老人保健施設の歓送迎会があった。
佐久病院の老人保健施設は、モデル事業にもなった施設で日本でもっとも古い老人保健施設の一つである。
農村地区の病院併設型老人保健施設として生まれて20年の歴史があるが、今みても広々とした設計、認知症専門棟、オープンカウンターのスタッフステーションなどよく練られた設計だとおもう。
病院と較べれば圧倒的に多職種で協同するのみ適した仕様であり、また利用者のアメニティー、生活を重視した設計といえる。
病院ではないので希望すればお酒も飲めるしビールの自動販売機もある。
佐久老健は病院付属の老健ということもあり、身体的、精神的にも多の老健では断られるような、医療的にもかなり重度の方もみている。
(しかしいまの診療報酬・介護報酬では報われない。)
中間施設としての役割や在宅支援の役割を老健が当初から目指していた役割をかなり忠実に果たせているという点では珍しいケースかもしれない。
農繁期のショートスティ、高齢独居の方の冬季のみ越冬入所、高原野菜の村からは農繁期の夏期の長期入所などこの地域ならではの特徴であろう。
老健ショート1~2週間程度利用し、ディケアでのリハビリテーションなど組み合わせて利用し在宅療養をおこなっている高齢者も多い。
老健はまさに高齢者の地域ケアにおいて要となる施設といえるだろう。
自分は医師として昨年から関わらせて頂いており、緊急的な医療対応や、日常的な健康管理等でのお手伝いさせて頂いている。
昨年度は初めての計画的な看取りをおこなわれ、その後、全職員での話し合いをおこなうなど自主的、民主的な運営。
また冬に胃腸炎が流行した時の隔離、インフェクションコントロールなどの素速い対応。
クリスマス会や餅つきなど、職員全体で盛り上げる各種のイベント。
ケアにかかわる多職種での勉強期会。
少ない人数で、いろんな職種がそれぞれの専門性を発揮し、またスタッフごとの個性を発揮した絶妙のチームワークの良さには感心した。
病院では回復期といえどもなかなか難しかった看護職、介護職、栄養士、リハビリのスタッフ、相談員、医師などが自然にチームでアプローチできているという印象をうけた。
今回はかなり古参のスタッフが人事異動や定年で去る者ということで、師長をはじめ感情豊かなスタッフも多く涙涙の感動的な送別会となった。
高齢者の最後の最後の何年かの生活を支え、地域で生かし抜く地域ケアという医療福祉の分野。
とってもやりがいのある楽しい仕事だと思う。
ケアに関わるスタッフが燃え尽きずにつづけられるようにするためには、スタッフそれぞれが地域ケアの全体像がみえるようにし、その中での自分の立ち位置をしっかり理解できるようにしなくてはならない。
そして高齢者一人一人のの生き方、大切にしてきたもの、病態などを理解し、共感し、共有することが必要である。
高齢者もスタッフも孤独にしてはいけない。
その大前提があった上でスタッフそれぞれが職種ごとの専門性やそれぞれの個性を最大限発揮できるような環境づくりが必要だろう。
攻める医療が中心となる急性期医療、高度医療、そこでは病態生理やエビデンスにもとづく医師からの治療計画の指示が滞りなく伝わり、素速く正確な対応が求められている。
客観的情報が性格に記録され、患者がかかえる問題を解決すべく看護計画が立てられる。
しかし生活を支える地域ケアにおいては医療(医師)はあくまでも脇役だ。
医療者はサポートにまわり、介護職を中心とするケアのスタッフの後支えに徹することになる。
生活者の自立を支援するサポートが中心で絶対的な正解というものはない。常に何がベターかを考えながら納得をつくっていく作業である。
特に看取りまで含めたケースなど医師がしっかり家族や患者を支え、最後まで責任をとり安心感をあたえるということは重要である。
これがあるから他のスタッフが安心してのびのびと働けるという場面もあるのだ。
こういう地域ケアの分野も本気でやるなら医師にとっても非常に楽しくやりがいのある分野であろう。
高機能の老人保健施設を核に最低限の医療機能をそなえた有床診療所(緩和ケア対応、後方支援病院との密な連携)、それから保健福祉の拠点となる行政等の拠点ををあわせた複合施設があれば地域ケアのかなりの部分が対応できるのではないだろうか?
佐久病院の老人保健施設は、モデル事業にもなった施設で日本でもっとも古い老人保健施設の一つである。
農村地区の病院併設型老人保健施設として生まれて20年の歴史があるが、今みても広々とした設計、認知症専門棟、オープンカウンターのスタッフステーションなどよく練られた設計だとおもう。
病院と較べれば圧倒的に多職種で協同するのみ適した仕様であり、また利用者のアメニティー、生活を重視した設計といえる。
病院ではないので希望すればお酒も飲めるしビールの自動販売機もある。
佐久老健は病院付属の老健ということもあり、身体的、精神的にも多の老健では断られるような、医療的にもかなり重度の方もみている。
(しかしいまの診療報酬・介護報酬では報われない。)
中間施設としての役割や在宅支援の役割を老健が当初から目指していた役割をかなり忠実に果たせているという点では珍しいケースかもしれない。
農繁期のショートスティ、高齢独居の方の冬季のみ越冬入所、高原野菜の村からは農繁期の夏期の長期入所などこの地域ならではの特徴であろう。
老健ショート1~2週間程度利用し、ディケアでのリハビリテーションなど組み合わせて利用し在宅療養をおこなっている高齢者も多い。
老健はまさに高齢者の地域ケアにおいて要となる施設といえるだろう。
自分は医師として昨年から関わらせて頂いており、緊急的な医療対応や、日常的な健康管理等でのお手伝いさせて頂いている。
昨年度は初めての計画的な看取りをおこなわれ、その後、全職員での話し合いをおこなうなど自主的、民主的な運営。
また冬に胃腸炎が流行した時の隔離、インフェクションコントロールなどの素速い対応。
クリスマス会や餅つきなど、職員全体で盛り上げる各種のイベント。
ケアにかかわる多職種での勉強期会。
少ない人数で、いろんな職種がそれぞれの専門性を発揮し、またスタッフごとの個性を発揮した絶妙のチームワークの良さには感心した。
病院では回復期といえどもなかなか難しかった看護職、介護職、栄養士、リハビリのスタッフ、相談員、医師などが自然にチームでアプローチできているという印象をうけた。
今回はかなり古参のスタッフが人事異動や定年で去る者ということで、師長をはじめ感情豊かなスタッフも多く涙涙の感動的な送別会となった。
高齢者の最後の最後の何年かの生活を支え、地域で生かし抜く地域ケアという医療福祉の分野。
とってもやりがいのある楽しい仕事だと思う。
ケアに関わるスタッフが燃え尽きずにつづけられるようにするためには、スタッフそれぞれが地域ケアの全体像がみえるようにし、その中での自分の立ち位置をしっかり理解できるようにしなくてはならない。
そして高齢者一人一人のの生き方、大切にしてきたもの、病態などを理解し、共感し、共有することが必要である。
高齢者もスタッフも孤独にしてはいけない。
その大前提があった上でスタッフそれぞれが職種ごとの専門性やそれぞれの個性を最大限発揮できるような環境づくりが必要だろう。
攻める医療が中心となる急性期医療、高度医療、そこでは病態生理やエビデンスにもとづく医師からの治療計画の指示が滞りなく伝わり、素速く正確な対応が求められている。
客観的情報が性格に記録され、患者がかかえる問題を解決すべく看護計画が立てられる。
しかし生活を支える地域ケアにおいては医療(医師)はあくまでも脇役だ。
医療者はサポートにまわり、介護職を中心とするケアのスタッフの後支えに徹することになる。
生活者の自立を支援するサポートが中心で絶対的な正解というものはない。常に何がベターかを考えながら納得をつくっていく作業である。
特に看取りまで含めたケースなど医師がしっかり家族や患者を支え、最後まで責任をとり安心感をあたえるということは重要である。
これがあるから他のスタッフが安心してのびのびと働けるという場面もあるのだ。
こういう地域ケアの分野も本気でやるなら医師にとっても非常に楽しくやりがいのある分野であろう。
高機能の老人保健施設を核に最低限の医療機能をそなえた有床診療所(緩和ケア対応、後方支援病院との密な連携)、それから保健福祉の拠点となる行政等の拠点ををあわせた複合施設があれば地域ケアのかなりの部分が対応できるのではないだろうか?