参院予算委 紙議員、農政の転換迫る
![]() (写真)質問する紙智子議員=12日、参院予算委 |
日本共産党の紙智子議員は12日、参院予算委員会で、コメ不足・価格高騰を招いた政府の「失政」を告発し、価格保障や所得補償などでコメの生産を支える農政への転換を迫りました。
コメの販売価格は、2月の政府の備蓄米21万トン放出表明後も過去最高の3952円(2月24日~3月2日)と2024年2月の約2倍を記録。今年に入って9週連続の値上がりです。
紙氏は、政府が25年6月末までの1年間のコメ需要を直前1年間の需要実績(705万トン)より31万トン低く見積もっているが、実際は国民1人1カ月当たりの消費量が前年同月比で24年12月に6・8%、25年1月に3・9%増えるなど24年7月以降の消費・需要は増えていると指摘しました。
コメの民間在庫は、24年の1月が274万トン、コメ不足が起きた8月は65万トン、25年1月は24年1月より44万トン減であり、40万トン減のペースが続けば25年6月は75万トンにとどまると告発。民間在庫は例年、7、8月まで減少が続くため、今年8月は昨年以上にひっぱくし「在庫が底を打つ」「集荷競争が激化し、米価高騰につながる」「今夏にコメ不足が起きないと明言できるか」とただしました。
コメ不足のリスクがあることを認めた江藤拓農林水産相に対し紙氏は「そもそも生産が足りていない。コメ増産を」と要求。政府がコメ生産者に減産を強いる一方、流通を自由化し低米価を押しつけ、1990年代に60キログラムあたり2万円を超えていた生産者米価を地域によっては3分の1以下、採算割れに追い込んだことは「需給への責任を放棄して市場任せにしてきた失政だ」と批判しました。
ここ10年で稲作農家は115万戸から69万戸へと4割減り、水田作付面積は26万ヘクタール減、生産量は135万トン減、農家の所得は時給100円以下となったのに、農林水産予算が1980年の3兆5800億円から2025年度予算案の2兆2700億円に減る一方、軍事費は2兆2300億円から8・7兆円になり、逆転したと告発。農家を中心に「令和の百姓一揆」と銘打った運動が広がっており、生産者が希望を持って農業に取り組めるよう予算を大幅に増やせと迫りました。
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