ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

新楽章

2014-02-19 | 砂時計
生活に困難をきたした姑との同居が始まって1週間がたった。

一時、こっちで一緒に暮らそう、となったが姑が泣いて帰りたいと言い、同居の話はご破算に。
ヘルパーさんや、ご近所、おともだち、ボランティアの方、民生委員さんらの手を借り、宅配の食事を頼み、あらゆる手段を使い、一人暮らしを続けてきたが、持病のパーキンソンもあり、たびたび救急車のお世話になって、そのたびごとに夫が仕事を休んでかけつけた。
ようやく、本人もあきらめて私たちと一緒に暮らすことを決意したのである。

何百人も待っているという姑がデイサービスに通う老人施設とは違い、この町にはたくさんの施設がある。
息子も、もうこの家に帰ってくることはほとんどないし、部屋がないわけではないから一緒に住んでも問題はないのだが、
日中仕事で家にいない私たち夫婦と暮らすというのは、一人暮らしも変わらないのでは、ということで施設にはいることに予定した。
探せば、すぐに入れる施設がないわけではないので、家の近所にある施設に予約をいれた。
それに際し、いくつか施設を回ってみるが、どれも帯に短したすきに長し、状態である。
きれいで、入所者の状況も姑と同じ程度なのでいいんじゃないか?と思えば、食事がいい加減そうだったり、リハビリ、普段の活動など皆無で、生活の質の向上という点ではNGだったり、それは完備しているけれど、寒々しい感じが不安がる姑にはNGかな?と思ったりで、どこも一長一短なのである。
家で過ごすのとは違うから、自分の思い通り完璧!というものは無理にしても、せめて少しでも居心地のよいところを選ぶくらいはしてあげないと・・と思ってしまう。
それは、本来なら私たち夫婦が家で看て、世話をするのが本筋なのに、どこかで仕事に逃げてしまっていることに対しての後ろめたさがあるからかもしれないし、いずれ自分が同じ立場に立たされたときに、周りにいる人間にそれを望むかもしれない、との思いがあるからかもしれない。

自分の実の親ならば、ストレートな物言いで、ケンカになったとて修復は可能であるが、義理の親子ではそうはいかない。
それがわかっているから、姑も私もお互いに気を使っている。
食事ひとつとっても、香辛料の強い食事、あっさりした和食や、あるいは歯ごたえのある食事を好む私たち夫婦と違い、味付けは甘め、脂っこいもの、やわらかめの食事を好む姑。
どちらかにあわせるとどちらかが食欲不振になり、それぞれの食事を作るとなるとそれはそれで大変であるし、不経済でもある。
また、自分たちだけ食べると、まるで仲間はずれ、老人はずしをしているようで気が悪い。
そんなこんなを、あけすけに言えたらどんなにか楽だろうか。
私もしんどいが、いいたいことが言えず、したいことができない姑もしんどい。
間にいる夫も、さらにもっとしんどいだろう。
今はまだ、お互いどこか物見遊山気分で同居生活をやり過ごしているが、これが更に姑の身体機能の衰え、私たち自身の高齢化が進むにつれ、問題は深刻化していくことは必至。

今までは他人事だった介護問題が、まったく他人事ではなくなってしまった。
それは我が家の歴史の新楽章の始まりでもある。
現代音楽のような不協和音の連続にならないように、耳障りのよいメロディーを奏でたいものである。

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8 コメント

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いよいよ (アプリコット)
2014-02-27 10:07:25
同居生活が始まったのですね。
CITROENさんがお仕事をされていることは、双方にとってもとてもよいことだと思います。
友人がやはり似た状況で仕事を持っています。
家を出ることで風通しも良いと言っていました。

でも、言葉では表現できない、共同生活の大変さってあるでしょうね、。
一つ一つ経験していくしかないのかもしれませんけど
無理しすぎないようにして下さいね。
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始まりました (CITROEN)
2014-02-27 21:26:39
アプリコットさん、こんばんは。
姑には悪いのですが、ほんと、仕事を持っていてよかったと思います。
ずーっと顔をつきあわせていたら、きっと私が介護鬱になってしまいそうです。
以前、同僚節子さんが
「会社に来ているときの方が、よっぽど気分が落ち着く」といってたのが思い出されます。
何がつらいって、自分ひとりの時間をもてないことが一番つらいです。
賑やかにわいわい言うのも、一人で黙考したり、物作りをしたりすることもするのが好きな私は、間断なくひとと会話し続けることにストレスを感じてしまうのです。
でも、30年近く好きなようにお気楽に暮らしてきたのだから、少しは我慢したり、働いたりしないとね、と自分を諭す毎日です。。
いつか、自分も歩む道ですからね・・

こうして、アプリコットさんとここでお話することの出来る時間も、とてもありがたく貴重に思えます。
話しかけてくださってありがとうございます。
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カフェ (アプリコット)
2014-02-28 09:58:16
友人から聞いたはなしで良いなと思ったのは、早く帰れる日でも、1人でカフェに寄る習慣です。
始めの頃は急いで仕事から帰っていたそうです。
仕事→買物→帰宅と繰り返すと疲れるそうです。

自宅でも本は読めるけどカフェだ1人で過ごすとリフレッシュできるとのこと。

ちょこっと寄り道オススメします。
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ありがとうございます (CITROEN)
2014-03-01 21:10:48
アドバイス、ありがとうございます。
私の場合、ちょこっとの寄り道がかえってストレスをためてしまいそうなんです。
姑が私の帰りを待っている、帰って早くご飯の支度をしなければ、というもろもろのことを考えないといけないっていうことが・・
たぶん、意地悪な姑さんだったら、きっとこっちも意地悪な気持ちになるから悪びれず寄り道もできるかもしれません。
私に気を遣ってくれているのがわかるだけに、自分だけがストレスの発散をすることが悪い気がしてしまうのです。
なかなか難しいですね、いろいろと。。
考えを変えて、楽しんでしまおう!と思えるように努力したいです。
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おひさしぶりです。 (ゴンタリョーマのママ)
2014-03-18 17:12:23
お久しぶりすぎてすみません。こんにちは。
ゴンタリョーマもこの春から早中学2年です。

私は姑との同居、15年を過ぎました(*^_^*)
きままな大阪一人暮らしから、田舎に嫁ぎ、急に舅が亡くなって否応なしに同居になったのは上の娘が2歳、下の娘が1歳前のことでした。
環境がかわったこと、どうしても気分的に窮屈でしたもんね。お互い嫌な思いをしてきたと思います。
でもこれだけは言ってはいけないという一線を越えなければ、あまり気を遣いすぎるのもどうかと思います。一線というのは個人個人で違うとは思いますけど。
お母さんの立場ではCITROENさんに仕事は続けて欲しいと思います。お互いに仕事という逃げ道?も必要だと思います。
自分自身も年を取り、なんか鈍くなってきたのを感じる昨今。同じく年を重ねる姑の姿に‘いつかは行く道‘と思いながら日々暮らしています。
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懐かしい!! (CITROEN)
2014-03-18 19:44:36
ゴンタリョーマのママさん、おなつかしゅうございます!
思い出してくださって、足を運んでくださって、書き込みまでしてくださって、とってもとってもうれしいです!

そうでした、ゴンママさんは同居されていたのでしたね。
見知らぬ土地へ嫁いで行かれて、さぞやつらい思いも何度も経験されたことでしょうね。
私なんて、ほんと恵まれた嫁だと思っています。
実は、一週間前に姑は施設に入りました。
今のところ、毎日会社帰りに顔を見に寄っています。
めんどくさくない、といえば嘘になりますが、夫婦二人の気楽な時間との引き替えに、それくらいのことはしなければ、と罪滅ぼしの気分で。。
ちょうど姑がゴンママさんと同じ境遇ですよね。
見ず知らずのひとばかりの環境に放りこまれて・・
そう思えば、たとえ2,30分でも愚痴のひとつやふたつ聞いてあげることぐらいしないと罰が当たるかな・・

鈍くなってきた、とおっしゃっていますが、角がとれて包容力のある大きな人間になってきた、ということではないでしょうか?
私もゴンママさんを先輩として、大きな人間に成長するための石段だと思ってがんばりますわ。。
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超ごぶさたです(^^;) (わんしび)
2014-04-22 19:10:28
こんにちは。本当にご無沙汰の限りを尽くしております、わんしびでございます。
私も嫁として夫の親とどう関わっていくかを迷走なうでございまして、CITROENさんの文章を読みながら「うんうんそうなんですよお~」と一人モニターの前でうなずいておりました。
昨年同じマンションに引っ越してすぐに義母が亡くなり、現在義父が一人暮らし。
「粘れる所まで一人暮らしで粘ります」と言ってはいますが、健康的にも全く問題がない訳ではなく、かといってどこまで手出し口出しをしてよいのだろうか・・・ともんもん。
実の親子だともう少し遠慮なく相手の縄張りに踏み込んでいけるのでしょうが、まだまだお互いに遠慮し合っている感じです。
まあ、あまり考えすぎても良くないし、一人で身の回りのことができなくなったらお義父さんもそのままではいられないんだし、行き当たりばったりでもえんでない、と開き直っているところもありますが(笑)。
現状に甘えているだけともいいますが(笑)。
毎日顔を出されるお嫁さん、お義母さんにとってもありがたいと思います。私も見習わねば!
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ああっ! (CITROEN)
2014-04-23 21:22:11
わんしびさん!!!
ほんっとーにご無沙汰です!お元気でしたか?

そうでしたね、お義母さん、潔い最期だったとか・・
お舅さんも、お一人でお暮らしですか。
うちの父も、弟夫婦が心配して一緒に暮らそう、と言ってくれますが、遠慮も、気楽さもあり一人暮らしを続けています。
姑を見ていると、ほんと自分を重ね合わせるのですよ。いろいろな意味において。
ああ、私が姑の立場だと、こう思うだろうな、ああだろうな。と。
誰しもみな、自分で気楽に、したいことをして食べたいものを食べて、起きたいときにおき、みたいものを見て、と若いときに当たり前にしていたことを年を取ってもしたいのだろうなって思うんですよ。
だけど、身体が言うことを利いてはくれず、精神的にも揺らぐこともあり・・
結局、わんしびさんがおっしゃるように、行き当たりばったりでいくしかないということだと思います。それが、ひいては一番自然な形のそれぞれの暮らしであり、幸せなのだと思います。
姑も、本当は私たちがそばに暮らし、それとなく面倒をみてもらいながら自分家で暮らしたかったのだと思います。
その気持ちがわかるだけに、「こんなとこにほりこまれて、ほったらかしにされてる」と思わせないために、なるべく顔を見に行く日々です。
がんばりすぎず、ちょびっとがんばって寄り添いましょう。。
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