親指と人さし指で輪をつくると日本では「お金」の意になります。でも米国では「OK」で、フランスは「ゼロ」。トルコでは「穴」を示すとか。
同じジェスチャーで意味が変わるように、「手の言葉」といわれる手話も、国ごとに異なることを知りました。きこえない人たちが国を超えて意思疎通するには「国際手話」が必要になることも。
その国際手話が“公用語”の大会が11月、東京で開かれます。国際スポーツ大会の「デフリンピック」。「デフ」は英語で「きこえない人」の意。関係者の30年来の悲願が実った初の日本開催です。
その歴史は古く、1924年のパリ大会に始まり、4年に1度開かれてきました。今大会は70~80カ国・地域、約3000人の選手が集います。陸上や競泳のスタートはランプの光で、サッカーは主審も旗を持ち、選手が目で見てわかる工夫がされています。
「音のない世界」で競技に打ち込む選手たち。きこえる人たちと腕を磨く選手がいる一方、多くが働きながら。遠征費も自己負担で、パラリンピアンが受けられる支援も、デフアスリートにはありません。都の調査ではパラリンピックの認知度が93%ながら、デフリンピックは15%にすぎません。
選手はさまざまな思いを胸に大会に向かいます。「子どもらに『きこえなくても人生明るいよ』と表現したい」「交流を通じ世界が広がる場に」「ろう者の理解が広がってほしい」。その存在は、きこえる人ときこえない人の距離を縮める役割をも担っています。
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