おしとやかに

昨日の午後から、腰が突っ張っている。
下のものを取るにも、膝を曲げてそろっとおしりを落とさなければ、間違いなく
「ごきっ！」と音を立ててぎっくり腰になりそうな予感がする。

昔は剣道部に所属していたこともあったせいか、姿勢はいい方だった。
だが、結婚してどっかりと座れる肘当て付きの椅子にした頃から、どんどん姿勢が悪くなり始めたように思う。
気づけば、背中を丸くして食べたり、飲んだり。
背もたれにもたれたら、足を組む。
腰に悪いことばかりをしている。
ミシンをさわり始めてからは、さらに始末が悪い。
無印で調達した机にミシンをおいたのはいいが、どうも椅子が高すぎるのか、近視と老眼の入り交じる目のせいなのか、ますます背中を丸めてミシンを踏んでいる。
若ければ、回復力もあるだろうが、この年にもなればそれも遅々たるものである。

会社へは自転車を漕いでいったものの、道のでこぼこも腰に響く。
午後からは、足を引きずらなければ歩けないほどになったものだから、これはいけません、とばかりに近所の接骨院に飛び込んだ。
診断結果は、姿勢の悪さからくる筋肉疲労。
ぎっくり腰の一歩手前だった。

縫いたいものも、縫わねばならない布もパターンも山積みなのに、ミシンはしばらく封印しなければいけないようだ。
どうにか直立不動の姿勢でミシンがかけられないものだろうか。
あほみたいなことを真面目に考えている。
それにしても、腰をかばうせいか、一挙手一投足がゆっくりと丁寧に動く。
膝をそろえて、ゆっくり腰を落とし、下のものを取る。
傍目に見ていると、なんて女らしいひとなんだ、と思われるかもしれない。
これからは路線変更しようかな。