アルベルト2017
『無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
しかし、前者については断言できない』
――アルベルト・アインシュタイン
1
森の畔に住まう、
移民の少女は、
途方にくれていた。
いつもロッキングチェアに腰掛け、
少女を、一番年齢若いわたしの友人、
と呼ぶ、物静かな老人の姿が、
見当たらなかったからだ。
(何かご用事ができて、
出かけているのかしら)
少女は永いこと、
垣根の淵にしゃがみこみ、
老人が姿を現すのを待っていた。
ふと物音がした。
少女は、
老人が帰ってきたものと思い、
テラスを覗き込んだ。
しかしそこにいたのは、
見ず知らずの若い男の人だった。
一瞬目が合い、
少女はあわてて目を逸らして、
垣根にしゃがみこんで身を隠した。
「お嬢ちゃん、何か御用かな?」
と男の人に問われて、
少女は観念し、おずおずと尋ねた。
「おじい様は、お出かけですか?」
男の人は、一瞬表情を曇らせたが、
無理やり笑顔を作って、少女に答えた。
「――おじいちゃんは病気で入院したんだ」
少女は顔色をなくした。
男は取り繕うように、少女に声をかける。
「――ああ、
でもおじいちゃんは
病院で元気にしているよ、
病気もすぐ治る」
それでも、少女は、
青い顔色のまま、
かすかにその身を震わせているのだった。
「お嬢ちゃんは、
おじいちゃんに何の御用があったのかな?」
と男は優しい声音で語り掛ける。
少女は逡巡した後、俯いたまま男に答えた。
「おじい様は、わたしの友達で、
数学の宿題を見てくれたのです」
そうだったのか、
と男は深く頷いた後、少女に告げた。
「僕でよかったら、
数学の宿題を正しく解けたかどうか、
見てあげられるよ」
――しかし、
少女は弾かれたように首を振り、
あとずさるのだった。
「ううん、いいの、宿題は全部解けたから」
少女は、後を振り返ることなく、走り去る。
男は、
走り去った少女を目で追うこともなく、
テラスのテーブルに手をついて、
うなだれたまま、
深い、深い嘆息をついた。
2
老人は、繰り返し同じ夢を見ていた。
――可愛そうな、アルベルトの夢だ。
アルベルトは風変わりで、
五歳を過ぎるまで言葉が話せず、
方位磁石を片手に、
じっと虚空を見つめている子供だった。
父親は、
心配ない、
この子は世の中に役立つ、
立派な大人になるよ、
と告げたが、
母親は気が気ではなく、
アルベルトの行く末を案じた。
案の定、アルベルトは、
学校には馴染めなかった。
しかし彼は、
学校に頼ることなく、
ピタゴラスの定理を証明し、
ユークリッド幾何学を、
微分積分を、
独習してみせた。
やがて彼は特許局で働く傍ら、
途轍もない思考実験を跳び続け、
誰もが辿り着けなかった極みに立った。
美しい島国。
ヘルンの『面影』を、
色濃く残した、極東の国。
豊かな自然と寄り添う、深い文化。
好奇心旺盛で、
勤勉かつ聡明な、礼儀正しき人々。
アルベルトは、
この国で四十三日間を過ごし、
訪れる先々で熱烈な歓待を受けたのだった。
ゲイシャ、フジヤマ、天麩羅、佃煮。
麗しい人と、喜ばしい美酒に酔いしれた、
あの日々。
しかし、
アルベルトはただひとり、
黒い空間へと投げ出される。
近代的な街並みも、
清清しき雑木林も、
焼け爛れていた。
瓦礫の山、
太陽が消滅した黒い空。
肌にまとわりつく、
生暖かい黒い雨。
――彼は、幽鬼のごとく、
その空間を歩み続ける。
折り重なって、
焼き爛れた人々の群れ。
影だけを残して蒸発した男。
剥けた皮膚を引き摺って、
当て所なく、さまよう女。
黒焦げに、
炭化した、
赤ん坊。
アルベルトは、おびただしい汗を流し、
焦土にうつぶして嘔吐した。
……なんという、地獄だ……!
あの、
美しく凛々しく、
誇り高き人々が、
どうして焼き爛れているのだ?
それは、パンドラの匣が、開かれたからだ。
厳かに神は、
アルベルトの頭上に、
無情の声を投げかける。
あ、あ、あ、……っ!
アルベルトは、
眼球に我が指を突き立て、
顔面を流れる血と共に、
悲痛な悲鳴を上げ続けた。
アルベルトは、
安楽椅子に腰掛けて、
パイプをくゆらせていた。
あの美しい国。
礼儀正しき人々が、
あってはならない、
業火に灼かれたのだ。
ヒロシマ。
ナガサキ。
ロベルトが顔を覆い、
のた打ち回っている。
わたしは、未曾有の火を燃やすことで、
世界の争いを無意味に帰せると思っていた。
……が、結果はどうだ?
あの火は、新たなる争いの、
火種に過ぎなかったのだ。
鍵十字の徒党が、悪魔だったのか?
……否、悪魔はわたしだ。
クリシュナ、だ。
わたしは、クリシュナ、だ。
(我は死なり、世界の破壊者なり……!)
そして、パンドラの匣は開かれた。
開かれてしまった。
燃やしてはならない炎。
神よ。
わたしは、正しかったのでしょうか?
世界から孤立した、あの島国の人々を。
誇大妄想に囚われたごく一部の軍人に、
目をふさがれた、あの優しき人々を。
わたしは、
恐ろしき、
地獄の業火で、
焼いたのです!
クリシュナが笑う。
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
わ・ら・う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑い転げる!
地獄のように、 笑う!
――背中を押したのは、
ロベルトではない、
アルベルト、
あ・な・た・だ!
鍵十字が迫っている。
わたしの……、
『わたしたち』家族の、
親愛なる同胞たちの、
絶滅を企てているのだ!
敵対する国々の、
弾圧と支配を、
推し進めるために、
彼らもまた同様に、
パンドラの匣を開けようと、
躍起になっている。
沈痛な表情で、
アルベルトを見上げる、シラード。
エネルギーは、
質量と光速度の二乗を、
掛け合わせた数値に等しい。
ただ、それだけのこと。
エネルギーは、 質量と、
光速度の、 二乗を、
掛け合わせた数値に。
等しい。
E=mc²
おびただしい、 エネルギー。
破壊の業火。
パ・ン・ド・ラ・の、
匣。
E=mc² !
無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
しかし、前者については断言できない。
アルベルトは、サインした。
そうだ、
わたしは、
サインした。
シラードの手紙に、
サインしたのだ。
パンドラの匣の鍵を、
握っていたのは、
わたしだ。
ロベルトでも、
シラードでも、
ない。
無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
人間の愚かさ。
あああ、あああああ、アルベルト!
ああ、愚かなる哉、アルベルト!
……ああ、アルベルトよ、
無限に、愚かなる者よ……!
パンドラの匣の、
鍵を握っていたのは、
わたし、
アルベルト、
なのだ!
朦朧とした意識の中で、
老人は、天井を見上げた。
言葉にならない、声を上げる。
神はさいころを振らない。
あの日、あの時。
シラードの前で、
さいころを振ったのは、わたしなのだ。
ああ、あの美しき島国。
勤勉かつ聡明な、礼儀正しき、麗しい人々。
わたしは、もはや、あなた方に、
二度と会うことは、許されない。
『さいころを振ったのは、わたしだ』
呟いた後、老人は瞑目し息を引き取った。
が、傍らに腰掛けていた看護婦には、
老人の母国語を理解することは、
出来なかった。
3
森の畔の一軒家。
屋根裏部屋の窓を開け放ち、
少女は祈りを捧げていた。
おじい様の病気が、良くなりますように。
少女は、今住んでいる国ではなく、
生まれた国の言葉、
――あの、勤勉かつ聡明な、
礼儀正しき人々の言葉で祈っていた。
祈りの言葉は、夜空を高く上り、
星々の輝きに呼応する。
おじい様。
いつも宿題を、
教えてもらってばかりでしたけれど。
今日は、自分の力で、問題を解いたのよ。
それも、おじい様のおかげです。
お父さんもお母さんも、
町の人たちも、
みんなおじい様を、
気難しい人だって言っていたけれども。
わたしは、おじい様が、
心優しい人だと信じています。
あの、穏やかな、優しい、
かすかな微笑みは、おじい様の全てだと。
わたし、おじい様の力を借りずに、
問題を解けたこと、
おじい様に褒めてほしいの。
だから、元気になって、
戻ってきてください。
少女が目を閉じて、
捧げた祈りの傍らを、
一際美しい流れ星が滑っていく。
その輝きは、
少女の赤い頬を一瞬明るく染めた後、
何事もなかったかのように、
消えたのだった。
written:2010.08.?.〜10.
rewritten:2017.06.10. 〜08.06.
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『無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
しかし、前者については断言できない』
――アルベルト・アインシュタイン
1
森の畔に住まう、
移民の少女は、
途方にくれていた。
いつもロッキングチェアに腰掛け、
少女を、一番年齢若いわたしの友人、
と呼ぶ、物静かな老人の姿が、
見当たらなかったからだ。
(何かご用事ができて、
出かけているのかしら)
少女は永いこと、
垣根の淵にしゃがみこみ、
老人が姿を現すのを待っていた。
ふと物音がした。
少女は、
老人が帰ってきたものと思い、
テラスを覗き込んだ。
しかしそこにいたのは、
見ず知らずの若い男の人だった。
一瞬目が合い、
少女はあわてて目を逸らして、
垣根にしゃがみこんで身を隠した。
「お嬢ちゃん、何か御用かな?」
と男の人に問われて、
少女は観念し、おずおずと尋ねた。
「おじい様は、お出かけですか?」
男の人は、一瞬表情を曇らせたが、
無理やり笑顔を作って、少女に答えた。
「――おじいちゃんは病気で入院したんだ」
少女は顔色をなくした。
男は取り繕うように、少女に声をかける。
「――ああ、
でもおじいちゃんは
病院で元気にしているよ、
病気もすぐ治る」
それでも、少女は、
青い顔色のまま、
かすかにその身を震わせているのだった。
「お嬢ちゃんは、
おじいちゃんに何の御用があったのかな?」
と男は優しい声音で語り掛ける。
少女は逡巡した後、俯いたまま男に答えた。
「おじい様は、わたしの友達で、
数学の宿題を見てくれたのです」
そうだったのか、
と男は深く頷いた後、少女に告げた。
「僕でよかったら、
数学の宿題を正しく解けたかどうか、
見てあげられるよ」
――しかし、
少女は弾かれたように首を振り、
あとずさるのだった。
「ううん、いいの、宿題は全部解けたから」
少女は、後を振り返ることなく、走り去る。
男は、
走り去った少女を目で追うこともなく、
テラスのテーブルに手をついて、
うなだれたまま、
深い、深い嘆息をついた。
2
老人は、繰り返し同じ夢を見ていた。
――可愛そうな、アルベルトの夢だ。
アルベルトは風変わりで、
五歳を過ぎるまで言葉が話せず、
方位磁石を片手に、
じっと虚空を見つめている子供だった。
父親は、
心配ない、
この子は世の中に役立つ、
立派な大人になるよ、
と告げたが、
母親は気が気ではなく、
アルベルトの行く末を案じた。
案の定、アルベルトは、
学校には馴染めなかった。
しかし彼は、
学校に頼ることなく、
ピタゴラスの定理を証明し、
ユークリッド幾何学を、
微分積分を、
独習してみせた。
やがて彼は特許局で働く傍ら、
途轍もない思考実験を跳び続け、
誰もが辿り着けなかった極みに立った。
美しい島国。
ヘルンの『面影』を、
色濃く残した、極東の国。
豊かな自然と寄り添う、深い文化。
好奇心旺盛で、
勤勉かつ聡明な、礼儀正しき人々。
アルベルトは、
この国で四十三日間を過ごし、
訪れる先々で熱烈な歓待を受けたのだった。
ゲイシャ、フジヤマ、天麩羅、佃煮。
麗しい人と、喜ばしい美酒に酔いしれた、
あの日々。
しかし、
アルベルトはただひとり、
黒い空間へと投げ出される。
近代的な街並みも、
清清しき雑木林も、
焼け爛れていた。
瓦礫の山、
太陽が消滅した黒い空。
肌にまとわりつく、
生暖かい黒い雨。
――彼は、幽鬼のごとく、
その空間を歩み続ける。
折り重なって、
焼き爛れた人々の群れ。
影だけを残して蒸発した男。
剥けた皮膚を引き摺って、
当て所なく、さまよう女。
黒焦げに、
炭化した、
赤ん坊。
アルベルトは、おびただしい汗を流し、
焦土にうつぶして嘔吐した。
……なんという、地獄だ……!
あの、
美しく凛々しく、
誇り高き人々が、
どうして焼き爛れているのだ?
それは、パンドラの匣が、開かれたからだ。
厳かに神は、
アルベルトの頭上に、
無情の声を投げかける。
あ、あ、あ、……っ!
アルベルトは、
眼球に我が指を突き立て、
顔面を流れる血と共に、
悲痛な悲鳴を上げ続けた。
アルベルトは、
安楽椅子に腰掛けて、
パイプをくゆらせていた。
あの美しい国。
礼儀正しき人々が、
あってはならない、
業火に灼かれたのだ。
ヒロシマ。
ナガサキ。
ロベルトが顔を覆い、
のた打ち回っている。
わたしは、未曾有の火を燃やすことで、
世界の争いを無意味に帰せると思っていた。
……が、結果はどうだ?
あの火は、新たなる争いの、
火種に過ぎなかったのだ。
鍵十字の徒党が、悪魔だったのか?
……否、悪魔はわたしだ。
クリシュナ、だ。
わたしは、クリシュナ、だ。
(我は死なり、世界の破壊者なり……!)
そして、パンドラの匣は開かれた。
開かれてしまった。
燃やしてはならない炎。
神よ。
わたしは、正しかったのでしょうか?
世界から孤立した、あの島国の人々を。
誇大妄想に囚われたごく一部の軍人に、
目をふさがれた、あの優しき人々を。
わたしは、
恐ろしき、
地獄の業火で、
焼いたのです!
クリシュナが笑う。
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
わ・ら・う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う笑う
笑い転げる!
地獄のように、 笑う!
――背中を押したのは、
ロベルトではない、
アルベルト、
あ・な・た・だ!
鍵十字が迫っている。
わたしの……、
『わたしたち』家族の、
親愛なる同胞たちの、
絶滅を企てているのだ!
敵対する国々の、
弾圧と支配を、
推し進めるために、
彼らもまた同様に、
パンドラの匣を開けようと、
躍起になっている。
沈痛な表情で、
アルベルトを見上げる、シラード。
エネルギーは、
質量と光速度の二乗を、
掛け合わせた数値に等しい。
ただ、それだけのこと。
エネルギーは、 質量と、
光速度の、 二乗を、
掛け合わせた数値に。
等しい。
E=mc²
おびただしい、 エネルギー。
破壊の業火。
パ・ン・ド・ラ・の、
匣。
E=mc² !
無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
しかし、前者については断言できない。
アルベルトは、サインした。
そうだ、
わたしは、
サインした。
シラードの手紙に、
サインしたのだ。
パンドラの匣の鍵を、
握っていたのは、
わたしだ。
ロベルトでも、
シラードでも、
ない。
無限なものはニつ存在する。
それは宇宙と、人間の愚かさだ。
人間の愚かさ。
あああ、あああああ、アルベルト!
ああ、愚かなる哉、アルベルト!
……ああ、アルベルトよ、
無限に、愚かなる者よ……!
パンドラの匣の、
鍵を握っていたのは、
わたし、
アルベルト、
なのだ!
朦朧とした意識の中で、
老人は、天井を見上げた。
言葉にならない、声を上げる。
神はさいころを振らない。
あの日、あの時。
シラードの前で、
さいころを振ったのは、わたしなのだ。
ああ、あの美しき島国。
勤勉かつ聡明な、礼儀正しき、麗しい人々。
わたしは、もはや、あなた方に、
二度と会うことは、許されない。
『さいころを振ったのは、わたしだ』
呟いた後、老人は瞑目し息を引き取った。
が、傍らに腰掛けていた看護婦には、
老人の母国語を理解することは、
出来なかった。
3
森の畔の一軒家。
屋根裏部屋の窓を開け放ち、
少女は祈りを捧げていた。
おじい様の病気が、良くなりますように。
少女は、今住んでいる国ではなく、
生まれた国の言葉、
――あの、勤勉かつ聡明な、
礼儀正しき人々の言葉で祈っていた。
祈りの言葉は、夜空を高く上り、
星々の輝きに呼応する。
おじい様。
いつも宿題を、
教えてもらってばかりでしたけれど。
今日は、自分の力で、問題を解いたのよ。
それも、おじい様のおかげです。
お父さんもお母さんも、
町の人たちも、
みんなおじい様を、
気難しい人だって言っていたけれども。
わたしは、おじい様が、
心優しい人だと信じています。
あの、穏やかな、優しい、
かすかな微笑みは、おじい様の全てだと。
わたし、おじい様の力を借りずに、
問題を解けたこと、
おじい様に褒めてほしいの。
だから、元気になって、
戻ってきてください。
少女が目を閉じて、
捧げた祈りの傍らを、
一際美しい流れ星が滑っていく。
その輝きは、
少女の赤い頬を一瞬明るく染めた後、
何事もなかったかのように、
消えたのだった。
written:2010.08.?.〜10.
rewritten:2017.06.10. 〜08.06.
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