福井駅前の将来は？

　今朝、地元のTV番組で、福井市中心部のまちづくりに関する討論が放送された。

○福井テレビ「座・タイムリーふくい：徹底討論！ヒゲ線ルートと福井の玄関口」
　番組内では、福井鉄道福武線のうち路面区間の一部である福井駅前線（ヒゲ線）について、JR福井駅西口再開発に伴う延伸をどうすべきか？という点について議論が交わされた。ヒゲ線は市役所前～福井駅前間の部分を指すが、現在は単線が駅前電車通りを通る形となっている。将来はえちぜん鉄道を乗り入れる計画もあり、それに伴う増便にも対応した延伸が求められている。

　番組内では、福武線の延伸方法について、以下の案を紹介した。
１. 福井駅前駅 <-> JR西口広場
２. 市役所前駅 <-> 中央大通り <-> JR西口広場
３. 福井駅前駅 -> JR西口広場 -> 福井県庁・福井市役所 -> 市役所前駅
４. 市役所前駅 -> 中央大通り -> JR西口広場 -> 福井県庁・福井市役所 -> 市役所前駅
５. 福井駅前駅 -> JR西口広場 -> 県国際交流会館 -> 裁判所 -> 市役所前駅
６. 市役所前駅 -> 中央大通り -> JR西口広場 -> 県国際交流会館 -> 裁判所 -> 市役所前駅

このうち１～４は福井市が駅前商店街に提示している案、５・６は番組独自の案であるという。番組参加者は駅前商店街、福井まちなかNPO、ふくい路面電車とまちづくりの会（ROBAの会）、県議会議員の4名であったが、参加者が選択したのは、駅前商店街側とまちなかNPO側がいずれも４、ROBAの会側は１、県議は３、であった。つまり、前者の2名はヒゲ線でなく中央大通りへの移設を、後者2名はヒゲ線からの延伸を提案したのである。

　この後、番組内ではそれぞれの案や駅前電車通りの実情と将来などについて熱い議論が交わされた。要約すると、やはりヒゲ線をそのまま残すか、他の場所へ付け替えるかで両者の意見が分かれていた。

　この中で、駅前商店街としてのヒゲ線廃止の理由が述べられていた。商店街としては、ヒゲ線廃止後に通りを含んだ周辺一帯をモール化するという計画を（最初に廃止要望を出した17年前に）立てているという。つまり、単に路線廃止をするだけでなく、車やタクシーなども排除し、いわゆる歩行者天国に似た形になるよう考えているという（実際には、百貨店への出入りなど最低限の車の乗り入れは許容するという）。これについては、JR東口のAOSSAからの歩行者の動線を確保する、という点では無駄ではないと率直に感じた。

　一方、中央大通りへ通す案については、すでに建設された地下駐車場の出入り口との干渉、および地下駐車場設置による車線減少からの影響などから、容易ではないとする反対意見が出されていた。中央大通り自体は、路線バスの往来がほとんどであるため、現時点での交通量はそれほど多くはない。しかし、地下駐車場出入り口と干渉する問題については、何らかの対策（例えば、地上か地下の出入り口付近に、信号機なり遮断機なりを付けるなど）が不可欠となるだろう。

　いずれにしても、路面電車の延伸は将来のまちづくりに少なからず影響することもあり、様々な意見や利点・問題点を洗い出して決める必要がある。番組では県民・市民の意見を取り入れた沖縄県のゆいレールの例を紹介していた。商店街側もあくまでヒゲ線の廃止は譲れないとしながらも、もし県民・市民の意見を取り入れるとして、その結果ヒゲ線からの延伸であるとしたら、喜んでそれに従うと述べていた。難しい問題ではあるが、将来のまちづくりの方向性をつくるひとつの大きい課題であるので、十分な情報開示・提供を行った上で、ぜひ県民・市民参加の場を設けてもらいたいと思う。


（なお、この番組は4/22（火）午前1時25分から再放送される予定。）