総務省が下記のような行政指導を行った( http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050323_6.html )。いずれも、放送局側が自主的に非を認め、謝罪しているケースばかりである。なぜ、このような指導を行う必要があるのか。
テレビというメディアは、BPO(http://www.bpo.gr.jp/)という自主機関を設け、放送による人権侵害や放送倫理違反を調査している。今回の問題も、当然、そちらでの検討を待つべきであった。
総務省が勧告をする過程で、BPOへの照会がなされたのか、当該放送局にいかなる調査をしたのかは、不明確である。
各新聞紙のメディア欄において、その視点からの検討はされたのだろうか?それとも、やはり系列問題があるために、総務省に対して、批判的な見解は新聞紙上で展開できないのだろうか…。
バラエティ番組とはいえ、安易に、放送内容に、行政が指導をすることは、情報流通の観点から問題が大きいというほかない。
記
平成17年3月23日
総務省
番組問題への対応
総務省は、本日、株式会社熊本県民テレビ及び株式会社テレビ東京が真実でない放送を行い、また、日本テレビ放送網株式会社が同社の番組基準に反する放送を行い、これらの放送が言論報道機関である放送事業者に対する国民の信頼を著しく損なったことは、放送の公共性とその社会的責任にかんがみ、誠に遺憾であることから、これら3社に対し、今後このようなことがないよう厳重に注意するとともに、放送法及び番組基準等の遵守・徹底、外部に制作を委託した番組のチェック機能の確立等再発防止に必要な措置を講ずることを要請しました。
〔参考〕 1 株式会社熊本県民テレビの事案
(1) 番組名 : 「テレビタミン445」内の企画コーナー「ザ・追跡」
(2) 放送日時 : 平成17年1月17日、午後4時51分~5時6分
(3) 事実関係 : インタビューに登場した女性に盗聴の被害者であるように偽って演技させたこと等、「報道は事実をまげないですること」(放送法第3条の2第1項第3号)に抵触。
2 株式会社テレビ東京の事案
(1) 番組名 : 「教えて!ウルトラ実験隊」で取り上げた花粉症対策
(2) 放送日時 : 平成17年1月25日、午後8時12分~14分
(3) 事実関係 : ある女性に花粉症対策に有効とされる「舌下減感作療法」の患者であるように偽って演技させたこと等、「報道は事実をまげないですること」(放送法第3条の2第1項第3号)に抵触。
3 日本テレビ放送網株式会社の事案
(1) 番組名 : 「カミングダウト」
(2) 放送日時 : 平成17年2月15日、午後11時40分~2月16日、 午前0時20分
(3) 事実関係 : 青少年の健全育成上好ましくない題材(集団による窃盗という犯罪行為)を取り上げ、同社の番組基準に反し、放送法第3条の3第1項の規定に抵触。