ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

お父さんの居場所

2016-05-10 | 砂時計
もうすぐ父の日である。

私の住むマンションは、規模が小さくて、40戸足らずのマンション。
そこには30代から80代までの家族が住んでいる。
若い世代の家族は、当然のことながら小さい子供を連れていることもあり、家族連れでおでかけ、という場面によく出くわす。
が、こどもが成長するにつれ、部活や、友達同士での行動が多くなり、自ずと一家そろってのおでかけの回数は減ってくる。
そうなると、残された夫婦二人、どうするか?
みるともなくみていると、どうやら夫婦別行動をとることが多いのが40代夫婦。
ある夫婦は、いつみても、奥さんだけが車を駆っておでかけ。
ご主人は、一人で自転車に乗って出かけていく。
商店街でばったり出会っても、ご主人一人。
綺麗な奥さんなのに、もったいない・・
一緒にお出かけするのが嫌なんだろうか?
男の子しかいない家なのに、息子たちは常に母親と行動を共にしている様子。

片や、女の子しかいない家。
お父さんは、常にひとり車に乗ってお出かけ。
奥さんは奥さんの車があるので、単独もしくは娘ちゃんたちとお出かけ。
ご夫婦が二人でいるところは、まったく見たことがない。
笑っているのもみたことがない。
ある日のこと
近所にある大型ショッピングセンターのベンチに腰掛け、楽しそうに笑っているそのご主人を見かけた。
ここに住んで10年近くになるが、あんなに楽しそうに笑っている姿を見たことはそれが初めて。
よくみると、スマホを片手に誰かとおしゃべりに夢中のよう・・
休日のSCで、大勢の家族連れが往来しているなかで、相当楽しそうである
そんな姿を目撃してしまったことが、なんか申し訳ないような・・って、なんでそんなことを思うんだろう。
そうだ。
きっと、あのご主人も、あの奥さんもそれぞれが楽しそうにしているところを見たことがないから。
そして、夫婦お揃いの姿もみたことがないから、だということに気付いた。

そんな秘密を目撃してから、何日もたたないある日。
そのご主人が、今度は近所に借りた自分用の駐車場で車を停めて、運転席で音楽を聴いているのを目撃。
目をつむって、恍惚の表情である。
マンションからは歩いて2分ほどの距離の駐車場。
奥さんや、こどもさんがそんな夫、父親の姿をみたらどう思うのだろう?
よそ様の家庭のことなのに、気になってしまう。

はたして、世のなかのお父さんは、どこに自分の居場所を持っているのだろうか。
一戸建てで、書斎なるものを確保しているご主人は、そこが自分の基地になっているはず。
3LDKや4LDKのマンションで、父親が自分の基地を確保することは今の時代ありえない。
平均的な夫婦二人、子供二人の家庭ならば、子供たちはそれぞれに部屋を持ち、夫婦が過ごすのはリビングが中心になっているだろう。

ご近所のご主人のように、基地を求めて流浪の旅にでても仕方のないことなのかもしれない。
でもなぁ・・・
他人事ながら、なんか寂しく思えて仕方のない、夫婦模様なのである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿