さて、金曜の夜から始まった夫婦喧嘩。
土曜日は冷戦状態へ突入し、日曜日、夫は海で機嫌良くなって帰ってきました。
妻の私は、ショッピングで気を紛らわそうとしましたが、もちろん、買い物ごときで紛れることはありません。
心の傷を、金銭で補償しようとしても、癒せるものではありません。
月曜日は、「夫に食事を用意する」ことが、もはや「苦痛となった義務」に変わり果てました。
哺乳類動物の多くは、メスが子に乳を与え、餌を用意しますが、母性本能が欠落したメスは餌を運ばず、子は飢え死にします。
ヒトの場合、この状態を「育児放棄」といいますが、
子に限らず、夫を愛することとは、即ち、その人の心と体を育むことであり、即ち、健康的な食事を作ることだと思います。
この愛が薄れると、食事を用意する原動力が消えていくのを 感じます。
さて、それでも、夫は懸命に外で働き、私は家で休養できるのですから、そこは理性を働かせて、夕方、台所へ向かいます。
ここで、重荷と感じる、夫の手によって捌かれた、大量の 魚たち。
夫は「捨ててもいいんだ」と言っておりますが、美味しく食さずに捨てるなど、魚たちに申し訳なく、できません。
それで、一人でコツコツと準備を始めました。
タイの頭は、塩焼きに。
中骨は、鯛雑炊に。
身は、フライに。(刺身は飽きましたので)
馬面はぎは、その腹と共に、味噌仕立てで煮つけ。
夫が、いつもの時間に帰宅しましたが、包丁を手に持って、あわてて、
「背びれと、尾びれを落とそうと思って・・・・あっ・・もう・・料理しちゃったの?」
「全部、料理したよ」
「・・・・・」 ここで、ゴメンとか、アリガトウとか、言えない夫。
包丁の置き場を探す夫の、まごまごした様を見て、夫を許す気持ちになれました。
馬面の肝の味噌仕立てに、思わず、「美味しい、最高!」とうなります。
口を尖がらせて、馬面顔を作って、夫にチューしましたら、
夫は破顔一笑。饒舌に釣り談義を始めました・・・・
おわり
土曜日は冷戦状態へ突入し、日曜日、夫は海で機嫌良くなって帰ってきました。
妻の私は、ショッピングで気を紛らわそうとしましたが、もちろん、買い物ごときで紛れることはありません。
心の傷を、金銭で補償しようとしても、癒せるものではありません。
月曜日は、「夫に食事を用意する」ことが、もはや「苦痛となった義務」に変わり果てました。
哺乳類動物の多くは、メスが子に乳を与え、餌を用意しますが、母性本能が欠落したメスは餌を運ばず、子は飢え死にします。
ヒトの場合、この状態を「育児放棄」といいますが、
子に限らず、夫を愛することとは、即ち、その人の心と体を育むことであり、即ち、健康的な食事を作ることだと思います。
この愛が薄れると、食事を用意する原動力が消えていくのを 感じます。
さて、それでも、夫は懸命に外で働き、私は家で休養できるのですから、そこは理性を働かせて、夕方、台所へ向かいます。
ここで、重荷と感じる、夫の手によって捌かれた、大量の 魚たち。
夫は「捨ててもいいんだ」と言っておりますが、美味しく食さずに捨てるなど、魚たちに申し訳なく、できません。
それで、一人でコツコツと準備を始めました。
タイの頭は、塩焼きに。
中骨は、鯛雑炊に。
身は、フライに。(刺身は飽きましたので)
馬面はぎは、その腹と共に、味噌仕立てで煮つけ。
夫が、いつもの時間に帰宅しましたが、包丁を手に持って、あわてて、
「背びれと、尾びれを落とそうと思って・・・・あっ・・もう・・料理しちゃったの?」
「全部、料理したよ」
「・・・・・」 ここで、ゴメンとか、アリガトウとか、言えない夫。
包丁の置き場を探す夫の、まごまごした様を見て、夫を許す気持ちになれました。
馬面の肝の味噌仕立てに、思わず、「美味しい、最高!」とうなります。
口を尖がらせて、馬面顔を作って、夫にチューしましたら、
夫は破顔一笑。饒舌に釣り談義を始めました・・・・
おわり