ごめんなさい。

今日のニュースで、問題の親子と所属ジムの会長が謝罪会見をしていた。
元々、私はボクシングには興味はなかったが、昨年あたりからテレビ局が妙に肩入れして、ひとりのボクサーのことを持ち上げていたので、目の端にはかかっていた。
そのときから、不快感を感じていた。
関西人の端くれとして、関西の言葉をあんなに汚らしく、感じ悪く使われることがまず不満だった。
「アンタ、何様？」と問いたくなるような不遜な態度も気にくわなかった。
普段、良識の固まりのような顔をして番組を作っているあのテレビ局が、どうしてああいう輩を持ち上げるのかも不思議だった。
そこで起きた今回の事件である。
処分が重いのか、軽いのかは私が判じるところのものではないが、謝罪が気に入らない。

先頃、同じくマスコミを騒がせた相撲力士がなくなった事件でもそうだったが、まず、謝るべきところの先が違うんじゃないか、ということだ。
相撲協会の偉いさんが、まず謝罪に出向いたのは文科省だった。
当事者である亡くなった力士の親御さんのところに謝りに行ったのはずっと後になってから。

今回のボクシングならば、まず、謝るべきは対戦相手である内藤選手だろう。
会見会場を用意して、マスコミのカメラやマイクに向かって頭を下げれば、謝罪になるというものではないはずだ。
まず失礼な試合をして、迷惑をかけた相手に直接謝ってから、次に応援してくれたファンや、ボクシングというスポーツを楽しみたいと観ていた観客に対して、マスコミュニケーションという道具を使って、広く謝罪すべきなのじゃないの、と私は思う。

光市の母子殺害事件の被告といい、本当に謝罪する気があるのなら、外に向かって頭を下げたりするのではなく、本当に謝らなければならない相手に、心からの詫びをするのが、真の謝罪というものではないのかな。

ひょうひょうとした内藤選手の受け答えが、爽やかだったのがせめてもの救い。