おんがくは くうきのなかにきえていく
わたしたちは どこへいくんだろう
だいぶむりやりだったけど
パパに弾いてもらって歌の録音をした
パパの得意な曲
だった
ご機嫌のいいときは
自在に伴奏しながらハモもつけてくれたりした
いつのことだったかな・・・
ひところ
手が二重に見えたり
鍵盤が横にすうーっと動いて見えたり
そんな症状で苦しんでたんだって
ムジカはぜんぜん知らなかった
ただご機嫌わるくて
近寄ったらこわくって
だから
しらなかった
しらないうちに
病気がパパの手から自由をうばって
だけど
ふしぎなこと
そんな状態でも
次々に新しい曲に挑戦するパパの手は
やわらかな あたたかな音楽をつくりだす手に
変わっていく気がする
もう・・・弾けないの?
まだ・・・弾けるの?
また・・・弾けるようになるの?
わからない
わからないけど
今日はたのしいセッションができた
それでいいんだ
だからおねがい
また
弾いてね
あいことば
そのまんまでいいよ
ゆっくりしいや
パパとムジカのよろずな日々
おだやかにすぎていきます