智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

パラオ旅行ー5日目最終日

2017年03月15日 | 海外旅行
パラオ旅行も最終日になって、朝から晴天に恵まれます。

夕方の帰国便までの時間、市内観光にしました。

ガイドさんは現地に詳しい日本人で、ツアー客は私たちだけなので、気兼ねなく質問攻めです。


まず、水族館にて。



手で触って安全な生き物の解説。



なまこたち。因みに、私はナマコを食するのは大好きですが、生きているのを触るのは初めて。


毒のないクラゲが大量に生息する湖に潜るツアーついて、実際どうなのか?

危険な海洋生物との遭遇について、これまでの経験上、どうなのか?

一日ツアーで出される弁当の衛生安全面は、どうなのか?

かなり、つっこんだ質問をしました。

ベテランの彼は、一生懸命、誠実に、答えていました。


移動して、旧首都であった庁舎建物の横に、立派な木が



残念ですが、名前が分かりません。

そばに、昔からの族長会議で使われた建物。



建物の中



この部屋に、各族長が車座になって座り、議題について、お隣に座る族長の耳もとでささやき、

次々と、ひそひそ話を伝言ゲームのように、お隣の族長に伝えて、意見を合わせて決めていくそうです。

「和をもって尊きとなす」の原型と申しましょうか、

誰が決めた、ではなく、なんとはなく全体の総意を固めていく、

島国の政治スタイルなのでしょうか・・・

パラオ旅行ー4日目

2017年03月14日 | 海外旅行
4日目は、プランテーション・ホテルから出発して、マングローブの林で覆われた入り江からカヤックを漕いで、

ガイドさんの解説を聞きながら、赤茶色の淡水交じりの海水のエリアから、段々、白い底の砂地が見える昆布の群生地を抜けて、

浅瀬に沈んだ日本軍の船や、魚の住まいとなった米軍の飛行機を見て、

シュノーケリングのポイントに移動します。


昨日のサンゴ礁の場所とは異なったサンゴの様相で、棲む魚たちも異なります。

シャコ貝、マングローブ貝、カニなど「お金になる」魚貝類の解説も受けました。

現地の人は、潜って見つけたら、自分の海の畑に隠して育てあげ、大きくしてから換金するそうです。




私は、楽しく潜って観察しましたが、夫は、さっさと上がりました。

夫は、どこかつまらなさそうです。

私は、「こんな、シュノーケリングなんか、スキューバをやった身には、子供だまし、ちゃんちゃらおかしいよ!そんな気分?」

図星を指された夫は、にやりと笑って、「そう」と答えました。

私は、心の中で「そうは言っても、(夫は旅行前に)それで言い、と言ったのだから、今更、困るわ」とぼやきますが、

「この場所は、この場所なりの面白さがあります。」と返しました。

夫は、「お前が楽しければ、それでいいんだ」と、罰悪そうに、あわててフォローします。

私は、これまた心の中で、ブスくれた表情の夫を前に、楽しめるわけがない、とつぶやきます。







パラオ旅行ーレストランにて

2017年03月13日 | 海外旅行
ロイヤル・リゾートのメインダイニングで朝食2回、夕食二回とると、さすがに飽きました。

天気もあいにくで、夫はむっつりと不機嫌です。

食事を終え、夫に 「先に部屋に戻っていて。私はピアノを聞いていく。」

私は、懐かしの歌謡曲をピアノで弾き歌う、初老のパラオの男性の演奏に耳を傾けていました。

他にも客はいますが、皆、おしゃべりに夢中で、食事を終えて席を立ち去ります。


しばらくして、一人で珈琲を飲んでいる私と、どこの国の人かはわかりませんが、6人連れ客しかフロアーにおらず、

遠くでピアノニストの彼が、唯一の聞き手である私を見ながら歌います。

そろそろ引き上げようと席を立ち、ピアニストに挨拶して引き上げようとしたら、

ピアニストさんが「日本の方ですか?私は、鹿児島のホテルで、バンドのメンバーで〇年間いました。

この歌、知っていますか?ご一緒に。」と促され、

私も、周囲には客もいないので、私の声で迷惑にはならないだろう、と考えて、一緒に歌うことにしました。

「天使たちのララバイ」「恋に落ちて」「北酒場」「酒よ」など、かってのヒットソングですね。


すると、6人連れの客の一人が、にこにこしてこちらに向います。素敵なロマンスグレーの紳士で目があいましたので、

「私の声が、お邪魔になっていませんか?」と挨拶しますと、

「とんでもない。どうぞ、どうぞ。」とにこやかに答えます。そして、「どこから来たの?」と聞かれて「日本です」と答えます。

「あなたは?どちらから?」と問いますと、戸惑った表情を浮かべ、「エイライ」。

今度は私が分からずに言葉に詰まると、ピアニストさんが助け舟を出して「隣の州のエイライ、エイライの知事だよ」

と教えられ、「えっ」と驚きと同時に、あらたまって挨拶すべきかと、とっさに

「先ほどは失礼しました。私の歌声があなた方のお邪魔ではないか、と心配しました。知事は歌はお好きですか?」

「いやいや、私は歌わないのだよ。」「そうですか。それは残念です。」

「日本の観光客?」「どれくらい滞在するの?」と問われ質問に答えると、

「実は、私の母は日本人でね、〇〇という名前なんだよ。」そして、自らのルーツを簡単に紹介してされました。


国籍が一目で見分けられない人々が集まるテーブルでしたので「今日は、お仕事で会食ですか?」と伺うと、

「仕事ではないが、仕事が終わったのでね。副知事や局長、仕事仲間と夕食を食べようということになってね」

なるほど。「私は初めてパラオに来ましたが、美しさに感動して、そして安全に旅行できています。

それは、この地の行政のお蔭だと、知事に感謝します。これからも、どうぞお元気いらしてください。」

と握手頂きました。おっと、「私の手は、冷房ですっかり冷え切って、ごめんなさい。知事の手がとても温かいですね。」

と言葉を添えますと、知事は「良い旅を」と明るい笑顔、素敵な紳士です。


テーブル席の皆様は、パラオ人であることが分かり、しばらくして、知事を先頭に席を立ち、

一人一人、私に明るい、そして静かな威厳のある眼差しを向けて、会釈をしながら、レストランを去っていかれました。

私もピアニストさんに、素敵な時間をありがとう、とお礼を述べて辞しました。


3日目の夜は、半日観光でパラオに慣れて、外出する勇気を得たのか、夫も外食するのに乗り気となりました。

旅行代理店に相談し、「エリライ・レストラン&バー」を紹介され、予約しますと、送迎車が来ます。

日本大使館がある島の小高い丘に立地して、席はベランダの中央、



夕暮れ時、夕焼けが見えます。

初めてなので、3種類のお勧めコースの中から、夫と私は別のコースを選びます。

地元の食材を、外国人の口に合うように調理して、いずれも大変美味です。

夜になると、英語、ロシア語、中国語、ハングル語、いろいろな言語の客でフロアーは満席です。


ジュースや、アイスクリームがもう一度食べたいので、4日目の夜も予約して、

「おいしいから、またきたよ」と、昨日お給仕をしてくれた美人なお姉さんに声かけます。

お姉さんも笑顔で昨日と同じ中央のベランダ席に招き入れ、私も座るの待たずに「今日はね、名物のマングローブガニ食べるわよ。ある?」

お姉さん「すぐに、厨房に行って、大きいの予約してきます!」


昨日はコースメニューにしましたが、今夜はアラカルト。

様々な美味を楽しみながら、やってきました



カニ料理は、無言でもくもく手を動かして、ひたすら食べますね。

マングローブ貝のスープ、地元のとれたての魚、刺身(安全です)、そして最後のココナッツ・アイスクリーム、絶品です~

また、食べたい、何度でも食べたい、そんなお味です。

なんだか、パラオのリピーターになりそうな予感です・・・





パラオ旅行ー3日目

2017年03月12日 | 海外旅行
3日目になって、ようやく晴天に恵まれました。

半日ツアーに出発です。



遥か彼方に、セブンティーアイランド諸島が見えます。


パラオ自体が、島々からなりたつ国で、海底から隆起して、太古は火山島でもあったそうです。

隆起が起源の島は白い岩肌、火山が起源の島は赤茶色しています。



海の色が多様で、表現できません。



まずは、ミルキィーウエイに向い



狭い入り江に入ると



乳白色がかった明るい水色に変わります。

泥パックはしないよ~と言っていた夫も、いざパックしてみると、破顔一笑



プロレスラーのようですわ



この後、ダイビングスポット「パラダイス」に移動してシュノーケリングを楽しみました。



パラオは赤道に近く、この近海で低気圧が発生し、西のフィリピン辺りで台風となるそうで、

次々雲が湧いては、雨を降らせて、流れ去るような気候が特徴だそうです。

11月から3月が乾季で、風向きが北から、ダイビングに向いた時期で、

4月から雨季は風向きが逆になり、ダイビングスポットに強い海流と風が押し寄せて、危険なためオフシーズンとなるそうです。

パラオ旅行ー2日目

2017年03月11日 | 海外旅行
翌朝も曇天で、スコールが押し寄せてきたり、止んだり、でも南国の青空が現れません。



ホテル敷地内の草花など写真撮影したり、旅行代理店で半日ツアーを申し込んだり、現地の衛生事情を聞いたり、ぶらぶら散策をします。

昼過ぎ、雨が止んだので、私はシュノーケリングを始めます。



夫はというと、



ヤシの葉でできたパラソルの下、カウチに寝そべって、読書、うつらうつらとお昼寝。

仕事の疲れを癒してください。

パラオ旅行ー初日

2017年03月10日 | 海外旅行
成田を午前10時に出発したJALチャーター便は、父島、硫黄島、サイパン、グアムと南下して、

パラオに2時45分到着しました。4時間半のフライト、時差はありません。

ターンテーブルに次々出てくる荷物は、スーツケースではなく、独特な形をした黒いケースで、

日焼けして引き締まった体つきの人々が受け取っています。

???

私たちのサムソナイトのスーツケースが場違いな感じがします。


後で知るのですが、JALの「チャーター」便、ということで、

JALパックツアー客か、私たちのようなマイレージを8万マイル貯めた客しか乗っていない為か、荷物の重量制限が緩いそうで、

これを知っているダイブの人々がリピーターとなり、特殊の形をしたダイビング用の荷物が続々現れる様です。


空港からホテル送迎車に乗って、ロイヤル・リゾート・ホテルに向いますが、土砂降りの雨。

運転手に、「乾季だと聞いたが、ずいぶんな雨ですね?」と問うと、

「ここ数日、天気が良くない。明日以降、よくなるみたいだけど。」と答えます。


部屋に入り、まずは景色。



石垣島の川平湾に似ていなくもない・・・

強い雨が降ったり止んだり、ホテルを探索した後、旅行代理店で現地ツアーのパンフをもらい、部屋で読書。



窓側から洗面所、浴室、シャワーブースが見えますが、引き戸を出すと仕分けられる間取りです



お夕食を頂きましたが、まあまあです。ピアノの生演奏が付きます。

パラオを旅する

2017年03月08日 | 海外旅行


新年1月4日から4泊5日で、パラオを旅してきました。

日本が暑い時にアイスランドに行き、心が旅満腹感で一杯で、しばらく旅はいらない・・・

と思ったのに、道祖神に誘われて、真冬に常夏のパラオです。


コツコツ貯めたJALマイレージが10万マイル達成し、

HPの画面では、マイレージ参加の人を対象に、4万マイルでお正月に直行便でパラオ・キャンペーンが目に飛び込み、

念のため、マイレージ枠で行けるハワイ、グアム、シンガポールの空席チェックしても、お正月休み期間はすべて満席、

千載一遇のチャンス!と思い、夫に「パラオ行く?」二つ返事で「行く」。


更に念のため、ホテルのサイトを開き、部屋が予約できることを確認した上で、フライトの予約しましたら、最後の2席でした。

間髪入れず、もう一度JALのHPを開くと、「満席」表示に変わり、本当にギリギリセーフだったんだ~、と喜びました。


そこから旅の本を購入し、パシフィックにするか、JAL・オークラホテルにするか悩んで、日系JALの安心を重視して予約。

夫は若いころスキューバダイブをしていましたが、私に合わせて「シュノーケリングでいいぞ~」と言いますので、

パラオは初めてですし、のんびりと、旅の概略だけ決めて、あとはお天気に合わせて、現地で考えよう~、となりました。


もう一つ、懸念がありました。 「食中毒」。昨年のお正月のグアムで、一族6名が食中毒にかかり、トラウマとなりました。

パラオの水事情はグアムより悪く、スキューバは一日ツアーとなり、「お弁当」が支給されますが、

赤道下の国で果たしていかがなものか・・・と慎重になりました。


そして、トランクに荷物を詰め込んだのは、旅の前日。

南国への旅行は、荷も軽く、気も軽いですね。


アイスランドを旅するー最終日、ANA機内にて

2017年02月07日 | 海外旅行
私にとって、チャーター便を利用する団体旅行は、初めての経験です。

ビジネスクラスの席に座わると、「S様ですね。私は担当の〇〇です。よろしくお願いします。」とフライトアテンダントが挨拶に見えます。

全員着席終えると機内アナウンスが流れます。

「私はチーフアテンダントの〇〇です。機長は誰某。」普通の飛行機は、ここで紹介は終わるはずですが・・・

「副機長は誰某、機関士は誰某、ファーストクラス担当は・・ビジネスクラス担当は・・、プレミアムEとEの担当は、・・・・・」

と全員の名前を紹介しました。

「私ども、ANAでは、アイスランド・レイキャビック直行便は初めての、記念すべきフライトでございます・・・」

なにやら、アナウンスの内容と声と共に、気合が伝わってきます。


上空の安定飛行に入ると、

「皆様、右手にオーロラが見えます。皆様のアイスランドご旅行の最後の想い出となることでしょう。どうぞ、ご覧くださいませ。」

先ほどの担当の〇〇さん、わざわざ見えて「あちらの扉の窓から、ご覧になれますよ」と声を掛けてくれます。

それでは、と見に行くと、かすかに霞んで見えるだけ。

ツアーの他の客も見に来ては、口々に「ちょっとだけね。それより、あのオーロラは凄かったわよね~・・・」

と自分たちが遭遇した、あのスザマしいオーロラの想い出話に輪が広がります。


私は座席に戻り、独り静かにカメラを操作して、オーロラの想い出に浸っていました。

飲み物を給仕しにみえた〇〇さんが、「ご覧になりましたか?」と温かい笑顔で問いかけますので、

丁度手にしていたカメラの録画を見せて、「実はね、こんなオーロラを見たの・・」

彼女は息をのんで、「すごい!すごいです。・・・鳥肌が立ちます・・あの、お給仕終えたら、また、見せていただいてもよろしいですか?」

「もちろん、お手すきの時、いつでもどうぞ」と答えます。


しばらくしてから見えまして、一日目のオーロラ、2日目、3日目と段々強くなる様子を見せて、そして4日目を紹介しまして

私「これまで、北欧や北米のフライトで、オーロラを観察できましたか?」と彼女に問いますと

「見えても、今夜のようなぼんやりとしたもので、オーロラとはそういうものだ、と思っていた」そうです。

私も、最初は同じように考えたけど、実は違ったこと、NHKの撮影班やJTBノルウェー支店長の話も紹介しましたら、

彼女は目を輝かせて聞いてくれました。


そのような気さくで温かい彼女になら、旅の間、ずっと疑問に抱いたことを、問いかけてみようと話を続けます。

「あのね、往きのフライトで、ロシアを縦断したけれど・・・ロシアがソビエトだったころ、縦断できなかったわよね?」

「私が20代の頃、ヨーロッパを旅したとき、ロンドン直行便でも15時間ぐらいかかって、中国の南の景色とか見下ろした記憶があるの。

今、中近東とかテロとか、局地的には戦争はあるけれど、ロシアになって東西の壁が無くなって、世界は概ね平和になったのかな、って感じたんだけど、

他の旅行客にこの話をしても、皆、分からない様子で・・」

〇〇さん、目を輝かせて「実に興味深いお話です。私は即答できませんが、本日はベテランのアテンダントもおりますので、質問して参ります。

お待たせしてしまうかもしれませんが、必ず、聞いてきます。」


お夕食を終えた頃、〇〇さん「今、大丈夫ですか?」と笑顔で現れ、私も笑顔で応えお話を伺います。

ベテラン(おそらく50代か?)のアテンダントと、更に、コックピットの内部で話合われたそうで・・・

「ソビエト時代は、ソビエトの都市に経由する便以外は、上空を通過することは認められなかった。

「ロシアになって協定が結ばれ、通過できるようになったが、航空規制官と英語のやりとりが難しく、敢て「ロシア訛り英語」を学習している。

「ロシア上空を通過する時は、万一のことが起きないように、頻繁に交信するそうです。」

なるほど、なるほど、と肯きます。


彼女の真摯な態度に、意を強くした私は、次なる質問をします。

「あのね、今回の旅ではアイスランドを一周して、田舎の町のホテルに泊まったのだけど、ホテルのロビーにある時計が、



ロンドン、ニューヨーク、ホテルの町の名前、それにトーキョーってね、必ず「TOKYO」の時計があるのが不思議で・・・

経済大国が理由なら、ドイツや中国の時刻があっても不思議じやないのに・・・」

20代で旅行した大英博物館では、プレート表示言語の6言語は、英・仏・独・伊・西とヨーロッパ各国が並び、最後に日本語の表記があり、

日本人が戦後、営々と積み重ねた努力が、このような形で認められた、と感動したこと。

その後、30代で再び大英博物館を訪れた時、紙のパンフレットは中国語、ハングル語をはじめ世界各地の言語が並ぶ中、

大理石の壁にある説明表示版は、以前のまま、6言語の中に、日本語が燦然と輝いて見えました。

今、経済規模では中国に抜かれ、日本の存在が薄くなる中で、アイスランドの田舎の都市で、東京の時刻を知らせることの意味が、気になりました。」


すると、彼女は「実に興味深いご質問です。必ず、聞いてまいります。」と強い表情で応えてくれました。


しばらくして、彼女は私にお菓子と飲み物を勧めて、運んで参りまして、

「このご質問につきまして、ベテランやコックピットの中でも話しまして、

恐らくは、金融関係者がマーケット開けの時刻を確認するためでは。世界の主要マーケットは、ロンドン、ニューヨーク、トーキョウですから。」

「デジタル時計では、世界各地の時刻を知らせる場合が多いですが、

アナログ時計では、例えばシンガポールでも、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トーキョー、となっています。」


そうか!中国は経済発展しようと、国際金融マーケットに則っていない。

それでも、過去の日本人が努力した結果、東京マーケットの存在が重要で、これからも頑張っていかないと、

いつの日か、「トーキョー」から「ベイジン(北京)」に取って代わられるかもしれませんね、

そうならないためにも、私たちは、一生懸命、仕事しなければなりませんね。


ANAの、私を担当して下さった客室乗務員の、温かいおもてなしに感謝の言葉を伝えました。


成田に到着し、夫が車を運転し、無事我が家にたどり着き、「我が家が一番」と安堵して、旅は終わります。

アイスランドを旅するー8日目

2017年02月07日 | 海外旅行
アイスランド旅行も最終日は自由行動となっておりまして、

私たちは、オプショナルツアーには参加せず、自由に町を散策することにしました。


8日前、首都レイキャビックに到着し、時差と睡眠不足で寝ぼけた頭でも、トイレ休憩に立ち寄った



港に面して建つ「ハルパ」、オペラ・コンサート・ホールの美しさは印象的で、

しかも内部には、おしゃれな小物を扱うブティックが、閉店の暗いショーウインドウ越に見て取れ、

「最終日にもう一度来よう!」と決めておりました。


ホテルから一路、ハルパをめざし歩きます。  扉を開けると・・・・



そして、建物の中を通ると、



港(ハーバー・ハルパ)が見渡せます。

断熱のため、二重ガラスとなっていますが、そのデザインの源は、



こちらの岩の特徴である、六角形の柱状の岩石が、列をなしている自然造形をモチーフにしているそうです。

教会も同様です。



このオペラハウス・コンサートホールには、おしゃれな毛糸の帽子やら北国ならではの小物が並び、お土産に丁度よいです。

「66°」というスキー、アウトドア・ウエアのブランドがあり、カラフルな配色で、防寒性優れた衣類や小物を扱って、実にかっこいいです。

甥っ子達に毛糸の帽子を・・・節約家の私は選び迷っていると、夫が「大目に買っておけ~!」と励まされ、

赤、オレンジ、グレー2種、紺2種、計6枚、そこにあるもの全てを買うことにして、

夫が「どれもいい物だから、子供たちに選ばせて、残りを、オレ達が使えばいい~」と名案を授けます。


別のお店では、アイスランドの伝統織柄の、シックな商品が並び、

夫が 「これは、普段着に合わせると、いい 」との鶴の一声で、私たち用と、

更に「お母さんにもいいんじゃないか~」と母へのお土産が決まります。

あっという間に時間が過ぎてしまいます。


夫がたばこ休憩している間に、テーブルウエアのペーパーナプキンを選出します。

欧米ではテーブルウエアが充実しておりますが、ここアイスランドではシックで落ち着いた色調のものが多く見受けました。


大急ぎで、国会議事堂に向い、



裏の塀からお庭を撮影し、



大統領官邸らしき建物などを横目で眺め、昼食抜きで足早にホテルへと急ぎます。

荷物を再確認の上、ロビーで集合し、日本人団体客一同が一斉に空港に向いました。


空港で、アイスランド特産品であるチョコレートのお土産を確保して、隙間時間で、気になる洋服を試着し、ワンピースを1着購入します。

先に進んだ夫は、出国審査の前で、私を待っていました。

急ぎ足の速歩で来た私、汗をかきながら夫に

「ここで待っていてくれて、本当に、ありがとう!!! いやあ・・このワンピ、デザインがどうにも気になって、値段もバーゲンで安くて・・・」

言い訳しつつ、我ながら自分の買い物根性に呆れながらも、満足しました。


私は、夫の買い物時の買い方が好きです。

自営業の社長らしく、周囲へ配慮したお土産の選び方は、さすがだな~、と感心しています。

ここぞ、という時にケチケチしません。

あーでもない、こーでもない、と私は迷ってしまい、己の優柔不断さに、自分で辟易するときがあります。


アイスランドを旅するー7日目の夜、よもやま話

2017年02月02日 | 海外旅行
7日目の夜は、首都レイキャビックのグランドホテルで、JTBツアー客全員が一同に集まり、広いロビーに満席、大変混み合っています。

バイキングではなくコース料理を供され、私と主人が着席するときには、円卓の最後の2席で選びようがなく、

左右両隣りは、クセの強い「避けたい」ご夫婦でした。


それでも私は、右隣の、名古屋から参加されたご夫婦の、ご主人と会話しました。

こちらのご夫婦、温泉2か所とも入浴しなかったのですが、そのことで日本から同行した添乗員の対応に痛く立腹していました。

私もバスの中でやり取りを聞いて、添乗員の未熟さ、機転の利かなさ、配慮不足を感じていましたので、肯いて聞いておりました。

生バンドの演奏と周囲の喧騒で、ご主人の奥方まで、私たちの会話が届かず、

奥方が眉をひそめて「自分たちだけで、会話をしないで!」ときつい語調で私を責め、睨み付けます。

ご主人が、「周囲に聞かれては、都合の悪い話だから」と取り成します。


私の受け答えに気を良くしたご主人が、更に会話を続けます。

定期購読している科学雑誌「サイエンス」が主催していた、地球物理学者が同行するアイスランドツアーに申し込んだものの、

最少施行人数にあと2名足りず、このツアーを申し込んだ、というお話。

私は、「そのツアーの存在を知っていたら、私たちはそちらに申し込んでいました。そしたら、人数足りましたのにね、残念ですね。

「そしたら、沢山、質問できましたのに。私、主人を相手に、島の北東部が絶壁になっているのは、なぜかしら?

アイスランドとイギリスの間の海は、活動が休止したから?イギリスとアイルランドの成り立ちは、アイスランドと似ているのか? 

アイスランドやイギリスは、今後、大陸にぶつかるのか? などなど、独り言のように自問自答していました。」

すると、名古屋のご主人も笑顔で応え、通り一遍の解説では満足できなかった点で、意気投合しました。


それから、オーロラも然ることながら、満点の星を前に、星座表を持参しなかったことが悔やまれることなど、会話を楽しみました。

奥様は憮然とした表情で、生演奏に聞き入り、一曲ごとに拍手を「独りだけ」で贈って、目だっております。

「誰も拍手しないなんて、皆、礼儀知らずだわ」と嫌みを放っていました・・・・


この奥様、かなり風変りな服装で、言動も相俟って、私は「おひいさま」と名付けました。

私の想像では、名門の大名、華族の出、女中さんにかしずかれ、命令するのに慣れ親しんで育った・・・・

夫の想像でも、相当の大金持ちであろう、などと噂しておりました。

翌日夜、帰国の便で判明したのは、この名古屋のご夫婦、ファーストクラスをご利用でした・・・・



お次、私の夫の左隣は、夫が特に嫌悪している、富山から参加した夫婦。

夫は、先方から会話を持ち出されない限り、無視しようと決めた様子でした。と申しますのも・・・


2日目夕食時に相席となり、あちらこちら世界を旅している旅自慢をした挙句に、

奥さんいわく「こちらの滝より、ナイアガラの滝の方が、断然いいわ!」

私の夫が、カナダを旅行したことがあることを知るや、「カナダ側からみるナイアガラより、アメリカ側の方が、もっといいのよ!」とえばります。

私、「それぞれに趣が異なって、それぞれに良さがあるのに、日光の華厳の滝と、茨木の袋田の滝を比較するのが、ナンセンスであるように、

アイスランドの滝と、ナイアガラの滝を比較するのは、無粋ですわ 」と言葉を・・・・飲み込みました。

夫は、その旦那に「こいつ」呼ばわりされ、無礼さに腹を立てました。


4日目の夕食時、その奥さんは「この席は、私がとっといたのよ!」と私の正面席の紳士を責め立てます。

紳士は、お食事のお皿も既に置いているのです。反論しますが、富山の奥さんは語気強く返しますので、

私が紳士に「よろしければ、こちらのお席(私の2つ隣)空いております、移りません?」とフォローしますと、

今度は、「私の、置いておいたバックが、無いわ!」と叫びますので、私の夫が周囲を見渡して、

「ここにバックがありますよ」と、私たちの背後の席を示しました。

そこでは、その奥さんの夫が座って、食事をしています。

「なんで、あなた、そこに座っているの!?」

・・・はっとして、ようやく自分が間違えたことに気付き、紳士に「すみません」と詫びました。

その紳士は、顔を真っ赤にして、怒りと恥を抑えて、「いいんです」と小さな声で返していました。


翌朝、朝食バイキングの時、私の夫がその富山の奥さんとすれ違った折、夫は「おはようございます」と挨拶しましたが、無視されたそうです。

なんとも、下品な夫婦です。



ついでに、他のクセある夫婦を紹介しますと、福井から参加された、定年退職後の元教員とおぼしき夫婦。

旦那が説教調で、上から目線で、政治談議をした挙句、「自分だけが正しい」と断じる様子。

ツアーの食事やらなんやら、顔を真っ赤に怒らせて難癖をつけています。

文句言うのが自分の仕事、と信じて疑わない現役時代を過ごしてきたのでしょう。クレイマーですね。



私は、元来、人と会話して楽しむのは好きですから、いろんな方と相席になるようにして、危険分散、リスクヘッジに勤めました。

そうする内に、かの紳士と会話を楽しむようになり、

その会話を聞きつけて、自然と気の合いそうな人々が集まり、最終日の夜には、「あの~、オーロラを見に、ご一緒してもいいですか?」

などと声を掛けてくださるご夫婦が現れ、輪ができて、夜のレイキャビックを港に向って、おしゃべりしながら散策を楽しみ、

灯りの少ない港の公園で、夜空を見上げてオーロラを待ちながら、旅の終わりに、それぞれ感じたことを話し、感動を分かちあいました。

最後の夜、オーロラには逢えませんでしたが、楽しく過ごすことができました。


アイスランドを旅するー7日目、ブルーラグーン温泉へ

2017年01月29日 | 海外旅行
アイスランド北東部から、北部中央の町アークレイリに向います。

途中の、ゴーザフォスの滝。昔、キリスト教に入信する際に、それまで信奉してきた神々の像を、この滝に投げ捨てたそうです。



夫が、「オレがあの位置に立つから、あの辺から撮ってくれ」と決めポーズの撮影ミッションを受け、

私、かなり下流まで下がって、上流の断崖絶壁頂上に立つ夫を撮影する。



私は、閉所恐怖症と高所恐怖症のため、断崖絶壁系の場所は苦手で、腰が引けるのだ。

下流に向って散歩する。



路傍の石に、白いコケとヒースの花が、滝のしぶきをかぶって、きらきら輝く



北部最大の滝と別れをつげて、アークレイリの町でランチ。



家々がカラフルで、木々の紅葉と相まって、安野光雄画伯の童話の世界のようです。

ランチでは、名物のロブスター「アカザテナガエビ」の料理を食しましたが、大変美味しかったです。

ロブスターは大味なイメージがありましたが、北極海で育ったこちらのは小ぶりで、うまみも甘味も濃厚で、また食べてみたくなる一品です。

アークレイリの空港から、南西部のケフラヴィークの空港へ移動。



スチュワーデスさんが、長身9頭身、金髪隻眼のすこぶる美人で、思わず「美人ですね!」と褒めますと、笑顔で返礼。


隣席に同行のツアー客が座り、彼女の愚痴話を聞く。

なんでも母娘二人で来たかったのに、夫が付いて来て、本当に不愉快極まりない・・・そうです。

彼女の夫の無神経ぶりを聞かされ、「歳を経て、仲の良くない夫婦も、このようなツアーに参加するんだ・・・」など感じたものです。



ケフラヴィークの空は晴天。一路、温泉「ブルーラグーン」を目指します。



さすが、国際空港に近い立地のため、国際色豊かな温泉で、施設も大きく充実して、様々な言語が入り乱れ混雑しています。

男性陣は着替えが早く、いち早く温泉に浸かって、後から遅れてくる奥方を、今か今かと待ち受けている風で、

出入り口付近は、様々な人種の男性が、更衣室から出てくる女性を見つめていて、混んでいます。

なんだか「南極ペンギンのオスの群れ」を彷彿させ、おかしくなりました。

海でお腹一杯になったメスが戻り、抱卵の交代するのに、オスが首を長くして待っている姿です。


夫はハゲて、いや、「スキンヘッド」なので、一瞥してすぐ発見できますが、私がカメラを持って撮影していると、

手を振って「おーい、ここだ~、寒いから、早くはいろ~」と声を掛けてきます。

私は、カメラをしまって、夫と合流します。お湯は程よい温度で、足元が温かく、気持ち良いです。

昨日のミーバトン・ネイチャー・バスより、温泉が楽しめます。


ケイ素を含んだ温泉の泥を、顔に塗ったりする様ですが、私は肌がガサツクので、しませんでした。

昨日のミーバトンでは、ご婦人方と合流しておしゃべりしましたが、今日は、夫が私と二人で静かに過ごしたい様で、

二人で温泉に浸かり、歩きながら、あれこれ旅の話に花を咲かせました。


お食事の話。 

連日のバイキングで、ホテルが異なっても、同じようなものしか供されず、飽きた。まるで、給食センターから提供されているみたいだ。

だけど、アカザテナガエビは、青森のボタンエビに並び賞される味だね~


ツアー客の話

私たちのこれまでの旅のスタイルは、自分たちで企画した自由旅行であり、今回初めての団体ツアーを体験して、

毎朝、毎昼、毎晩、狭いテーブルで、誰かと相席になり、最初は人間ウォッチと面白がっていましたが、

段々、クセの強い人達にうんざりして、避けるようにテーブルを選びましたが、避けきれるものではありません。

我が強く説教調の高齢男性、旅自慢の田舎者夫婦の無礼な振る舞い、負けず嫌いの高慢不遜な女性、風変りな夫婦などなど・・・

その中でも、旅慣れた雰囲気のいかにも富裕な高齢の親子がいらして、ツアーの団体の中で、あまり他と親しまない様子が、目を引きました。

次回このようなツアーに参加するときは、この親子の賢い振る舞いを参考にしよう、ということに意見が一致しました。


アイスランドを旅するー6日目

2017年01月28日 | 海外旅行
アイスランド北東部、ミーバトンに連泊して、周辺を回ります。

馬蹄形の渓谷。神話の馬の蹄の跡。巨大な神馬の足は8本だそうです。



この日は、小雨。雨の多いアイスランドで、これまで雨に降られなかったこと自体が、幸運でした。

1週前のツアーでは、雨ばかりだったそうですから。寒さに、湿気が加わると、体に堪えます。

車中から羊の群れを撮影。



人口3万人の国家では、羊の数の方が多く、草あるところ放牧された羊があちらこちらで見られました。


今日は、ミーバトン・自然温泉に入ります。

私、日本でも「源泉かけ流し」温泉を訪ねるのが好きですから、今回の旅、アイスランドの温泉を楽しみにしてきました。

因みに、首都レイキャビックではバスタブ付きのホテルでしたが、東回りの大自然を巡るのに、ホテルは全てシャワーだけで、湯船が恋しかった・・・



地熱発電の排熱排水を利用して、更衣室と軽食飲食コーナーを併設した建物があり、



世界各地の様々な人種が、ぬるま湯に浸ります。

ぬるいので、少しでも温かい場所を探して、日本人観光客の私たちは広い温泉を一周して、「ここが温かいよ~」と教えあいます。

私たちのツアーの参加者33名、6日目となれば、親しめる人と避けたい人の区別も生まれます。


旅して6日目で疲れが出る頃、あいにく、太陽が出ずに寒く雨が降り、海外で裸になって寒風に晒され「ヒートショック」で・・・・

とだれでも心配になるでしょう。

若い女性の添乗員さんは、そのへんの配慮や気配りが欠けた対応で、「温泉に入りたくない」と意向を告げたツアー客との間で、

無用な軋轢を生んでしまいました。「こんなふうに、言うべきよね~」などなど、辛口の品評が飛び出し、

噂話などをしながら、わいわいがやがや、おしゃべりに興じます。

ぬるいので長風呂してものぼせません。


温泉はカメラOKで、先に入った夫を撮影していると、夫が「寒いから、早く入れ~」と声を掛けます。

寒がりの私、この温度差、平気でした。ジムのプールで、温冷浴に慣れておいて、良かった~と思いました。



アイスランドを旅するー5日目の夕方

2017年01月27日 | 海外旅行
5日目の続きですが、北東部のギャウです。



こんもりと岩が盛り上がった内部では、温泉が湧き、外国人観光客が足湯をしていましたが、

このような空間では、有毒ガスが充満し、危険なので皆さんに勧めません。とガイドさんも言いますが、その通りだと思います。

皆、連日のオーロラ観測で睡眠不足のようで、倦怠感が漂い、滝とギャウの連続に、いささか感動が薄れている気配が感じられます。

再び、ミーバトン湖に戻ります。



アイスランドの空は澄んで美しく、太陽の位置が低いためか、独特の雰囲気があります。



木々の紅葉が、アイスランドの秋を知らせます。

さて、宿が今日と明日の2連泊。移動続きのツアーで、ここだけ、2連泊。ミーバトンのほとり。



左手のシンプルな飾り気のない平屋が、ホテルです。 380度、パノラマ的にぐるりと撮影しました。



見渡す限りの平原、ミーバトン。

アイスランドの景色は、「見渡す限り」平原、岩山、氷河、など、遥か彼方まで見渡せるのが特徴でしょう。

そして緯度が高いためか、太陽がゆっくり沈み、夕焼けが地平線にそって輪のように360度に行き渡り、日本の夕焼けとは風情が異なります。

アイスランドを旅するー5日目

2017年01月24日 | 海外旅行
前夜、素晴らしいオーロラを見せてくれた空は、朝焼けに染まります



今日は北東部一帯を巡ります。まずは、見渡す限り岩肌の台地



この岩の中の道を進みますと、



デティフォスの滝が、大きくてカメラに入りません。氷河が融けて川となり、断層の亀裂で滝となり落ちていきます。

下流に向って歩き、振り返ると、瀑布の水煙が立ち上る向こうに、独特な形のアスキャ山が見えます。





バスで移動して、噴煙立ち上る地獄谷を歩きます





大分の別府の地獄谷巡りを彷彿させます。地面が熱いです。



ミーバトン湖に到着。「ミー」とは「蚊」「ユスリカ」を指すそうで、初夏に大発生するとのこと。

息も吸えないほどのおびただしい数のミー目当てに、野鳥の天国となり、世界中のバードウォチャーが観察に集まるそうです。

お土産に、帽子に被せる網(ネット)を買いました。「また来るため」ではありません。お庭の草むしり、蚊対策のためです。

カルデラ湖で、小さい島が噴火口であったことが読み取れますね。



この周辺の山々には、13人のサンタクロースが住んでいて、クリスマスの日までの13日間、順番に訪問してくれるそうです。

トロール伝説の元となった土地で、溶岩流が巨人に見えます。



トロールの仲良し夫婦に見えますね。

辺り一面、溶岩流で出来た不思議な造形物だらけです。




アイスランドを旅するーオーロラ余談

2017年01月16日 | 海外旅行
オーロラ、つまり太陽風の電磁波により大気(酸素、窒素)が発光する現象自体は、極点の上空で生じていますが、

極下では観察できず、周囲のオーロラ帯(ベルト)と呼ばれる楕円のエリアで観察できるそうです。

低層圏では緑色に発光し、高層圏では赤紫色に発光します。

今回、緑から白色、赤紫の全色が見られましたが、低層、中層、高層圏に雲が無い、という条件が必須で、稀だそうです。


太陽風は太陽の黒点の位置や数と関係し、12年周期のアップダウンがあり、2005年から12年までが活発な時期でした。

アラスカに観測所があり、オーロラ予報を出しており、10段階で強さの予測表示をしています。

私たちのツアー日程で、初日の頃は、レベル2と予測され、4日目はレベル5、5日目はレベル5-6、とのことでした。

しかし、発光時刻、時間帯の予測はつきません。宵、夜中、未明、明け方か、分からないのです。

しかも、雲が来て、天気がコロコロ変わるアイスランド。

その瞬間に、雲が切れているエリアにいるか、否かが、成否の分かれ目。


このツアーは、9月中旬のシルバーW連休の出発コースもありましたが、

ほぼ、雨が降り、最終日にぼんやりとしたオーロラが見えるのみだったそうです。

アラスカや、カナダ、シベリア、北欧で観察しようとすると、緯度の関係から、真冬の極寒の時期となるそうで、

マイナス20度や30度の中、幾重にコートを着込んで、カメラにも防寒処置しないと機動しなくなるそうです。

気候という点で、アイスランドの都市は海辺に位置し、冬でも東京の冬ぐらいの気温で、むしろ北海道の方が寒い程。

普通の冬のコートで足りて、日中は15度から20度で、氷河が融けことが問題になる位、温かい。

オーロラ観察の妨げになるのは、メキシコ湾暖流による雲の発生。


今回、4日目は島の南東部で、レベル5の発光のタイミングには、雲が流れ去り、幸運が重なりました。

しかしアイスランド人のベテラン・ガイドさんが、「このようなオーロラは、アイスランドに住んでいても、見たことない」と涙流していました。

また、「予報ではレベル5,6が実際の最高値で、9とか10を出したことはない。でも、今回のレベルは9、10に匹敵すると思う。」

「赤いオーロラまで見られること自体が、めったにない」

ノルウェー在住のJTB北欧支社長がツアーの応援に来ていましたが、

「皆さん、もう一度、オーロラが見たいと思って、別のツアーに参加しても、このようなものは期待できません。一生ものです。」

「極寒のアラスカで粘った挙句、このアイスランドで見たオーロラと比較して、がっかりして、お金を捨てた~と思うだけです」


3日目の夜、素晴らしいオーロラが待ち受けたタイミングで現れ、私はカメラを三脚に据えて、15秒の露出で撮影しました。

翌朝、立派なカメラを持参のマニアらしいジェントルマンとランチで隣り合わせとなり、

「星空は、ISO2000(4000だったかな?)でも撮れるよ。」との助言をヒントに、

4日目の夜は、三脚無しに、露出1秒、ISOを機種の最高値まで上げて、撮影しました。

突然の出現、そして、天空のそこかしこに突然現れるオーロラをとらえるのに、三脚はむしろ邪魔でした。

後日、高価なカメラを抱えた別の方が、「三脚据えるのに、手間取って、うまく撮れなかった」とぼやいでおりました。

恐らく、広範囲を撮影でき、夜空でもピントを合わせられる特殊カメラでなければ、動き続けるオーロラを補えるのは難しい、と感じます。


先の北欧支社長が更に、

「NHKが、オーロラハンターという特番で撮影に来たとき、3千万円のカメラを3台用意して、3班に分かれてアイスランドを1か月間、撮影していた。」
「今回、肉眼でTVや雑誌以上のオーロラを見れて、こんな携帯のカメラでも、はっきり撮影できたなんて、本当に有り得ないのです。」

と興奮しながら説明し、最終日、曇天の中、夜中までオーロラ出現に粘る私たちに、慰め、なだめてくれました。

私は空を見上げながら、

「もう、空に打ち上げられた花火を見ても、何も、感じられない。人の作るものには限りがあり、自然は無限に美しい。」

と感想を漏らしたら、他のツアー客も、肯いておりました。


余談ですが、2日夜、肉眼で初めてオーロラを観察できて、翌朝、朝焼けを見るために外へ出ると、外国人観光客がレンタカーで出発するところ、

「昨夜、オーロラが見えましたね」と話しかけると、「今晩も、northenlights ,見えるみたいよ」と答えられ、

「どこから来たの?」「日本よ。あなたは?」「テキサス」「良い旅を」と別れました。


後ほど、アイスランド人のガイドに、「私は「オーロラ」と言ったけど、アメリカ人は「ノーザンライツ」と言ったの。」と質問すると、

「オーロラ」はラテン語圏、ノーザンライツは英語、ゲルマン語、北欧語の呼び方だそうです。

私、英米、つまりゲルマン語族が、現在の世界経済を牽引し、現代の産業や文明を発達させた所以を、理由を、見た、と思いました。

「ノーザンライツ」直訳すれば「北の光」。そこに、味もそっけもなく、物語性もなく、「北の光」は状況を説明しただけの単語。

「オーロラ」は神話の女神の名前です。


ラテン語には、根底にギリシャ神話の神々が存在し、事物名詞を男性・女性に区別して、冠詞や動詞の語尾変化を伴います。

日本人のように文化を異にする民族にとって、事物を男女に性別する感覚がつかめず、理解の妨げとなります。

英語は、事物に男女の区別をつけず「the」が冠詞となり、語尾変化もなく、文化の垣根が低く感じられます。


英語の発想は、事物の抽象化が進み、英米人の実用的で実践的な思考様式に合い、

だから現代社会の文明の発展が、世界の中で一足先に行われ、

便利な文明は世界に広まり、と同時に、民族文化の垣根が低い英語も世界言語として拡がった・・・・

と発想を飛躍しましたが、

私には「ノーザンライツ」は、「電気」「電球」「蛍光灯」と並び称される、無機質的な感覚があり、

「オーロラ」は、まず美しい響き、「オーロラ姫」など物語の美しいヒロイン、ギリシャ神話、などどこか神秘的な言霊(ことだま)を秘めて、

風や雷にも「風神」「雷神」の存在を感じる日本人気質に合う。

このように、民族によって自然のとらえ方、感覚も異なることに、思いが至りました。