tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

つまらない本はどこで見切るか

2013-05-30 16:05:33 | 今日の出来事
自分では本は読んでいるつもりだけど、それでも記録を付けてみると月に10冊もいかない。
手軽なエッセイや新書、写真集まで含めても月に7~8冊がせいぜい。
人生で読める本の数など、限られているのだ。

そんな中、最近、つまらない本と立て続けに出会う。
本を選び抜く目をもっと養わなきゃいけないと思う。

おもに新聞の書評か広告を参考にして本を選ぶけど、
広告の惹句はもとより、評論家の寄稿だってあてにはならない。所詮は「好み」の世界だし。

・堀江貴文『刑務所なう』
ホリエモンの獄中記。収監されて境遇が激変しても特に「自分と向き合う」風でもないし、
他の収監者と交流があるようなのだが、その描写もない(それは書けないのかも知れないが)。
紙パックの飲み物を飲むのにストローを使ってはならず、穴からチューチュー吸わねばならない、
だけどそのルールは東京拘置所だけで、長野刑務所ではストローを使ってもよい
…といった、刑務所の不可思議な内部事情をもっと掘り下げて書けば面白いのに、と思う。
まあ、本職の物書き稼業でもなければ、そういう探究心も執筆意欲も湧かないのだろうが。
漫画雑誌のように粗悪な紙質、原色の漫画イラストがあしらわれた表紙…
本棚に並べておいて人に見られると恥をかきそうな安っぽい「タレント本」の体裁。
3分の1ほど読んで放棄。

・服部みれい『あたらしい東京日記』
なんでこの本を読んでみようと思ったんだろう…?今となってはそのきっかけすら思い出せない。
著者は編集者・ライターとしてある種の女性たちからは信奉を集めているようだけど、
(その理由を詳しく調べてみようという好奇心も湧かない)
本書を読む限り、文体にも内容にも魅力は感じなかった。
素人のブログと比較したって「つまらない」部類に入るだろう。
数ページだけ読んで放棄。

・J.K.ローリング『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』
『ハリー・ポッター』シリーズの著者の小説だが、『ハリポタ』ファンからすると馴染めない内容らしい。
僕は『ハリポタ』を読んだこともなければ、映画すら見たこともないので、
いたってニュートラルな姿勢で読み始めたけど、まあ、つまらない。
とにかくたくさんの人間が出てきて、その「描写」がなされるばかりで、一向に「物語」が動き出さない。
マラソンのスタート地点で、居並ぶランナー一人一人の紹介ばかりがダラダラと続き、
レースの号砲が鳴らされる気配がさっぱりない…そんな感じ。
それが、1巻目(全2巻)の3分の1を過ぎてもまだ続く。いい加減嫌になった。
読書は「苦行」ではないし、前フリがどれだけ退屈で長かろうともオチさえ華麗ならばいい、というものでもない。
最後は、帰りの電車の途中で、「せめて下りる駅に着くまでは読もう」という気力すらなくなり、本を閉じた。

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