自分のこどもに先立たれるということは、心臓をわしづかみにされるように苦しいことです
と、ラジオで語りかけた蓮さま。
私の父が、母の介護をしてもう足掛け20年近くになる。
老々介護というものである。
よっぽど困ったときか、もう母が逝ってしまうんではないか、というときにしかヘルプを出してこない。
母との関係をうまく築けなかった私は、父に甘えてほとんど母のいる施設に足を向けることはない。
そんな冷たい娘に、どうにか母を会わせたくて、時折父は母の散髪を私に頼むのである。
先日も、その依頼を受け施設に出向いた。
身体能力はかなり衰えているものの、頭はまだそんなにぼけてはいない母である。
それでも、老いというものはひとを弱く、穏やかにするのか、もう、私と衝突することもない。
母の少なくなった髪を切りながら、両親との四方山話をする。
子供のころから、親との会話が苦手だった私は、50を過ぎてもうまく会話ができない。
聞けば、父はここ何日か風邪を引いて、高熱をだしてダウンしていたという。
ならば、私にヘルプを出せばよかったのに・・・
といえば
「おまえも、お義母さんの世話や仕事で大変だろうから、自分でどうにかできることはなんとかするさ」
と、父は遠慮がちに言った。
私が会社のことや、姑のことなどのストレスから痩せていたことにきづいていたのだ。
転勤族だった父と、一緒に暮らした時間は少ない。
それでも、いくつになっても子どもの身を案じることは変わらない、ということに改めて気づく。
自分の苦しみより、こどもの苦しみを思いやる。
いつも、自分より、こども。
私は常に自分の親の様子は見に行かずとも、姑のことを優先してきた。
たまたま私の実家に近いところに暮らすことになったことで、一人暮らす姑に申し訳ない、という気持ちもあって、実家への足を遠ざけていた。
だが、そういう私の気持ちを知ってか知らずか、
夏の暑い日、仕事帰りに姑のところに立ち寄ったとて
「あつかったやろ?
冷蔵庫の冷たいものでも飲んだら?」
という一言はなかった。
それが実の娘と嫁との違いなのだと思う。
高熱がでても、娘のたいへんさを思って、遠慮して電話してこなかった父が切なく、ありがたかった。
親孝行、したいときに親はなし
というが、後悔しないようにだけはしておきたいな、と思った出来事だった。
と、ラジオで語りかけた蓮さま。
私の父が、母の介護をしてもう足掛け20年近くになる。
老々介護というものである。
よっぽど困ったときか、もう母が逝ってしまうんではないか、というときにしかヘルプを出してこない。
母との関係をうまく築けなかった私は、父に甘えてほとんど母のいる施設に足を向けることはない。
そんな冷たい娘に、どうにか母を会わせたくて、時折父は母の散髪を私に頼むのである。
先日も、その依頼を受け施設に出向いた。
身体能力はかなり衰えているものの、頭はまだそんなにぼけてはいない母である。
それでも、老いというものはひとを弱く、穏やかにするのか、もう、私と衝突することもない。
母の少なくなった髪を切りながら、両親との四方山話をする。
子供のころから、親との会話が苦手だった私は、50を過ぎてもうまく会話ができない。
聞けば、父はここ何日か風邪を引いて、高熱をだしてダウンしていたという。
ならば、私にヘルプを出せばよかったのに・・・
といえば
「おまえも、お義母さんの世話や仕事で大変だろうから、自分でどうにかできることはなんとかするさ」
と、父は遠慮がちに言った。
私が会社のことや、姑のことなどのストレスから痩せていたことにきづいていたのだ。
転勤族だった父と、一緒に暮らした時間は少ない。
それでも、いくつになっても子どもの身を案じることは変わらない、ということに改めて気づく。
自分の苦しみより、こどもの苦しみを思いやる。
いつも、自分より、こども。
私は常に自分の親の様子は見に行かずとも、姑のことを優先してきた。
たまたま私の実家に近いところに暮らすことになったことで、一人暮らす姑に申し訳ない、という気持ちもあって、実家への足を遠ざけていた。
だが、そういう私の気持ちを知ってか知らずか、
夏の暑い日、仕事帰りに姑のところに立ち寄ったとて
「あつかったやろ?
冷蔵庫の冷たいものでも飲んだら?」
という一言はなかった。
それが実の娘と嫁との違いなのだと思う。
高熱がでても、娘のたいへんさを思って、遠慮して電話してこなかった父が切なく、ありがたかった。
親孝行、したいときに親はなし
というが、後悔しないようにだけはしておきたいな、と思った出来事だった。
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