智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

渡辺淳一先生、「男と女、なぜ 別れるのか」

2013年11月06日 | 読書、観劇、映画
渡辺淳一先生の著書は、毎回楽しみに拝読していますが、

本著では、男と女の強さや弱さの根本的な違いを分析して、別れない関係を模索しています。


おもしろいなあ、と思った箇所は、行動力について。

男はなまじ腕力に勝るため思考力に欠け、様々な点で行動を起し易い反面、

戦争や大きな争いの元になり、家庭生活でも「かっとなって」啖呵を切り、家を出る・・・

「しかし、ここで妻たるもの、なにも慌てることはない。」

「威勢よく出て行くが、あとで後悔し、何日かあとに しょぼしょぼと 戻ってくる」


そして男を「鮭」、女を「鱒」に例えています。

鱒は川から海へ出ると、二度と戻らないそうです。

なるほど、なるほど・・・・

全くその通り・・・・


朝の連ドラで、原田泰造さんが演じるヒロインの父は、料理人の職人肌。

ベランメイ調で、「勝手に仕上がれ!」「好きにしろ!」と切れてみたり、

「縁を切るー!出て行けー!!」と怒ったり。

「ふんっ」とふてくされたり・・・・

いやあ、似ていますよ、我が家の誰かさん。

原田さんの表情、目線、ウマイですね。よく特徴を捉えています。

笑いながら、慰められました。

ごちそうさん

2013年11月03日 | 読書、観劇、映画
NHKの連ドラが、「あまちゃん」から「ごちそうさん」に変わりましたが、

毎朝、楽しく拝見しています。

ヒロインめい子は、食いしん坊が 取り得の 女の子。

思いを寄せる下宿人、帝大建築科に通う西門さんに、毎朝お弁当を作るようになる。

彼は、かって「なんの取りえも無い」とけなした彼女が、

毎朝、奮闘して出来上がるご馳走弁当のお陰で、毎昼、楽しみになる。

「あなたは、今では、幸せを作り上げる力がある」と、取り得を見出し、励ます。


めい子は、お見合いの席から逃げ出し、彼のもとへ走り、

「朝、昼、晩、美味しい料理を あなたに作ります。私を一生たべさせて下さい。」

とプロポーズをします・・・・


いやあ・・・・初心を思い出します。

私も、結婚当初、夫の「おいいしい笑顔」を楽しみに、一食入魂して作っていました。

最近は、意地になって、「おいしい」を言わせるぞ、とばかり作っていますが・・・

あれから、毎晩「全部、おいしかった?」「うん」と言わせております。

危険分散のため品数も増やし、彼は「多すぎる」と言いながらも、完食しています。

あいかわらず、「いただきます」も「ごちそうさん」も言わない人ですが、

満足そうに「うん」と大きく頷きながら、席を立ちます。

お殿様・・・・みたいです。

ワインとオペラコンサート その2

2009年08月12日 | 読書、観劇、映画

日が暮れて、テーブルに食前酒が配られ、いよいよ始まる。

ミエコお姉様とテノール歌手前田さん、ピアノ演奏藤原さん、の3人が登場。

メゾソプラノのお姉様の「夏は来ぬ」から始まり、

テノールの「ヴォラーレ」に続き、

デュエット「エーデルワイス」あたりで、私も心の中で一緒に歌っている。

以後、歌劇「サムソン・・」や「トスカ」や「カルメン」から名曲が続く。

すっかり気分が高揚し、拍手喝采の中で終わった。


食事が始まる。

ワインがメインなので、食事はおつまみ的な量で、

さすがオークラ、大変おいしいが、、、量がさみしい。

とはいえ、コンサートが付いて、お酒は次から次へと配られ、

13千円あまり。(サービス料こみ)

まあ、納得はいくのである。


メインディッシュのお肉料理に差し掛かったころ、突然、

ぐらーぐらー・・・ゆらーゆらー・・・

船酔いしそうなくらい揺れが始まる。

地震がおさまらないどころか、だんだん大きくなる。

「あきちゃん・・・関東大震災のはじまりかなあ・・・こわいよお・・・」

すると、天井のシャンデリアの揺れを手で抑えていたボーイさんがすーっと来て、

「当ホテルは、耐震構造になっており、地上の揺れより大きく揺れるようになっています。

ですから、このように揺れますが、どうぞご安心ください」

と説明された。

夫は「よし、わかった、ありがとう」と答える。

いやあ、彼の説明が無かったら、怖さのあまり、立ち上がり夫の隣に行くところであった・・・

それから、ノンアルコールのカクテルを口にして、落ち着かせようとしたが、味が分からない。

霜降りのお肉も、なんだか咽喉につかえる。


しばらくして、震度4の知らせを聞くころには、デザートが運ばれる。

「シャンパーンのシャーベットにコーヒーリキュール漬けのスイカ。」の案内。

夫がすかさず「こいつはまったくお酒が飲めないんだ」

ボーイ「アルコールは一応飛ばしてはいますが、少し残っているかも」

私「一口試してみます」

シャーベットを一口、深みのある味わいで大変おいしい!

が、通り過ぎた食道あたりから、かーーーっつ と熱くなる、

そう、これはアルコール入りだあ・・・、だめだ、食べられない。

微量で酔ってしまい、しかもいつまでも二日酔いから抜け出せない私。

さらに、今日は私が運転係。

ボーイ「バニラアイスクリームをご用意します。」



一連のホテルの対応にすっかり関心した夫は、いたく満足。

私は、満足した夫をみて、ほっと胸をなでおろす。

「たまには、こういうのもいいな、仕事ばっかりでは、、、愉しみもないと」

うれしいよ、あきちゃん。

周囲のテーブルは、かなり年配の方々が占め、白髪の夫婦が、品よくおしゃれしている。

そういう雰囲気の中で、私たちも、年を経て、このようなカップルでいたいと思える。

大切なひとときでした。


ワインとオペラコンサート

2009年08月11日 | 読書、観劇、映画
先日の日曜日の夜、ホテルオークラで、オペラコンサートが開かれた。

バロン・オークラが、ワインとクラシックコンサートを愉しむ趣旨で、定期的に開催している。

今回は、私の友人、ミエコお姉様がオペラを歌われる、ということで、

私の夫とおめかしして伺った。

夫は始めてのホテルディナーショーということで、散髪屋で髪を整える。

私も、出番の無かったサマードレスを着て、お化粧に念を入れる。


オークラ別館12階に到着。

夫は、先をずんずん歩いて行く。(夫の足は速い)

私は、5歩後から追いかけて行く。(いつものパターン)

ホテルのボーイ達が(スタッフというべきか)が「どうぞ」「どうぞ」と通してくれるが、

不思議だ、予約してあるのに、その有無も聞いてこない、

そして、舞台正面と思しきVIP席に通された。

しばらくして、ボーイが恐る恐る

「あの、、、予約はお取りでしょうか、、、」

私「ええ、○○××で予約を取りましたが」

ボーイ「そっ、それでしたら、席をこちらにご用意しております。移動していただきたいのですが、、、」

私と夫、目をかわし「やっぱり・・・」


数日前に、ミエコお姉様に、出席の意を伝えた折、

お姉様からホテルに「良しなに計らうように」言ってくださるとのことであった。

そのとき、もう一組、私達と同姓の方が予約していて、

その方は某区の区長さん、とのことであった。

夫の容貌から、なにやら誤解を受けたのであろうか。


夫は、スキンヘッドに近い五分刈りである。

眼光は鋭い。

日に焼けた肌。逆三角形の体つき。

以前、銀座のデパートで、紳士服オーダー売り場で、

並み居る男性店員の全員から平身低頭で、はっはー、殿様・・・という扱い。

特殊業界に属している人に見られているに違いない。

そう。

植木職人の井出達なら、少し迫力のあるオジサンなのだが、

ブレザーなどをビシッと決めると、かなり迫力がある。

本人はチョイ悪を目指しているが、

私には、かわいいブルース・ウィリスなのである。

続く