清書の最終日、気分転換も兼ねて、新品を下すことにしました。
墨を磨ろうと手にすると、細密な絵が浮き彫りになっていることに気が付きます。
すり減るのがもったいないので、写真をパチリ。
右側の硯は、学生の頃のもので、
中央の書は、前日までの、今の自分の精一杯の作品。
これを、越えられるであろうか・・・・
期待と不安、プレッシャーの中で、最後の清書に挑戦します。
果たして・・・・新しいお道具の書き味は?
まず、墨。
なるほど、以前の墨は、細かい粒子状のものが目視できましたが、
新しい墨は、きめ細かくなめらかな墨液が出来て、さすが値を張っただけの価値はありました。
次、硯。
これまでは、ざらざらと摩擦音がするようでしたが、
新しい硯は、ぬめ肌のような表面で、墨が吸い付くようで、怪しい触覚に囚われます。
そして、筆。
穂先の細長いのと、太く短いのでは、タッチの加減を変えないと、目的の太さに至りません。
細長い方が、コントロールしやすかったです。
最後に、半紙および清書用の和紙への墨の染み込み、濃淡や、にじみ具合は、以前のものと異なりますので調整をします。
道具を良くして分かったことは、これまで、気障りだったことが消え去り、
運筆にこれまで以上に集中しやすくなりました。
そして、自分の現在の実力、能力の壁、を思い知りました。
現段階で、これ以上同じ書を練習しても、伸びない、と見極め、
今期は、これにて良し、と自分の限界を受け入れよう、と筆を置きました。
2、3年経って、もう一度、挑戦して、自分の成長を見届けようと、自ら慰めました。