役所 信太のひとりごと。。。(カウントダウン365×4→0)

旅先で感じたことや報道など私的に思うこと

さびれた湖の朱鞠内湖へ

2012年07月10日 23時28分46秒 | Weblog
深名線は平成7年に廃止されてしまいましたが
現在でも
旧線路沿いをバスが走っています。
といっても
鉄道の線路の上をそのまま走るわけでは無く
近くの国道道路を走っています。
大きく違うのは
鉄道は
朱鞠内湖を大きく迂回して
蕗の台から母子里方面を走っていました。
バスはといえば
朱鞠内からエンジン橋を通って
そのまま母子里方面へ向かい
峠を越え
天塩川を渡り名寄に向かうのでした。

現在
この路線は乗客も少なく
1日4本程度の大型中型バス3台の運行で
朝一の便など
ほとんど乗客が乗っているのを見たことが有りません。

そんなJRバスの深名線。

特に冬が大好きで
乗る事を目的にバスに乗車
乗ることを目的にしての乗車はすでに3年を超えています。

今日も深川駅前から朝一便に乗車。

バス車内は乗客数人
全員地元の人で
賑やかな地元の話に花が咲いていました。

いろんな話をされていました。
いつしか
私の存在が気になったのでしょう
仲間のように話の中に
入れられてしまいました。

まず始めに
震災における原発事故の影響で
北海道電力にもその余波が到来・・・。
全国で行っている電力会社の
“節電に対するお願い”に対し話が及びました。

かなり激怒してはりました。

泊原発が停止し
夏の電力不足が報道されていますが
それは嘘だ
と熱弁をふるってはりました。
夏でも
クーラーつけっぱなしでいる家庭が
北海道に何件ある?
夏は日が長いから電球を付ける時間も少ないし
お風呂もボイラーで焚く。
テレビか冷蔵庫か電子レンジか
一体何が原因で電力不足なのかわからない。
北海道の電力が増えるのは冬だろ!

そのように終始エラク興奮して話していはりました。
確かに
個人向け電力の中で
一番消費するクーラーは
北海道ではいらないかもしれません。
どこに行っても
夜は20度まで下がるし・・・。
網走や釧路は15度くらいまで下がるし・・・。

次に・・・、
今乗ってる深名線のバス
数人の乗客にも拘わらず
車両がかなり大型で
豪華で観光バスタイプです。
そのバスが走るきっかけになったことも
話してくれました。

廃止される時
地元との合意事項で
鉄道に代わって
バスになっても路線の近くを通ること
バスは乗客がいなくても
小さなマイクロバスにはしないこと
廃止はしないことなど
かなりの有力者が出て来て
JR側と交渉したらしい。
だから
リクライニングシートのバスは変わらないそうです。
そんな話もしてくれました。

また、
色恋沙汰も多く
あそこの職員さんは
どこの職員さんと別れた後
あの人とくっついたとか
不倫や略奪婚など
生々しい話も聞いてないのに教えてくれました。
恐ろしや深名線バスです。

他には
幌加内バスターミナルの前に
開店したばかりのラーメン屋さんの話もしてくれました。
人口1600人の幌加内地区では
なかなか今後が厳しいとのこと。
傍にある幌加内の特産品蕎麦を食べさせてくれるお店が
“喧嘩を売っているのか”と
かなり激怒しているとのこと
今後も
ひと悶着あるなと笑って話してくれました。
怖い話です。

そうこうしているうちに

朱鞠内湖畔にやってきました。


あたりに人気は無く

キャンプ場があるのに人影がない。

静か・・・・。

湖畔の公園を散策




公園の真ん中にあった案内盤


公園の端っこ


展望台があると案内盤にあったので

行ってみると



ここも人がいない・・・。


展望鉄塔があったので

登ろうかと思ったのに錆がひどくて閉鎖中
残念・・・。

最後に
人工湖らしいダムを眺め

また案内盤があったので見てみると

なんと
もう15年経っているのにまだ鉄道が明記されたまま。

ずっと放置されたまま・・・。

静かな湖畔と展望台をあとに
帰りのバスまで約4時間あるので
のんびり散策することにしました。
さっきまでのバスの会話が
頭を過ぎり
なかなか消えてくれません。
せっかくの静の環境を満喫したいので
頭の中を整理して歩きました。

ウグイスの鳴く声に耳を傾け
涼しい風に安らぎを覚えるよう
ゆっくりと歩いて無の境地で進みました。

途中廃線跡

ちょうど三又バス停の近くで

バス停の待合の中を見たことが無かったので
見学


中は比較的きれいでした。

更に歩き



朱鞠内バス停が見えてきました。
冬は完全に埋もれてしまうほどの豪雪地帯。

休憩所になっていたので
少々中で休憩することにしました。


とてもきれいな休憩所

でも誰も人がいません。
約1時間ほど備え付けの雑誌と漫画を見ていたら
1時間半ほど経っていました。
その間誰も入って来ませんでした。

深川行きの無客のバスは
定刻にやって来て
私一人を乗せ発車しました。

親切な運転手さん。
行きと同じバスの運転手さん。

以前乗った私を覚えたいた方で
世間話や地元の話など・・・
今日は
往復3時間以上
久しぶりに人と話をしました。
さすがに行きは疲れ気味でしたが
帰りは違いました。
地元の人がいなかった分
打ち解けた話もしました。

雪道での難しい走行の話や
路面の話、事故の対処法、
実際にあった雪道での事故の話、
臨機応変に対応した話、
都会では考えられない無茶な話、
乗客が待合小屋で寝転んでいて
バスから見えないのに
バスが停車しなかったと苦情を何時間も言われた話、
対向車や追い越しの車の巻き上げた雪の対処法など
興味ある話で盛り上がりました。

そういえば、
驚いた話が有りました。
民主党の政治の間抜けが
こんなところまで影響していたという話。
以前は
深名線バスに深川駅で接続していた
札幌行きの特急があったそうです。
そういえば、
空港行きのライラックと
札幌行きホアイトアローが
30分に1本交合に運転されてたような・・・。

しかし
例の民主党の政策
“高速道路自由化”の煽りを受け
実験対象となり
道央道が無料化実験の対象になってしまいました。

それまで鉄道利用していた住民は、
自分での運転をめんどくさがってた人も
安くなったからと自家用車に流れ、
時間が掛ると敬遠していた高速バスも
料金を高速代分割引したため
高速バス利用に多く流れてしまったそうで、
JR北海道屈指のドル箱路線だったのに
鉄道利用が極端に減ったそうです。

このことは赤字続きのJR北海道にとって
重大な死活問題です。
そこで
今後もこの無料化が続くと判断して
生き残るためにダイヤ改正を実施しました。

札幌旭川間の特急は
JR北海道にとって最高の稼ぎ頭。
にもかかわらず
減便をしなければ経営が成り立たないと認めることは
大変な痛手だったでしょう。
利用の少ない時間帯や、
網走や稚内方面からの特急が走っている時間を
間引いてしまったそうです。

ところが結局のところ
高速道路の実験は
どのように検証されたのか
うやむやに終わってしまい
すぐに有料に戻ってしまいました。
鉄道ダイヤはというと
元には戻らなかったそうです。

そこに住む住民に後に残ったものは
えらく不便になった鉄道と
中央(東京)にいる風見鶏政治家への憤りだけとのことでした。

帰りは私が疲れなかったのだから
かなりの話のうまいもの知りな人だな
という印象です。
プロの仕事人だなと思いました。

深川駅でその親切な運転手さんにお礼を告げて
私は千歳方面に戻って行くのでした。


。。。。