ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

眉間にしわ

2014-06-03 | 砂時計
お昼によく行く麺どころ

古くから、ずっとそこにのれんを出していた店らしい。
鰹で出したお出汁がとびきり美味しくて、毎日食べてもあきないくらいである。
映画「CHE」に出ていた男優ベニチオ・デル・トロによく似た店主と、若い頃は綺麗だったかも?と思わせる派手な顔立ちの奥さんらしき人、それと厨房で調理する地味で小柄な女性の三人で切り盛りしている。

麺もおいしいし、出汁もおいしい。
値段もとびきり安くて、サイドメニューにおいているおいなりさんやちらし寿司もびっくりするくらい良心的な値段で、それでいてとても美味しい。

なんだけど。
とにかく愛想のない店なのだ。
店主はいつも苦虫をかみつぶしたような表情をうかべ、ただひたすら麺を打ち、ゆがいている。
厨房に立つ小柄な女性も、どこかの修道女のような出で立ちで、化粧っけもなく、無表情にもくもくと働いている。
唯一、ホールを仕切っている濃い顔立ちの女性が、
「いらっしゃいませ。」だの、「ありがとうございます」だの、「お気をつけて」だのという
商売人らしい単語を発するのであるが、顔が怖い。
眉間にしわが寄っているのである。
笑っているようでも、笑っているように見えず、何か怒っているのか、不満があるかのよう・・
お店のメニューで一番高い、エビ天うどんを注文しようものなら
「お時間をかなり頂戴するようになりますが。」
と、これまた眉間にしわを寄せて、非常に迷惑そうに答えを促すのである。
さも、そんな手のかかるメニューは注文しないでほしい、といわんばかりに。

たいていのお客さんは、そんなうっとしそうな顔をされてまでのメニューを、あえて選ぶ勇気はないのか、
「じゃ、ほかのものにします・・」と気弱にメニューを変更するのである。

たぶん、その女性に悪気はないだろうし、べつに迷惑がっているわけでもないんだろうけど、
眉間のしわはいけません。

私も、長年自転車で通勤するうち、暑い日、寒い日、風の強い日を乗り越えてきたせいか、知らないうちに眉間にしわがくっきり刻まれている。
最近は、別の要因まで加わって、さらにしわが深くなってきている気さえする。

いかん、いかん。
迷惑に思っていなくても、迷惑「そう」に見えてしまうと、相手も頼みたくても頼めなくなってしまうかも。
たとえ面倒だな~と思っても、眉間のしわはのばして、にこやかに応えよう。
「なーに?お義母さん。」

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2 コメント

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Unknown (アプリコット)
2014-06-07 17:08:31
若いころから眉間にしわが一本あって、
それが年を重ねるごとに深く険しくなっています(涙)
自分でふと無意識の時に鏡に映った顔が怖くて悲しくなるので、人と対するときには気持ちを込めて、伝わるように対応しています。。¥
接客業の様子から学ぶことってありますね。
時々刺激を受ける必要があるなぁと感じます
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人のふり見て (CITROEN)
2014-06-07 23:18:30
我がふり直せ、ですね。
ま、そのお店の奥さんも、その縦皺ゆえに迷惑そうに見えているだけで、心の中ではちっともなんとも思っていないのかもしれませんけどね。

電話の声音、ひとつとっても、私の場合、会社で電話をとって話すときと、海苔っぺと言葉を交わすときでは、オクターブが2オクターブくらい変わってしまいます。
そのあたりも変える努力をしなければな~とちょっぴり反省したりして。
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