すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

会派希望(のぞみ)県外政務調査3日目(1) 全漁連

2013年11月26日 | 日記

 会派の県外政務調査も最終日の3日目を迎えました。まず向かった先は内神田のコープビルにあるJF全漁連(全国漁業協同組合連合会)です。

大森常務理事=写真中央=と、高浜漁政部長=写真右=のお二人からお話をお伺いしました。以下はその概要です。

 東電はイレギュラーなケースを除いて汚染水は漏出してないとずっと言ってきた。それだけに、東電が汚染水問題を認めたときは裏切られたという思いがした。その結果、東電の言われることは信用しないというのが前提のようになり、以降は官邸に直接に様々なことを言うようになった。これだけ裏切られるとそうなるのはしかたない。東電が漏水を認めた7月以降、国が前面に立って処理することになって、予算措置も取っていただいた。

 諸外国から「モニタリングは東電や国がしても客観性がない」とクレームがあった。来年からIAEAと共同調査をすることにした。汚染水は1日も早く、止めることが肝要だ。地下水路の中には1万5千トンの汚染水が残っている。まずトレンチを遮断して、海に流れ出ないようした。次は、そこの汚染水を抜いて工事を進めると国は言っているので、そこを早くするようにお願いしている。ALPSで冷却水を処理しているがトリチウムは除去できない。それが一番の問題と認識している。

 韓国政府が青森から千葉までの水産物の輸入を全面禁止した。韓国大使館、韓国水産業共同組合中央会、韓国水産会へ早期解除へ協力要請の文書を発信した。韓国側の言い分は「汚染水問題で、韓国内の水産物も3割販売量が減った」と言う。朴大統領と韓国水産庁の姿勢が厳しいように感じている。水産物から0.4ベクレル以上の放射能が検出されるとストロンチウムの検査をすることになっているが、ストロンチウムの検査は1ヶ月かかり、事実上の輸入禁止になる。天然の物でも1ベクレルを超えることがある。原発の影響だけではなく。それでタイの輸入が止まっている。このため、国内のタイの魚価に影響が出ている。

 「モニタリング情報の提供が十分にできてない」という指摘もあるが、水産庁はホームページで6ヶ国語で公表している。100ベクレルを超える水産物は福島沖でも1.7%まで低下。それ以外は0.6%だ。海外でも、国内でも、汚染水が漏れている事実と、周辺は安全という事実が混同されている。福島第一原発の港内の魚は1匹残らず、捕獲する方針だ。高い値が出ているのはここの魚だ。

 先が見えない中でも、漁師さんたちのモチベーションを下げないようにしている。福島の組合長会議には毎回参加させてもらっているのは、皆さんの声を大切にしたいからだ。しかし、福島沖でモニタリングで操業しても、サンプル以外は放流している。そんれに汚染水が本当に止まってコントロールできるなんで考えられない。モチベーションを保つのは大変だ。

 食品の価格はここ5年間は下がっていないのに水産物だけ5%下がっている。これが日本水産業の最大の問題だ。私たちは旬を大切にする漁業に取り組みたいと思っている。ブランド化に成功したら、通年、その魚を出荷して欲しいというスーパがある。魚の美味さは季節によって違うことを消費者に知ってももらいたい。

 輸出はこれから考えていきたい分野。そのためにも魚市場の高度衛生処理(HACCP対応)は必要だが、基本、施設設備ではなく、ソフトで対応したいと思っている。

 東日本大震災では養殖の銀ジャケに大きな被害が出たため、品薄になると見た商社がチリ銀を入れたら、価格が暴落した。キロ250円まで落ちた。そこで、お互い、適正な生産と乱高下する価格は止めましょうとチリまで言って話しあってきた。現在は輸入は抑え、450円くらうになった。これで収支がやっとあう水準だ。ノルウェー産のシャケは生で食べる。価格は倍くらいにもなる。養殖の銀シャケは生で食べられるのを強調していくことで、魚価を上げたい。

 TPPは情報が一切出てこないのが問題だ。報告会に行っても情報がない。JFグループは、漁業補助金の継続と二国間協定でも関税を撤廃してない水産物は聖域と位置づけて保護することを求めている。水産物の関税は加重平均で4.1%。高いのは海苔で1枚1.5円(28~9%)。昆布15%、主要水産物は10%だ。そのため、水産業は2500億円の影響と言われているが、これは参加12カ国での推計値。実際にはもっと大きくなるのではないか。

 伊藤議員が元鳥取県漁連の組合長だったことから、全漁連の皆さんは顔見知り。率直な意見交換もしましたが、やはり、福島の海を考えると、島根原発の対応を慎重な上にも慎重にしべきだと改めて感じました。

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