ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

ふりほどいた手

2014-05-26 | 砂時計
姑の受け入れ~施設への入所、息子の引越し、会社の不毛な仕事や、一年たっても全然なじめない同僚へのストレスなどで3月末から4月にかけては、
文字通り忙殺されてしまっていた。
ここ何年も出したことのない、高熱まで出し完全ノックアウトで迎えた4月。
前半は足が地に付かないような、体がふわふわした状態で、それでいて芯に鉛を抱え込んだような日々が続いていた。
5月に入りようやく、すこし人心地。

姑の施設暮らしも、3ヶ月近くになり、少しリズムに慣れてきた感じである。
痴呆があるわけでもなく、多少の歩行困難がきたしているくらいの姑にとって、施設での暮らしは退屈そのもの。
かといって、趣味がカラオケや、ショッピングといった外に出歩くことでは、なかなかその欲求は満たすことができないのが現状だ。
また、こどもが息子ひとり、というのも姑にとっては寂しさのひとつである。

その昔。
夫がまだ幼稚園児だった頃のこと。
幼稚園のお遊戯会で、お母さんと手をつないでお遊戯をしましょう、という出し物があったらしい。
老成していた夫は、踊る曲「こんにちは、あかちゃん」も嫌なら、母親と手をつなぐのも嫌だったそうで。
その手を振り払ってしまったそうだ。
そういうこどもの母親なのに、姑は母性が全面にわんわんでるひと。
小さい子どもに、甘えられたり、てこずらされたりすることに喜びを見出すのである。
自分のかなえられない夢を、ぬいぐるみや人形に託し、部屋にいっぱい並べていたようだ。
手がかからない楽な子でよかったわ、とでも思えば、またそれはそれで丸くおさまったのかもしれないが。

今は、好むと好まざるとに関わらず、どこに行くにも必ず夫の手助けが必要となった姑。
私が一緒のときは、私の腕にすがって歩くが、普段の医者がよいは夫の腕にすがっている。
昔、ふりほどいた母の手は、50年経って絡み付いてきている。
因果応報。

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2 コメント

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Unknown (アプリコット)
2014-05-27 19:55:17
しばらくブログの更新がなかったので、お忙しいのかなぁと気になっていました。
同居が始まって間もなく施設に入られて
ご本人もCITROENさんも生活のリズムに慣れるまで
大変な時期だったのではないでしょうか。
体調の方はいかがですか?

ご主人の幼稚園時代のお話、母親としたら
わが子の性格をわかってはいても寂しい経験でしたね。
年を重ねて今は息子の腕に頼って歩くというのは
どんな心境になるものなのか、想像できそうで出来ない気がします。
外出がお好きなお姑さんだったら今の生活は退屈かもしれませんが、一人で暮らしたり、一人で家族を待つ生活より
気の合う友達ができれば心強い生活になるのではないでしょうか。
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日々波高し、です (CITROEN)
2014-05-27 20:41:28
アプリコットさん、こんばんは。
ご心配いただきありがとうございます。

小さい頃から、母子べったりの親子なら、年老いたとてしっかと手を取って歩くのは苦痛ではないでしょうが、うちの夫みたいなタイプは、相当嫌みたいです。
反対に姑は、息子をしっかりつかまえておけるのでうれしいようですが

相変わらず、一日おきに顔を見せるようにしていますが、今日は仕事が忙しかったので、パスさせてもらったら、早速、家に着くなり携帯が鳴りました。
愚痴のオンパレード。。。
また、記事にアップしますが、施設というのも入ってしまえば終わり、というわけでもなく、問題点はいろいろあります。
自分がその年齢になったとき、やっぱり入りたくないな、というのが正直なところ。
そんなところに親を入れる私たち夫婦って・・・って考えると愚痴も甘んじて聞くしかないですね。
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