花見シーズンに友人が訪ねてきてくれて、一緒にお花見に出かけた土曜日。
歩きながら何やらカバンに手を突っ込みゴソゴソしている彼女。
「何探してるの?」
「一緒に写真撮りたくて自撮り棒持ってきたんですよ」
「あ、自撮り棒ね!私も持ってこようと思ったのよねー」
「あれ、おかしいなぁ…ない。。。
あっ!キャリーに入れてきちゃったんだ」
「あはっよくやるやつ〜」
大丈夫、大丈夫!若者みたいに腕ぐーんと伸ばしてハイチーズ!
そうやってたくさん写真を撮って…
その日の夜…
西芳寺の予約時間に間に合わせるには.家を何時に出る必要があるのか?
Googleマップを見ながら、車か電車か…を検討し、
電車にするなら乗り換えはどこになるのか、、と乗換案内アプリを見ながら2人で確認。
「目標7時半出発ね。40分だとバタバタだから早め早めにね。
なんて言っていたのに、翌朝は結構ゆっくり目に朝食を食べてしまい、結局バタバタ。
私の住む地域は坂が多く、なかなかのアップダウンが続きます。気持ち早歩きにすると息も上がるし、ひと運動した気分です。
「何分の電車でしたっけ?」
「56分!」息を切らせながら間髪入れず即答する私。
早歩きで頑張った甲斐あって、駅に着くと"しばらく待つ"という余裕も生まれました。
そこへ…
「あっ!やだぁ〜 電源落ちてるー」
見ると彼女の手首にしっかりハマっていたApple Watchの画面が真っ黒です。
「モバイルバッテリーなら持ってきてるよ!
しかも私のバッテリー、いろんなタイプのケーブル付いてるんだから!」
最近スマホの充電、減りが早いので、長持ちするモバイルバッテリーにアップデートしたばかりでした。
それがこちら。まぁまぁ重いです。
「あ、大丈夫です。Apple Watchの充電、iPhoneとタイプ違うんですよ。
あ〜あ、2日はもつと思ったんだけどなぁ。」
そんな会話をしていると、電車がホームに入ってきました。
時刻表通りに電車が来たのか確認するかのように、彼女が腕時計を見る…
「あ、、真っ黒だったの忘れてた…」
このくだり、その後も2回ほど繰り返して彼女はようやくApple Watchを腕から外し、カバンの中に仕舞い込みました。
電車に乗り込み、空いている席に腰をおろした私たち。
その時…
「あっっ!!」今度は私が叫びます。
「どうしたんですか!!
「…スマホ…がない…」
「えっ? ええっーーー!!落としたんですか?」
「いや、、家に忘れてきた…。
あーーーーん 完全にやらかした」
「嘘でしょー 気付くタイミングあんなにあったのにぃ??」
「56分の電車っていうのはインプット済みだったからなぁ。。。敢えてスマホみる事もせず」
「えーーー 取りに帰ります??」
「…いや、、そしたら間に合わないよね。多分」
「でも、、こんな日にスマホないって…」
「ほんと、今日持たずしていつ持つんやって言うくらい、今日はスマホ大活躍日なのにね。。。はぁ。。。」
まさにこのスタンプ状態
そして乗り換え駅で待つこと10分強。
「さっきの駅の待ち時間と乗り換えの待ち時間で確実に家に取りに帰れましたよね…」
「…そうだね。。。」
もう情けないったりゃありゃしません。
モバイルバッテリーはしっかり持ってきたのに使い途のない状態で重いだけ。
次の乗り換えは…とバックに手を入れてスマホない事に気づき…
「あの、、もし、宜しかったら乗り換えの駅何分か見てもらってもいいっすかね」
ついつい検索しようとしてスマホない事に気づき、ランチの場所、バスの時刻等彼女に検索してもらうパターンがその後も何回も。
最寄駅に着いてからの道案内も彼女に頼るしかなく…
なんとか開門15分前には到着できまして。
「開門までの15分で帰れましたよね」と往生際の悪い私たち。。。
とりあえず写真撮りましょ!!
彼女が気持ちを切り替えて、ジャジャーン!と四次元ポケットから便利グッズを取り出すかのように自撮り棒を手に取り高らかに持ち上げました!!
「おおーーー!!」思わず感嘆の声が漏れます。
あはは、今日はそれこそ大活躍だね。
西芳寺の外観をバックに自撮り棒の先に付いているスマホを凝視。
彼女は手元のリモコンでシャッターをカチャカチャ。
あれ?あれ?リモコンが反応しない。。。
私たちはポージングしていた体制を崩して自撮り棒とリモコンをチェック。
「いつもここが緑に光ってるんだけどな…」
「…んんんっ」
2人で顔を見合わせて、少しずつ失笑が漏れ始めます。
「えっと、、それは、まさかの、もしかしての、電池がないパターン再び!ですかね?」
「えーーー?嘘でしょー だってどこに電池入れるところあります??」
「見せて。ここがいつも緑なんだよね?だったらこのパーツにしか電池入れられないとしたら、ボタン電池なんじゃない?ここスライドさせてみて」
「あっ!あーーー!やだぁー
ボタン電池だーーー」
もう2人大爆笑です。
「モバイルバッテリーならありますけど」
「いや、それ使えないやつ ただ重い塊なやつ」
なにやってんの私たち。
充電のないApple Watch。
使い途のないモバイルバッテリー。
そして、リモコンが効かない自撮り棒。
そして最大のスマホ家に忘れるーーー
と言うわけで、西芳寺の素敵な写真も、嵐山の満開の桜達も、全て彼女からシェアしてもらった写真であります。。。
「好きなアングルでお好みで撮りたかったと思うのですがすみません」
って、、滅相もございません。
しっかり肉眼に焼き付けたつもりですが…拡大して細部を確認したり、目視できていなかった全体像を見たりは、やはり写真ならではです。
しかし、なんと言っても…スマホを携帯しているのが当たり前の毎日で、電車の中でスマホなし、本もなしでどう過ごして良いのやら…
目のやり場に迷います。
吊り広告も、見ればどこもかしこも、たった1種類の広告が車両ごとジャックしていて。
阪急電車の座席のシートの色が、西芳寺の苔たちに見えたりなんかして。
使いこなしてこそ価値を生み出すもの達。
持ってるだけじゃだめですね
見出し画像は阪急電車の座席シート。阪急電鉄さんのHPよりお借りしました。
見事な苔色。。。
という事で、、、観光地でスマホを持たずに過ごせるかチャレンジ!!の巻でした。