高校時代に駅伝で鳴らした蔵原走(かける)、彼が駅伝では名もない寛政大学に入学して住まいを決めかねている時に声をかけたのが4年生の清瀬、その走りに目をつけたのだったが、その時には分からなかった。清瀬が誘ったのは彼も住むボロアパートの竹青荘、そこには9部屋が有り、双子のジョーた、ジョーじを含めて9人が住んでいた。つまり、走を加えると10名の住人が一緒に暮らすことになった。4年生の清瀬が住人10名を集めて「箱根駅伝に出ないか」と言った時には誰もそれがお正月の有名な駅伝競走のことだとは思わなかった。そもそも誰も駅伝など走ったことはなかったからだ。正確には、清瀬と走以外には。
清瀬の熱意と勢いにやがて駅伝騒ぎに巻き込まれ、その気になる竹青荘の10人、寛政大学の陸上部員として本当に箱根を目指すことになってしまうという、ちょっと夢のような話。
10人の個性的な面々のそれぞれが「駅伝」というストーリに従って少しずつ紹介される。まずは、箱根駅伝の予選に参加するための持ちタイムを測定するための大会に出る。このあたりも「ボックス!」と似ている。読者は読み進むうちに駅伝のルールを知っていくことになるのである。そして夏に臨む予選会、8位の学校までしか予選会を通過して箱根にはいけない。寛政大学はギリギリ予選会を通過してしまう。
そしてお正月の本選、ここでも上位10位までは次年度の出場権である「シード」を獲得できるのであるが、急ごしらえで10名しかいない寛政大学には来年のシードの意味は薄い。それでもシードを目指す10名の選手。
そして最後は、、、、。手に汗握る展開は、これも「ボックス!」ととても似ている。長距離走、といえば苦しい、と考えてしまう一般人読者も、なぜか主人公の走が感じる「爽やかな走り」を想像上ではあるが体感できるお話、ちょっと読んでみたらどうだろうか。
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