最近の若者はあまりお酒を飲まないようだ。
私が学生だった頃、部やサークルでは飲み会と言えば大騒ぎし一気飲みなどをする文化があった。
新入生の勧誘の時期にサークルなど組織ごとで飲み会の文化が違うのを面白く観察したものだ。
そして明るくなるまで飲み屋をハシゴしながら語り合う空気もあった。
そのころ新入生への一気のみの強要で急性アルコール中毒での死者が相変わらずでており問題となっていた。
飲酒の講習会への出席を義務づけられたりしていた。
そこではアルコールパッチテストをやったりしていた。
それでも吐いたりしながら、飲み方を覚え、それぞれの適正酒量というものを覚えた。
私はお酒を飲むとわずかに脱抑制し、さらに飲むと鎮静がかかって眠くなって寝てしまう。
だから最初のビール中ジョッキ1~2杯で十分である。(でもこれは飲みたい。)
飲酒すると少量でも翌日には肌が荒れたり頭痛がしたり引きずる。
アルコールは多少分解できてもアセトアルデヒトの分解は遅い体質のようである
であるから飲み会では自分はなるべく飲まないようにチビチビやるようにしている。
最近は飲酒運転に対する厳罰化もあり、とくに地方ではお酒を飲む機会自体が減ってきているようだ。
飲み会でお酒を薦められても断ることもおかしなことではない雰囲気となった。
交通事故死が減っているのも飲酒運転の厳罰化による効果もあるだろう。
アルコール依存症の患者さんを診療している立場からはお酒を飲まなくなること自体は悪いことではないと感じる。
酒害に対するプロモーションも盛んだ(下の写真参照)。

こうした取り組みが功を奏したのか酒害に対する認識は広まり、若者世代はあまりお酒を飲まなくなっているようだ。
一方でコミュニケーションのスタイルも変化し、お酒をツールとして用いつつ職場外で気軽にまじめな話をしたり、愚痴を言い合ったりする場が減り職場のメンタルヘルス体制は後退しているかもしれない。

しかしスーパーでは未だに大きなペットボトルに入った安い高濃度アルコールの焼酎が並んで売られているところをみると、大量にアルコールを摂取する人は多いのだろう。
こういった酒を求める人は、酒というよりエタノールと言う物質を求めている可能性が高く依存症となっている可能性が高い。
常習飲酒家は日本酒に換算して 1 日 3 合以上を 5 年以上飲酒する者、大酒家は日本酒に換算して 1 日 5 合以上、10年以上の飲酒家を指す。
大酒家は高率に肝硬変を発症するし、断酒で離脱症状がでる可能性も高い。
適正な飲酒習慣とは言えない。
お酒をコントロールして飲むことが出来なくなり、生活や身体に支障がでてくるようになるともうアルコール依存症である。
そうなってしまうとノーマルタイヤでブレーキの利かない車で冬道を走るようなものだ。
あまり良い死に方はしない。
呼吸器内科医はタバコよりもお酒がましだと考えるかもしれないが精神科医はタバコより酒の方がずっと怖いと考える。
タバコで肺がんや肺気腫、咽頭喉頭がんなどのリスクは増えるが、少なくとも人間関係や立場、家族まで失うことはない。
依存症になる前段階、プレアルコホリックの時点での介入がプライマリケアでの一大テーマである。
アルコール依存症かどうかはCAGEという質問でスクリーニングをおこなう。
C:飲酒量を減らさなければならないと感じたことがありますか。(Cut down)
A:他人があなたの飲酒を非難するので気にさわったことがありますか。(Annoyed by criticism)
G:自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがありますか。(Guilty feeling)
E:神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すために、「迎え酒」をしたことがありますか。(Eye-opener)
2項目以上あてはまる人はアルコール依存症の可能性が高い。
生活や身体に悪影響が出るまえに、お酒の飲み方について専門家に相談すべきであろう。
もっともお酒の文化の変化によって酒どころである当地では酒造が倒産したり農村部の冬の仕事である杜氏の仕事が減ったりと影響は大きい。
日本酒の出荷量もピーク時の三分の一にまで落ち込んでいる。
全国に点在している零細な造り酒屋は、大きな販売店が値段を決める大手の安売りの酒との価格競争に勝てず廃業も相次いでいると言う。
日本酒を楽しみながら飲むという文化が失われるというのも悲しい話ではある。
私が学生だった頃、部やサークルでは飲み会と言えば大騒ぎし一気飲みなどをする文化があった。
新入生の勧誘の時期にサークルなど組織ごとで飲み会の文化が違うのを面白く観察したものだ。
そして明るくなるまで飲み屋をハシゴしながら語り合う空気もあった。
そのころ新入生への一気のみの強要で急性アルコール中毒での死者が相変わらずでており問題となっていた。
飲酒の講習会への出席を義務づけられたりしていた。
そこではアルコールパッチテストをやったりしていた。
それでも吐いたりしながら、飲み方を覚え、それぞれの適正酒量というものを覚えた。
私はお酒を飲むとわずかに脱抑制し、さらに飲むと鎮静がかかって眠くなって寝てしまう。
だから最初のビール中ジョッキ1~2杯で十分である。(でもこれは飲みたい。)
飲酒すると少量でも翌日には肌が荒れたり頭痛がしたり引きずる。
アルコールは多少分解できてもアセトアルデヒトの分解は遅い体質のようである
であるから飲み会では自分はなるべく飲まないようにチビチビやるようにしている。
最近は飲酒運転に対する厳罰化もあり、とくに地方ではお酒を飲む機会自体が減ってきているようだ。
飲み会でお酒を薦められても断ることもおかしなことではない雰囲気となった。
交通事故死が減っているのも飲酒運転の厳罰化による効果もあるだろう。
アルコール依存症の患者さんを診療している立場からはお酒を飲まなくなること自体は悪いことではないと感じる。
酒害に対するプロモーションも盛んだ(下の写真参照)。

こうした取り組みが功を奏したのか酒害に対する認識は広まり、若者世代はあまりお酒を飲まなくなっているようだ。
一方でコミュニケーションのスタイルも変化し、お酒をツールとして用いつつ職場外で気軽にまじめな話をしたり、愚痴を言い合ったりする場が減り職場のメンタルヘルス体制は後退しているかもしれない。

しかしスーパーでは未だに大きなペットボトルに入った安い高濃度アルコールの焼酎が並んで売られているところをみると、大量にアルコールを摂取する人は多いのだろう。
こういった酒を求める人は、酒というよりエタノールと言う物質を求めている可能性が高く依存症となっている可能性が高い。
常習飲酒家は日本酒に換算して 1 日 3 合以上を 5 年以上飲酒する者、大酒家は日本酒に換算して 1 日 5 合以上、10年以上の飲酒家を指す。
大酒家は高率に肝硬変を発症するし、断酒で離脱症状がでる可能性も高い。
適正な飲酒習慣とは言えない。
お酒をコントロールして飲むことが出来なくなり、生活や身体に支障がでてくるようになるともうアルコール依存症である。
そうなってしまうとノーマルタイヤでブレーキの利かない車で冬道を走るようなものだ。
あまり良い死に方はしない。
呼吸器内科医はタバコよりもお酒がましだと考えるかもしれないが精神科医はタバコより酒の方がずっと怖いと考える。
タバコで肺がんや肺気腫、咽頭喉頭がんなどのリスクは増えるが、少なくとも人間関係や立場、家族まで失うことはない。
依存症になる前段階、プレアルコホリックの時点での介入がプライマリケアでの一大テーマである。
アルコール依存症かどうかはCAGEという質問でスクリーニングをおこなう。
C:飲酒量を減らさなければならないと感じたことがありますか。(Cut down)
A:他人があなたの飲酒を非難するので気にさわったことがありますか。(Annoyed by criticism)
G:自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがありますか。(Guilty feeling)
E:神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すために、「迎え酒」をしたことがありますか。(Eye-opener)
2項目以上あてはまる人はアルコール依存症の可能性が高い。
生活や身体に悪影響が出るまえに、お酒の飲み方について専門家に相談すべきであろう。
もっともお酒の文化の変化によって酒どころである当地では酒造が倒産したり農村部の冬の仕事である杜氏の仕事が減ったりと影響は大きい。
日本酒の出荷量もピーク時の三分の一にまで落ち込んでいる。
全国に点在している零細な造り酒屋は、大きな販売店が値段を決める大手の安売りの酒との価格競争に勝てず廃業も相次いでいると言う。
日本酒を楽しみながら飲むという文化が失われるというのも悲しい話ではある。