ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

手が生み出すもの

2006-04-14 | 砂時計
仕事を午前中できりあげて、友人の個展を訪ねた。
便利とは言えない、海と山に囲まれた土地に暮らす彼女。
広い自宅の庭や畑をユンボやトラクターを駆り出し、自らの手でで開墾する。
彼女の手にかかれば、どんなものも命を持ち、芽吹き、煌く。
それは、住む場所、創作する場所が必ずしもモノにあふれた都会でなくてもできるんだ、ということを教えてくれる。
今回の個展も、自宅の庭で出た、小さな切り株、小枝を石膏で固めた作品の数々である。
和紙を漉くときの技法で、キャンバスを揺らし石膏に波打つ躍動感を与えてみたり、あるときはガラスコップ、あるときはピアノを奏でる指でひっかき、模様をつけている。
捨てればただの木切れも、こうして壁にかけると作品の鼓動が聞こえてくるかのような錯覚に陥る。
一緒に出かけたさらさのははさんのお嬢さんが作ってくれた、高校生とは思えない腕前の美味しいクッキーを頬張りながら、あらためて人の手が生み出すものの力を考える。
以前、私がパティシェを目指しているというお嬢さんに彫ってあげたスタンプを袋に押してくれている。
お母さんによると、自作のお菓子をおともだちに配るときには、いつもこのスタンプを押してくれているのだそうだ。
お店で買えば、もっとすっきりしたデザインで、線もくっきりしたものになるだろうに、こんな稚拙なものでも大事に使ってくれている人がいる。
あらためてモノづくりをすることの喜びを感じた。

個展の帰り道に寄った雑貨屋においてあった「手作り感」満点のポットホルダー。
これも手が生み出したものには違いない。
その作品に対する見方は千差万別。
私は私が目指す方向へ、けっして器用そうには見えない我が指を見ながら少しでも満足が得られるものを作るべく努力したい、そう静かに思うのだった。

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2 コメント

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ありがとう! (さらさのはは)
2006-04-14 21:57:49
今日は楽しい時間でした。

本当に捨ててしまうような木の枝や木の実があんな素敵なアートとなって新たに息を吹き返すなんて・・・。

私も手作りの素晴らしさを再認識しました。



娘も少しは私の影響なのか(?)もの作りの楽しさを感じてくれているようです。

フロランタン、お褒め頂いて喜んでます。

これからも自分らしいハンドメイドを楽しみましょう!

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自分らしい (CITROEN)
2006-04-15 00:06:05
ハンドメイド、そうですよね!

さらさのははさんの作るものも、いつも丁寧で大人かわいい感じで素敵です。

さらさちゃんもお料理が好きだから、きっとハンドメイドにはハマると思いますよ~。

また、一緒に遊んでやってくださいね
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