徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

父・井手次郎~精強261空”虎部隊”サイパンに死すとも⑧・巨弾降る2~

2019-08-12 05:00:00 | 報道・掲載
午後になるとさすがに、わが方の対空砲火はしだいに減少、散発的になってきた。
この間にも敵機は追い打ちの手を休めることなく、超低空で樹木をかすめるようにして、ロケット弾を打ち込んでくる。
司令部からの報告によると、この二日間にわたる十数波の敵の空襲は、おそらく空母十数隻より発進した500機以上にのぼる艦上機の攻撃によるものと考えられた。

アスリート飛行場では、地上の多数のわが航空機が爆破炎上され、僅かに隠蔽されていた十数機が残るのみという。
また滑走路は、爆撃により直径5メートルくらいの穴が多数あけられ、これらは陸海軍の兵により徹夜で補修された。

治療所には陸海軍の負傷者が多数収容されていたが、うち3名が戦死し、遺体は近くの丘陵に戦友の手で手厚く埋葬された。

徳川おてんば姫(東京キララ社)