わんこもヒトもダイエット

ミニチュアダックスが、太りすぎで椎間板ヘルニアになった。
元々、愛玩犬として生を受けた犬なので、常に手元においてかわいがってやらねばならない犬なのだそうだ。
しかしながら、その犬をもらい受けた息子さんは、就職で家を出、孫同様にかわいがっていたご主人はこの世を去り、結局、まったく犬に興味の無かった節子さんが一人で世話をすることになった。
週に4日、会社に来ている節子さんなので、当然犬はひとりぽっち（という表現でいいのか？）
その寂しさを埋めるかのように食に走った結果の肥満である。
散歩も、節子さんが忙しすぎてままならず、肥満は加速の一途をたどった。

そして、今回のヘルニアである。
獣医からは、ダイエットを厳命され3キロ5千円のダイエットフードを買わされた、と節子さんは嘆いていた。
そればかりが原因ではないのだろうが、節子さんの今日のお弁当は「天ぷら」である。
昨日、天ぷらが無性に食べたくなって揚げたはいいが、一人で消費するには限度があって、朝も食べ、お昼も持ってきた、というわけだ。
その内容がスゴイ。
さつまいも、じゃがいも、れんこん、ごぼう、インゲン、タマネギ、しそ。
オール野菜である。
「え？エビとかキスとか、いか、たこ、といったタンパク質系の具材はなしですか？」
と尋ねると
「そんなん高いもーん！」
私「ええーっ！野菜ばっかりの天ぷらだったら、何の楽しみもないことありません？」
元々、天ぷらがそんなに好きではない私などは、野菜ばかりの天ぷらだったら、食べない方がまし、と思ってしまう。
エビ、いか、きす、といった「お楽しみ」があってこその天ぷらなのに・・
と、思ってしまうのだ。
節子さんは、ちょっと照れたように
「ええんよ。私もダイエットせなあかんし。犬のえさ代が今月とてつもなくかかったから。犬は自分でコントロールできないから、人間がコントロールしたら済むことやし。」
という。
はあ、そうなんですかぁ・・
節子さんは、ダイエットする必要がない、普通の体型である。
常に忙しく動き回っていて、普段から粗食なので太ることはないのだ。
それどころか、先日は過労で喉の粘膜が腫れて食べられなくなってしまったくらいである。
私は、ひそかに栄養失調を疑ったくらいなのに。

犬のダイエットも大事でしょうが、もっと自分も大事にしてほしいな、と自分ばかりを大事にしている勝手な私は思うのだった。