家紋の起こりは平安中期、藤原一族全盛の頃で、御所車を一目見て相手が誰なのかを知る必要があって紋を車につけるようになった。源平の戦いでは源氏は白旗、平氏は赤旗と単純であったが、その後武士たちは戦闘の時に掲げる幟に家紋を付けて敵と味方の区別をした。名字の種類は10万種、高橋、渡辺、千葉、三浦、山口など地名由来のもの、田中、山田、山本、山崎、林、井上、清水など地形由来、東西南北、上中下左右などの方位由来、服部、犬養、村主、鍛冶など職業由来、鈴木、鴨、諏訪など信仰由来、藤原一族で佐藤、伊藤、加藤、斉藤、遠藤などなどがある。
家紋は2万種あるとも言われ、多くの家が共有する家紋もあれば柳生家しか使わない地楡(われもこう)に雀もある。また名字が頭に付けられた武田菱や渡辺星があり、概して貴族は龍胆や牡丹などの優雅な紋を好み、武家は出自と武勇を誇るために植物紋に剣などを使った。信仰から由来する紋では阿蘇神社の鷹の羽、榊、弊、卍、十字架などを使った。日、月、星、山、波、雲などをかたどった天然紋、藤、桜、稲、梅、橘、松、葵、茗荷、牡丹、桐、桔梗などの植物紋、蝶、鳳凰、龍、鳩などの動物紋、文字や模様の蛇の目、巴、亀甲、目結などの文様紋、武具や家具などを形どった調度・建造物紋などがある。
初詣に行く際に近くの神社や寺に詣でる場合が多いと思うが、自分のルーツである氏神様はどこにあるのかを知っているのは悪くはないはず。年を取ってくるとこんなことにも関心が及ぶ。名字の多い代表的なものを上げてみよう。
佐藤:多くのルーツがあるようだが、栃木県佐野の唐澤山神社、福島県飯坂の医王寺などで代表的な家紋は源氏車、下り藤、山桜。
鈴木:熊野神社の神官が広めたと言われる鈴木姓、ルーツには和歌山県海南市の藤白神社、豊田市の鈴木善阿弥屋敷跡、家紋は抱き稲、左回り稲の丸、蔦。
高橋:奈良市の高椅神社や伊予の国越智郡高橋などで、家紋には切り竹に笹、丸に三つ柏、丸に笠。
田中:滋賀県高島郡の田中神社、京都左京区にも田中神社がある。家紋は片喰、木瓜、左三つ巴。
渡辺:大阪市本町にある坐摩神社、東京は田町にある綱坂、家紋には渡辺星、丸に三つ星、蛇の目。
伊藤:三重県では一番多い姓、岐阜で2位、愛知では三位。四日市の景清屋敷跡や伊豆の伊東にある葛見神社。家紋は伊藤藤、下り藤、釘抜。
山本:豊橋の本願寺には山本勘助の墓がある。滋賀の長浜には山本山城跡がある。家紋は左三つ巴、鳥居に対い鳩、丸に山の字。
中村:東大阪には仲村神社、丹党中村氏の墓は秩父市にある。家紋は花菱、立ち沢潟、丸に橘。
小林:長野県に集中、小林一茶旧宅は黒姫にあり、居宅跡は群馬の藤岡にある。家紋は揚羽蝶、抱き茗荷、輪違い。
斉藤、斎藤、齋藤:敦賀には斎藤家先祖として藤原利仁将軍屋敷跡があり、その子が藤原氏の斎宮を名乗った。熊谷には長井斎藤氏館跡がある。家紋は撫子、下り藤、矢筈。
加藤:亀山にある不動院辺法寺、名古屋市の妙行寺にルーツを持つ。家紋は蛇の目、加藤藤、三つ剣蛇の目。
吉田:京都の吉田神社、豊橋には吉田城がある。吉田兼好は元は卜部、吉田神社の社職を努め後に出家して吉田兼好と呼ばれた。家紋は抱き梶の葉、丸に隅立て四つ目、笹龍胆。
山口:牛久市にある牛久陣屋跡、所沢の瑞岩寺などルーツは多い。家紋は大内菱、抱き牡丹、山口笹。
私が家の家紋は矢車と聞いているが、いろいろ調べて見る価値はあると思う。
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