小諸市山浦西浦農事集会所の道祖神
小諸市山浦の西浦浦は、小諸市の中心地域から千曲川の対岸へ渡った千曲川沿いの山裾にある集落である。県道八幡小諸線沿いの西浦農事集会所の玄関先に、写真の石碑群がある。ここに注目したのは、岡村知彦氏の『北佐久石造文化財集成小諸市』の西浦地区の一覧を見ていてのこと。西浦には道祖神は1基しかなく、「井戸の入口」にそれはあると記されていた。そしてその「井戸の入口」に12項目の石造物が記載されており、その記載から1箇所にそれらが祀られていると推定した。その中に「五輪塔」が1基数えられていたため、確認してみようと思ったわけである。
県道側に向けて双体道祖神が安置されているが、ほかの石造物は集会所の入り口側に向けてあり、道路拡幅の際にここにまとめられた可能性はある。その道祖神の背後に小さな石がごろごろしていて、その一つが五輪塔なのではないかと確認したが、明確に五輪塔の残欠と捉えられるものはなかった。むしろいわゆる自然石の類と見られた。周囲にそれらしいものが見られないため、おそらく3枚目の写真にある石のどれかが五輪塔と数えられていると思うのだが、確実ではない。いずれにしても石碑群から見れば背面にごろごろしている石に過ぎず、地元でこれを祭祀物と捉えている人は少ないのだろう。
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