すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

社会福祉法人の不正経理問題

2011年10月09日 | 日記
7日の県議会福祉生活病院常任委員会で、みのり福祉会(倉吉市)とあすなろ会(鳥取市)の不正経理問題について県福祉保健部から報告がありました。詳しくは、以下の県のホームページから、県の報告書を閲覧できますので、参考にしていただければと思います。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?itemid=637159#itemid637159

 簡単に要約しますと、みのり福祉会の今回の指摘は、土地取引7件で、元理事長やそのお母さん、奥さんが土地を購入した際、代金を福祉会に払わせたうえ、その土地の賃貸借契約をみのり福祉会との間に結び、賃借料約5400万円、売買代金3400万円を不正に支出させたほか、理事長の香典約730万円のうち、約630万円はみのり福祉会と関係ない故人であったりするなどみのり福祉会の香典とは思えなかったほか、理事会の議決上回る報酬約1350円を受け取り、元理事長個人の借金約550万円をみのり会に付け替えるなど合わせて約1億1210万円の不正経理がなされているというもの。 みのり福祉会は今年1月に改善命令を受けており、その後の調査で判明した分を第2回目の改善命令として出したという報告でした。

委員会の議論では、これは不正経理というより犯罪。改善命令という生ぬるい措置ではなく、法人の解散命令を検討するべきでないかなど厳しい意見が相次ぎました。第一回目の改善命令を受けて、みのり福祉会が改善策として、経営陣の入れ替え案などを提出しましたが、元理事長に代わって新理事長に就任したのは、みのり会が経営する保育園の園長だった御子息でした。今回の土地取引を巡る不正経理では元理事長の御家族が頻繁に登場します。不正経理を調査し、みのり福祉会を清廉な社会福祉法人に立て直すには、みのり福祉会の経営する保育園で園長を務め、しかも、御子息というのは問題ではないかと、私は県の対応を質しました。県の答えは、新理事長は御子息ではあるが、不正経理に追求に協力的で、福祉についてとても情熱を持っておられるので適任だというものでした。
確に親子というだけで就任を拒否するのは憲法が保障する職業選択の自由を侵すものでしょう。しかし、県は改善命令で、不正に関与した役職員の責任を明確にして、法的措置を含め、厳正に対処することを求めています。言い換えると、実の子に実の親を告訴告発することを、求めているわけで、情としても、その履行を求めることは酷だと思うのです。そして、今回の不正経理事件は御家族が深く関与しているわけですから、県民のみなさんが納得されないと思います。介護保険料や自立支援費など毎年40億円前後の公費がみのり福祉会には支払われていますので、やはり、納税者である県民の皆さんが納得されるような対応が県には求められていると思います。読者の皆さんはどう思われるでしょうか。

 一方のあすなろ会は、不正経理に関与したとして、訴追されている3人の元役職員の第一審判決が出揃ったことからなされたものです。あすなろ会から建設会社に流用された約4億9千万円のうち、返ってきたのは約110万円で、それ以外は回収の目処がないとのこと。鳥銀からあすなろ会が借り入れた約4億3千万円は、あすなろ会の借金ではなく建設会社の借金であるとして、債務不存在の訴訟を提起したことなどが報告されました。あすなろ会にも多額の公費が投入されているにもかかわらず、それが建設会社に流用されて、しかも、回収できないというのは問題で、やはり、厳しい対応が必要でないかという意見が相次ぎました。

 実はみのり福祉会も、あすなろ会も、不正行為がなされたときには県議が中心にいました。1人は落選されましたが、もう1人は現職県議です。私も県議ですから、先輩県議にあたるわけで普段、顔を合わせれば話もしますし、挨拶もいたします。街づくりなどに見識も持っておられます。しかしながら、それだけに普通の事件以上に私たち県議は厳正に対応しなければならないと思っています。

 常任委員会では100条委員会の設置も議論になりました。100条委員会は証人喚問や告発など極めて大きな権限を持っています。それだけに設置した以上はきちんとした成果を出さねばなりませんから、設置のタイミングをしっかり考えなければいけません。みのり福祉会については改善命令を受けて11月28日までに調査して、改善報告を提出することになりますので、この報告書を見たうえで、考えることになりました。また、あすなろ会については控訴されたので刑事裁判が継続しています。裁判が確定すれば、膨大な捜査資料を含め、訴訟記録の閲覧が可能になります。委員会として裁判記録を請求して、しっかりした調査が可能になります。そこで、県への資料要求や確定した判決に対する資料請求などできることから調査を始め、時期を待って100条委員会の設置も含めて、再度委員会で話し合って調査方法を決め、きちんとした調査をして、県民の皆様に改めて報告したいと思っています。この件については、本当にたくさんの皆様から、対処をきちんとしなければ県議会が信用を失いますと厳しいお叱りを頂戴いたしました。そのことは肝に命じておりますので、どうかしばらく時間をいただきたいと思っています。
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