「何がはじまるのかな?」
大きな紙をテーブルに広げると、夢中で遊んでいた子どもたちも集まって来ます。
「これはなんでしょう?」とお皿に絵の具を流し入れると、子どもたちは興味津々!
「赤いねー」 「今度は何色?」
何か楽しいことが始まるぞと目をキラキラさせてじっと待ち構えています。
タンポ(丸めた綿を布で包んだ物を棒の先につけたもの)に絵の具をつけてポン、ポン、ポンと白い紙の上で弾ませると「わー!」と子どもたちの歓声!
初めはポンとひとつ恐る恐る……自分がつけた点とタンポの先を交互に見て、ニコッ!
おもしろさがわかると、どの子も夢中です。
ポンポンポンポン……とひたすらたくさん点を打ってみる。
点が集まると……大きな色のかたまりに。「お池みたいだね。」
そのまま紙の上ですべらせると……あららら、どんどん伸びて長ーい線になったよ。
横に長ーく… 「線路かなあ?」「道路だよ。」
縦に描けば… 「雨がザーザーふってきたよ!」
『藝術はみえるものを再現するのではなく、見えるようにすること。』パウル・クレーの言葉です。
自分の知っている形しか認めない大人の目にはこの子どもたちの自由な発想と創造力は理解できないかもしれません。
ただただ描くことがおもしろい、楽しい、大好き!そこから生まれるパワーと驚き。
これこそ芸術なんだなー、と体全体で描く子どもたちの姿に感じました。
絵は苦手、という人が日本人には多いとか…。一体どこで表現する喜びをなくしてしまったのでしょうか?
タンポでたくさん遊んだら今度は自分の手に絵の具をつけてペタペタペタ…やっぱりね、やりたくなるよね。
次はみんなで手のひらスタンプでいっぱい遊ぶことにしましょう。
部屋に飾った大きな作品に小さな芸術家たちは満足そう。
もっと!の気持ちはまた次のお楽しみにして、さよならあんころもち またきなこ。