切り裂きジャック

一年が過ぎ去るのが早く感じる。
そして年々、お正月らしさを感じることがなくなりつつあるように思う。

十連休となったこの年末年始
姑を連れ帰るお正月以外、さして用もないのでたまには布箱を整理しようか、とどっちゃり端布ばかりを詰め込んだコンテナボックスを開いた。
あけたとたん、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった気分に・・・
しかし、その気になっているときが整理時！
と、意を決して作業に取りかかる。

ネットの布やさんでの買い物に目覚めたのが、ちょうど１２年ほど前のこと。
人気コンサートのチケットばりに、布の新着とともに、争奪戦が始まった。
なぜか、いいな、と思う布はみな同じなのか、ほしい布ばかりがさっさとＳＯＬＤ　ＯＵＴになってゆく。
そんな戦いを何度かかいくぐり手に入れた布たちに対する愛着はひとしおである。
形をかえ、何かを作ったどんな小さな端布ももったいなくて捨てられなかった。
反対に、縫い目ががたがた、どこかもっさりした手作りの洋服は、それほど愛着がもてず、ほとんど着ていなくてもさっさと捨てる気になってしまったりするのだが。

何をする気でおいていたのかわからないような、ちっちゃな布やら、洋服の型紙をあてて切り抜いたいびつな形の布を裁ちばさみでジャッジャッと切り裂いていく。
気分はまるで切り裂きジャック。
ポケット布に使える大きさかどうか、を一つの目安で残していくと、うずたかく積まれた布山はあれよあれよという間に小さな古墳くらいに。。
ふたが閉まりかねていたコンテナボックスも、きっちり閉まり。

年末のひとつの仕事が終わった。