釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

59. 『 おもしろく 世にあらなむなど思へども・・・』

2011-10-10 10:30:36 | 釋超空の短歌
『 おもしろく 世にあらなむなど思へども
     人厭ふさがは つひにさびしも 』
***
『智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角この世は住みにくい。』

ご存知、『草枕』の冒頭の一節である。

各人の事情の差・程度の差はあれ、『兎角この世は住みにくい』のは誰もが感じていることではあるまいか。

私は最近これを嫌というほど感じされたものであった。

あるネット社会においてである。

私の『人厭ふさが』は更に強くなってしまった。

ネット社会だから、PCのワン・クリックで、その社会から遁走でき、全てをリセットできるということは実に爽快な気分であった。

この世が実社会だと、そうは簡単にはいかない。

この世の実社会で、全てをリセットさせ、清々とした気分に浸ることが、もし出来たなら・・・ なんと良い世界だと、私は、つくづく思うこの頃である。

もし、それが可能だとしたら、つまり、ワン・クリックで、この世から何の道徳的制約もなくオサラバできるような社会システムになっていたら、私には、そのような世は薔薇色に見える。

しかし、実際のこの世は、「生きる」ということには全ての価値が付与されてはいるが、「生きない」ということに対しては、ほとんど零に近い例外を除けば、一切の価値が付与されていない。

そのことは、私が、この世で、不条理と思っているものの一つである。

「生きる」ということに価値的意味があるならば、「生きない」ことにも価値的意味があるはずだ。

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