エネルギー雇用促進調査特別委員会の県内調査は王子製紙米子工場からスタートしました。まず、横山委員長が「エネルギーの半分は非化石燃料で、工場の電力を100%自給するだけでなく、2万キロワットの売電をしていると聞いています。その先進的な取り組みを今日は学ばせてください」と挨拶して、調査を開始しました。
大場英之工場長から、まず王子製紙の環境経営について説明いただきました。
「地球温暖化対策、森のリサイクル、紙のリサイクルが3つのバイオマスボイラーに続き、2005年から新ボイラーを導入し、オイルレスを達成しました。創業60年、共存共栄で地域と工場の発展を図りたい」
新ボイラー導入については古田清隆工場長代理から説明いただきました。
・導入前も生産過程で出る黒液(バイオマス燃料)をボイラーに使用していたが、C重油も37%使用していた
・導入でC重油をゼロにし、木質燃料、タイヤ、RPF(プラスチックなど)、スラッジに変化させた。
米子工場で使われているRPFです。
木質燃料です。
・バイオマス燃料は74%(黒液、廃棄燃料)、廃棄物燃料は26%になった。
・CO2はグループ全体で635万トン、王子製紙43万トンを輩出 → 32万トンを削減できた
・新ボイラーで出る灰は路盤材で再利用する。
・ボイラーの能力は1時間に250トンの蒸気を発生することができる。
・炉内脱硫に加え、消石灰を混入。大気汚染を防いでいる。
・2010年度実績はRPFを10万5千トン使った。
・リサイクル燃料は重油に比べて安価だ。
紹介ビデオも見ました。
・米子工場は1952年に創業。
・世界各地からチップを輸入している。境港にはチップヤードと物流センターがある。
・チップはコンベヤーでパルプ工程へ運ぶ。連続蒸解釜で薬品を加え、高温で煮る。エバポレーターで黒液を回収してボイラーへ。パルプができると紙を形成して脱水する抄紙工程、薬品を紙に塗る塗工工程へ。仕上げ工程は巻き取り、分割。さらに一部は平取りで分割する。
・新エネルギーボイラーはリサイクルできない紙、廃タイヤなどを使用している。製紙スラッチ類も再利用している。
・グランドワーク活動にも取り組んでいる。海岸や公園の清掃ボランティアをしているほか、社員食堂から始まった割り箸回収を皆生の温泉街へ広げた。
古田工場長代理がさらに説明を続けます。
・パルプ工場として1952年操業。
・従業員360人、グループ会社を含めると900 協力会社を含めると1200人。
紙を60万トン生産、パルプも生産している。
・総発電能力は22万キロワット。パルプ生産ダウンしていることで、今は売電は少ない。
・2005年という早い時期にオイルレスを達成した。バーナーで塗膜を乾燥させるなどで一部重油も使っている。
・二酸化塩素で白い紙にする。その課程で出るのが黒液だ。
・RPFはプラスチックや古紙原料で生産する
・チップにはできない木片は木質燃料にしている。
安村伸一施設部長の補足説明もありました
・ボイラーに灰の付着を防ぐため、石炭を3万3000トン使っている。化石燃料の利率は70%
主な質疑です
Q 黒液の生産量は紙の生産量で変わるのか。
A その通りリーマン前はフル操業では売電できていたが、今は売電していない。関西、中国地方から材料を調達している。
Q RPFの燃料は、各自治体ですることはできないのか。古紙や廃プラとして分別して回収するとか
A 塩ビ類が低くないと困る。高いと腐食する。炉中のチュウーブがやられる。また、焼却灰を路盤材に加工しているので、鉛が入ると困る。
Q しかし、選別がうまくいけば無尽蔵に原料はある。
A 確かにそうだが、家庭ゴミでは容器に醤油の付着しているケースもある。醤油は塩分が含まれているので困る。
Q 紙の原料に竹チップは使えるか、タイヤのワイヤーは困らないか
A 竹チップは使用可能。広葉樹と同じ。県内では8%。中越パルプが竹オンリー、輸入チップが38%。ユーカリ。タイヤはスチールラジアルなのでたくさん入っている。鉄として回収して売却している。
Q 分別の徹底ができれば使えることになるのか。
A はい。
Q こうした取り組みの周知は?
A 知られていないですね。
Q 一般家庭ゴミを使えないか。
A 行政との関係でもあるので、簡単ではない
Q 東京では分別して、発電に使っていると聞いている。
A ボイラーは蒸気を高温高圧のプロセス。低温低圧では腐食にする。温泉プールの温度には問題が生じる。
Q 大気汚染の対策は。それと、流動砂循環系統って何ですか。
A タイヤの煙は集塵したあと、バグフェイルターで集塵している。サイクロンで砂が落ちて循環する。そのこと
Q 24時間操業か。紙原料の種類は
A 三ヶ月は連続操業は可能。詰めないといけない。砂がたくさん入っているので、立ち上げには重油がたくさんいる。92%が広葉樹。東南アジア(アカシヤ、ユーカリ)が8割、一部オーストラリア。北米、東アジア、中国。三割から四割の輸出だったが円高で苦戦している。
Q 鳥取の木を使えないのか。どれくらい原価が違うのは
A 針葉樹は1割使うが、その9割は地元から。値段はキロあたり、17円、18円にならないと使えない。リグニンを取り除いてセルロースはパルプになる。
Q 黒液は別の場所で作れないか
A 製造工程の一部なので無理。ただ、青谷で和紙生産時に出る黒液も受け入れている。
Q 新ボイラーの導入はコスト面からなのか、それとも、環境に優しい企業姿勢からなのか。
A 両方。ただ、重油の値段があがってきたので、コスト面の貢献も出てきた。
Q RPFは県内から調達しているのか
A RPFの県内比率は15~20%
この後、工場を見学させていただきました。
原料ヤードです。
右が新ボイラー。左が回収ボイラーです。
工場の中は撮影禁止なので、写真をお見せできません。ごめんなさい。しかし、巨大なロールの紙が書き取られていく様は圧巻でした。
大場英之工場長から、まず王子製紙の環境経営について説明いただきました。
「地球温暖化対策、森のリサイクル、紙のリサイクルが3つのバイオマスボイラーに続き、2005年から新ボイラーを導入し、オイルレスを達成しました。創業60年、共存共栄で地域と工場の発展を図りたい」
新ボイラー導入については古田清隆工場長代理から説明いただきました。
・導入前も生産過程で出る黒液(バイオマス燃料)をボイラーに使用していたが、C重油も37%使用していた
・導入でC重油をゼロにし、木質燃料、タイヤ、RPF(プラスチックなど)、スラッジに変化させた。
米子工場で使われているRPFです。
木質燃料です。
・バイオマス燃料は74%(黒液、廃棄燃料)、廃棄物燃料は26%になった。
・CO2はグループ全体で635万トン、王子製紙43万トンを輩出 → 32万トンを削減できた
・新ボイラーで出る灰は路盤材で再利用する。
・ボイラーの能力は1時間に250トンの蒸気を発生することができる。
・炉内脱硫に加え、消石灰を混入。大気汚染を防いでいる。
・2010年度実績はRPFを10万5千トン使った。
・リサイクル燃料は重油に比べて安価だ。
紹介ビデオも見ました。
・米子工場は1952年に創業。
・世界各地からチップを輸入している。境港にはチップヤードと物流センターがある。
・チップはコンベヤーでパルプ工程へ運ぶ。連続蒸解釜で薬品を加え、高温で煮る。エバポレーターで黒液を回収してボイラーへ。パルプができると紙を形成して脱水する抄紙工程、薬品を紙に塗る塗工工程へ。仕上げ工程は巻き取り、分割。さらに一部は平取りで分割する。
・新エネルギーボイラーはリサイクルできない紙、廃タイヤなどを使用している。製紙スラッチ類も再利用している。
・グランドワーク活動にも取り組んでいる。海岸や公園の清掃ボランティアをしているほか、社員食堂から始まった割り箸回収を皆生の温泉街へ広げた。
古田工場長代理がさらに説明を続けます。
・パルプ工場として1952年操業。
・従業員360人、グループ会社を含めると900 協力会社を含めると1200人。
紙を60万トン生産、パルプも生産している。
・総発電能力は22万キロワット。パルプ生産ダウンしていることで、今は売電は少ない。
・2005年という早い時期にオイルレスを達成した。バーナーで塗膜を乾燥させるなどで一部重油も使っている。
・二酸化塩素で白い紙にする。その課程で出るのが黒液だ。
・RPFはプラスチックや古紙原料で生産する
・チップにはできない木片は木質燃料にしている。
安村伸一施設部長の補足説明もありました
・ボイラーに灰の付着を防ぐため、石炭を3万3000トン使っている。化石燃料の利率は70%
主な質疑です
Q 黒液の生産量は紙の生産量で変わるのか。
A その通りリーマン前はフル操業では売電できていたが、今は売電していない。関西、中国地方から材料を調達している。
Q RPFの燃料は、各自治体ですることはできないのか。古紙や廃プラとして分別して回収するとか
A 塩ビ類が低くないと困る。高いと腐食する。炉中のチュウーブがやられる。また、焼却灰を路盤材に加工しているので、鉛が入ると困る。
Q しかし、選別がうまくいけば無尽蔵に原料はある。
A 確かにそうだが、家庭ゴミでは容器に醤油の付着しているケースもある。醤油は塩分が含まれているので困る。
Q 紙の原料に竹チップは使えるか、タイヤのワイヤーは困らないか
A 竹チップは使用可能。広葉樹と同じ。県内では8%。中越パルプが竹オンリー、輸入チップが38%。ユーカリ。タイヤはスチールラジアルなのでたくさん入っている。鉄として回収して売却している。
Q 分別の徹底ができれば使えることになるのか。
A はい。
Q こうした取り組みの周知は?
A 知られていないですね。
Q 一般家庭ゴミを使えないか。
A 行政との関係でもあるので、簡単ではない
Q 東京では分別して、発電に使っていると聞いている。
A ボイラーは蒸気を高温高圧のプロセス。低温低圧では腐食にする。温泉プールの温度には問題が生じる。
Q 大気汚染の対策は。それと、流動砂循環系統って何ですか。
A タイヤの煙は集塵したあと、バグフェイルターで集塵している。サイクロンで砂が落ちて循環する。そのこと
Q 24時間操業か。紙原料の種類は
A 三ヶ月は連続操業は可能。詰めないといけない。砂がたくさん入っているので、立ち上げには重油がたくさんいる。92%が広葉樹。東南アジア(アカシヤ、ユーカリ)が8割、一部オーストラリア。北米、東アジア、中国。三割から四割の輸出だったが円高で苦戦している。
Q 鳥取の木を使えないのか。どれくらい原価が違うのは
A 針葉樹は1割使うが、その9割は地元から。値段はキロあたり、17円、18円にならないと使えない。リグニンを取り除いてセルロースはパルプになる。
Q 黒液は別の場所で作れないか
A 製造工程の一部なので無理。ただ、青谷で和紙生産時に出る黒液も受け入れている。
Q 新ボイラーの導入はコスト面からなのか、それとも、環境に優しい企業姿勢からなのか。
A 両方。ただ、重油の値段があがってきたので、コスト面の貢献も出てきた。
Q RPFは県内から調達しているのか
A RPFの県内比率は15~20%
この後、工場を見学させていただきました。
原料ヤードです。
右が新ボイラー。左が回収ボイラーです。
工場の中は撮影禁止なので、写真をお見せできません。ごめんなさい。しかし、巨大なロールの紙が書き取られていく様は圧巻でした。
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