徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

父・井手次郎~精強261空”虎部隊”サイパンに死すとも③・頼もしき陣容1~

2019-07-17 05:00:00 | 日記
サイパン島は、東京より南南東2400キロ、北緯16度、東経145度の地点にあり、マリアナ諸島の中でグアム島についで大きな島である。
南北23.2キロ、東西10.4キロ、面積119平方キロメートル。島の中央にタポーチョ山(標高490メートル)があり、周辺は丘陵地帯が多い。

海辺は、東側は砂浜と一部に断崖、西側は珊瑚礁に囲まれた砂浜に熱帯樹のジャングルになっており、南端には、東西に滑走路を持つアスリート飛行場がある。
北端は険しい断崖で、そこから約500メートルの所にバナデル第二飛行場が設営中で、約80%出来上がっていた。

当時丘陵地と平地の大部分は、南洋開発株式会社の甘蔗畑(サトウキビ)となっていて緑が多く、西岸中央のガラパン市には、南洋市庁と南陽興発の製糖工場があり、民間人およびチャモロ系ミクロネシア島民(4000人)、計約2万人が在留していた。

気温は最高32度~最低20度くらいで、きわめて快適であるが、島内には川がなく、湖は西側にススッペ湖という泥水の小さな沼があるのみであった。
北部の山中には、ドンニイという所に水源地と呼ぶにはあまりにも小さい湧水地が一ヶ所あったが、飲料水、その他に使用する水はすべて雨水でまかなっていた。
ほとんど毎日おとずれるスコールの雨水を、トタン屋根からトイで貯水槽にひきこみ、それを使用していた。

徳川おてんば姫(東京キララ社)