○トルコ・イスタンブールのガラタ橋を渡るトラムヴァイ(Tramvay)(2010年10月撮影)。福井鉄道・えちぜん鉄道にも、来年度からこのような超低床車両が導入されることに。
福井鉄道(福鉄)とえちぜん鉄道(えち鉄)の相互乗り入れに関連して、平成24年度(2012年度)から両社共通の最新鋭LRV(Light Rail Vehicle:日本では「超低床型路面電車」)を導入することが、昨年11月末に行われた相互乗り入れの第3回検討会議にて決定された。両社共通仕様の車両を導入することで、調達コストを縮減することがねらいとなっている。
各社が導入する最新鋭LRVの編成数は次の通り。
・えち鉄:3編成 … 相互乗り入れに伴い導入
・福鉄 :4編成 … 福井鉄道福武線地域公共交通総合連携計画(H20~H29年度)に基づき、現存車両の更新で導入(H24・H26・H27・H28年度)
車両の諸元についても明らかにされている。
・1編成は3~5両で構成
・定員:150~170人
・車両長:30m
・車両幅:2650mm
(参考)福井鉄道200形
・1編成2両、連接タイプ
・定員:200人
・車両長:15315mm/両
・車両幅:2750mm
車両タイプについては、今年度(H22年度)中に決定するという。
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相互乗り入れ計画の検討会議で明らかにされた、新型車両の導入。福井鉄道は元々、車両更新の計画があったため、現存の古い大型車両(200形3編成・610形1編成)を、より乗り降りしやすい車両に改めることになる。車両の諸元から、福井鉄道200形よりやや小さい車両を導入することになるが、現在福鉄が所有する小型車両(770形・800形・880形)よりは大きくなり、大型車両を廃しても朝・夕の混雑時に対応できる超低床車両となるだろう。
一方、同型車両を導入するえちぜん鉄道は、相互乗り入れのためにLRVを導入するというよりも、当初はJR福井駅の新幹線駅問題により、三国芦原線を福鉄軌道区間経由でJR西口に乗り入れさせる形に改めるため導入する、というのが始まりであった。しかし、北陸新幹線の金沢~福井~敦賀間の建設については現政府での予算計上が事実上見送られ、見通しが立たなくなっている。これより先、県議会でも相互乗り入れとえち鉄三国芦原線LRT化は別個にして考えるとしており、相互乗り入れがえち鉄LRT化に先行して行われている。
(参考)
・福井新聞「最新鋭LRV導入へ」(2010年11月30日付け朝刊)
・福井市
- 福井鉄道福武線とえちぜん鉄道三国芦原線との相互乗り入れに関する事業検討会議
- 第3回事業検討会議資料(PDF)