弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

何度でも・・・・ 死刑執行に対する抗議声明(京都弁護士会)

2012-10-20 21:56:31 | インポート

    

10月18日に開催された京都弁護士会の常議員会(代表者による議会)で、9月27日に2名の死刑確定者に対して死刑が執行されたことに対して抗議する会長声明が可決されました。
(私も常議員の一人です。)

会長声明はこちら http://www.kyotoben.or.jp/siritai/menu/pages_kobetu.cfm?id=658

    

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私たちは生まれたときからずっと死刑のある国で生活しています。
しかし、死刑に関する情報は開示されず、その実態は厚いカーテンの向こう側に隠されたままです。

情報を開示すること、そしてその情報に基づいて存廃について社会的議論を深めていくことが必要です。

存置すべきという人たちは、世論調査で多数が死刑を支持しているのだから議論は尽きているといいます。

しかし、それは議論されることを恐れているているだけにしか見えません。
情報が公開されて、論理的な議論がなされてしまうと、廃止という結論になってしまうかもしれない。そんなことにならないように議論することから逃げているとしか見えません。

いま、田中慶秋法務大臣が更迭か?ということがニュースになっています。
いろいろと問題が指摘されていますが、こんな法務大臣に命を奪われては納得できないと思います。

しかし、冷静に考えてみれば、田中法務大臣が特別に悪い人だとも思えません。
非難されるべきこともある反面、人のために働き、尊敬されることもしてきたでしょう。

人は誰も、多かれ少なかれ、ウソもつけば、卑怯なこと、非難されるべきことをし、失敗します。
誰も、何ら恥じるところのない人生を送ってきた人などいません。
それは、人が人である以上、あたりまえのことです。

法務大臣も、裁判官も、検察官も、人の命を奪う資格があるほどに潔癖ではない。
人である限り、誰もがそれほどに潔癖ではあり得ない。
人には誰も、他人の命を奪う資格はない。

    

今回の死刑執行に対しては、今日までに全国の17の弁護士会で抗議声明が出されています。

すぐに死刑を廃止できなくても、何度でも、何度でも、死刑執行に抗議し続け、問題提起していくことが弁護士としての責務だと思います。

死刑になるような犯罪を犯す人がどういう人たちかということを、
刑事裁判が間違って死刑になってしまう人を生み出してしまうことを、
誰よりもよくわかっている弁護士の責任です。   

    

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信岡登紫子弁護士、「刑事弁護と私」を語る!! 2012.10.19

2012-10-19 20:38:56 | インポート

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今日も、司法修習生対象の法廷弁護技術の研修で講師をしてきました。

そして、昼からは、修習生と一緒に大阪弁護士会の信岡登紫子弁護士の講演を聴きました。

あこがれの女性弁護士です。 

信岡弁護士は、厚生労働省村木厚子さんの無罪判決を獲得した弁護団のおひとりです。

講演では、村木さんとの交流や、DV被害に遭っていた妻が夫を銃殺した事件の話、
示談交渉の心構え、さらには、弁護士事務所の売り上げや経費、着手金・報酬の話まで、
ためになるだけでなく、とてもおもしろいぶっちゃけ話を聞かせていただきました。
とてもブログには書けません。

そして、「ウソをついたことのない人間はいない」と、
出来の悪い人間に対する共感が必要と訴えられました。

刑事弁護に関わる人間は、心に染み込ませておくべき言葉だと思います。

信岡先生のような弁護士が先におられると、とても心強く感じます。
勇気と元気をもらいました。

ところで・・・・
私は数年前に始めて信岡先生と言葉を交わしたのですが、そのとき、
初対面でいきなり「あんた、不動産やみたいやね。」と言われたことが、今でも忘れられません。
( お互い酔っぱらってました。  )


司法修習生の研修を実施してきました。2012.10.17

2012-10-17 17:48:06 | インポート

20121017syuusyuu

   

司法修習生の研修で、公判弁護技術の指導をしてきました。

架空の強盗致傷事件の事例を元にして、冒頭陳述、主尋問、反対尋問の技術についての研修です。

冒頭陳述では、裁判員の前で話をするときの立ち方アイコンタクト話し方から、構成獲得目標などについて話をしました。

主尋問ではオープンに、反対尋問では誘導尋問をという、このブログでも取り上げた尋問技術についても話をしてきました。

  

対象の司法修習生は、最終試験に合格すれば、今年の12月には弁護士、検察官、裁判官としてデビューすることになります。

この司法修習生の中から、将来の日本の刑事弁護を背負っていていく弁護士が現れてきてくれることを期待しています。 

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私たちの幸せな時間 ~死刑廃止を考える日~

2012-10-16 00:35:06 | インポート

20121015

   

8月から委員になった日弁連の死刑廃止検討委員会の会議に出席し、
夕方からのシンポジウム「死刑廃止を考える日」に参加してきました。

このシンポでは、韓国の映画「私たちの幸せな時間」(2006年韓国)が上映されました。

見終わって、しばらく席から動けませんでした。

胸を締め付けられるということを初めて経験しました。

ビデオも出ているようですので、ぜひ、多くの方に観ていただきたい映画です。
(映画の内容については、下に詳しく書いています。)

      

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映画上映に続いて死刑廃止検討委員会の加毛委員長から日弁連の死刑制度に対する見解が説明された後、
真宗大谷派僧侶の玉光順正氏から「死刑の廃止は新しい国創り」と題する講演がありました。

被害者に対する善意が加害者に対する悪意になる。
悪人に対しては何をしてもいいという思いになっている、
裁く文化、赦さない文化になっている社会の問題が指摘されました。

そして、「みんな」になるな、「一人」になれと、自分で考えることの必要性が説かれました。

   

   

「私たちの幸せな時間」  

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韓国で多くの文学賞を受賞しているベストセラー女流作家コン・ジヨンの同名小説の映画化。主演は、『オオカミの誘惑』のカン・ドンウォンと、『英語完全征服』のイ・ナヨン。
監督は『パイラン』で青龍映画賞 監督賞、『力道山』で大鐘賞 監督賞を受賞したソン・ヘソンの4作目の作品で韓国での観客動員は300万人!

公開時に韓国歴代恋愛映画観客動員数ナンバーワンを記録した話題作です。

登場するのは、死刑囚と自殺願望のある女性。
人に言えない悲しい過去を持ち、生きる望みを失っていた二人が出会い、つかの間の幸せな時間を過ごす様を、繊細に描かれています。
主人公を演じる二人の美しさを存分に生かしながらも重いテーマを扱い、「生きることとは、人を信じることとは」という問いを見る人たちに投げかけます。

【ストーリー】

3回目の自殺に失敗した元歌手ユジョンは、叔母であるシスターモニカの誘いで、三人の女性を殺して死刑囚になったユンスと毎週木曜に面会することになる。

一日も早い死刑執行を望むユンスに、自分に似たものを感じたユジョン。
ユンスもまた、棘のある言葉ばかりを投げつけるユジョンに、自分に似たものを感じていた。

裕福な家で育ったユジョンと孤児のユンス。

全く違う人生を送って来た二人だったが、面会を繰り返すうちに互いを思いやるようになり、心の奥に秘 めていた深い傷を癒しあえる存在となる。

生きていればまたあえる。二人は生きることを大切に思うようになるが、刑は執る。

同映画のHPからの引用です。  http://www.shiawasenajikan.jp/ 


京都弁護士会 大運動会!! 2012.10.14

2012-10-14 19:06:21 | インポート

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今日は、京都弁護士会の大運動会が開催されました。

ノートルダム学院小学校のグラウンドをお借りして、約200名の弁護士や事務局、その家族が集まって、一日、楽しく過ごしました。

  

弁護士会が運動会???

他の都道府県の弁護士会がやっているかどうかはわかりませんが、

京都ではベテランから若手弁護士まで親睦と一致団結を図ろうと今年度が第28回になります。

弁護士だけでなく小さな子どもさんがたくさん参加してくれ、とてもアットホームな運動会です。

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運営も弁護士がしています。

私も、運動不足の身体にむち打って、いろいろと競技に

参加してきました。

生まれて初めて!二人三脚にも挑戦  

こけることなく無事にゴールできました。 

     

    

上位入賞すると景品がもらえるので、ついつい力が入ってしまいます。

誰もケガすることなく、無事に終えることができましたが、しばらくは筋肉痛に悩まされそうです。

   

さて、私もいつまで走ることができることやら・・・・・

でも、法廷に立つためには、元気と体力が重要。

来年の運動会に向けて頑張ります。

  

そうそう、刑務所でも運動会はあるそうです。 一大イベントで大人気だとか。