昔、夢中になったもの

「秘密」「鍵」といった言葉にたまらない魅力を感じていた。
少女漫画の付録でも、
「鍵付き日記帳」とか「鍵付き宝石箱」なんていうのが付く月は付録ほしさに買ってしまった。
いつの頃だったか、「ロケットペンダント」なる存在を知る。
たぶん、３年生の頃だったと思う。
同級生で、ちょっとおませな女の子がいた。
その子のおうちは喫茶店をやっていて、電車通学をしていた。
大きなお姉さんや、お兄さんがいたからか、大人びた雰囲気で、クラスの中でも中心にいるような女の子だった。
その子が、その頃に夢中だったのがグループサウンズ。
彼女のアイドルは、たしかオックスの野口ヒデトだったと思う。
彼のブロマイドを集め、下敷きやランドセルのうち蓋にも貼っていた。
そして、究極がロケットペンダントである。
制服の下に、きらりと光るペンダントをして登校してきていた。

私はＧＳにはまったく興味がなかったが、彼女の持っているきらっと光る秘密めいたロケットペンダントには非常に興味をそそられた。
とても欲しかった。
たぶん、その思いが高じてその年のお誕生日か、その次の年のお誕生日に買ってもらったのだと思う。
ピンクのベネチアングラスのような細かな模様が描かれたものだった。
その中に、最初に納めた写真はたぶん小５のころに好きだった男の子かな。
その後、そのペンダントをどうしたのか全く覚えていない。

久しぶりに手にするロケットペンダント。
表面のデザインが気に入ってＲｉｎさん
のところで購入した。
この歳で、今更胸に納める写真はない。
入れたい人のいる某女がうらやましいよ。