国時代には今川氏の配下にあった。大河ドラマに描かれたのは戦国時代の井伊直虎で、許嫁の直親と結婚するはずが、直親の父が讒言により殺害され破談。直虎の父も桶狭間の戦いで戦死、直親も殺害され、滅亡の危機にひんした井伊氏の家督を継承したのが直虎。女戦国大名と言われた。その後を継いだのは、直親の遺児、直政。直政は家康に見出され、徳川時代には家康に登用されて、結果として譜代筆頭大名として彦根藩を治めてた。有名なのは幕末に大老となり、安政の大獄、通商条約調印、桜田門外の変で殺害された直弼。本書は１０人の書き手により、井伊家の歴史を紐解く。章立ては以下の通り。
井伊家のルーツ：成長し挫折する一族 浜田浩一郎
今川氏と井伊氏：相次ぐ一族・家臣の死と直虎登場 千葉篤志
直虎と井伊谷の徳政令：井伊家当主の権限代行した直虎 渡邊大門
家康と井伊直政：武勇と政治能力を備え幕府の礎を築く 片山正彦
関ケ原合戦と井伊直政：先制攻撃を演出した直政の面目躍如 水野伍貴
大坂の陣：家督相続の内紛と徳川方勝利への直政の貢献 種村威史
譜代筆頭と歴代藩主：井伊氏に格式と直系当主を求めた幕府 藤尾隆志
井伊の赤備え：武田遺臣を引き継がせ赤備えで武装させた家康 長尾隆幸
井伊氏と茶道・芸能：江戸茶道文化の到達点に位置する井伊直弼 八尾嘉男
幕末の井伊氏：世界情勢と朝廷の動向に翻弄される直弼の苦悩 小泉雅弘
以上
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