去年の暮れにNHKで放送されたスペシャルドラマです。
第1話『ABC殺人事件』
第2話『愛しのサンドリヨン』
私の大好きなアガサ・クリスティーのポアロが登場する作品を、第二次世界大戦前の日本に舞台を置き換えて脚色したドラマ。なので、ポアロに相当する探偵役の赤富士鷹(伊東四朗)は古書店の主だし、ポアロ作品でワトソン的存在のヘイスティングズに相当する如月大正(塚本高史)は赤富士の親友の息子というふうに、かなり人物設定は変更されてるけど、これくらいの変更はOKです。
クリスティーはもはやミステリの古典となってきているから、彼女の作品を読んだことがない人がかなり増えてきていると思う。こういうドラマを通して、クリスティーに興味を持って新たな読者が増えてくれたら単純にうれしいな。
さて、ドラマの感想ですが・・・楽しかった!
脇を固める俳優もけっこう豪華だったし、伊東四朗さんも塚本高史くんも良かったです。シリーズ化される可能性もあるとか!? ぜひシリーズ化をお願いしたいな♪
原作の雰囲気にかなり近いドラマは、NHKでときどき放送される『名探偵ポワロ』(イギリス・BBC制作)のシリーズがあります。ポワロ役はデビッド・スーシェという濃い顔立ちのお方。ハリウッド映画『エグゼクティブ・デシジョン』では中東出身の悪役で出てきたのでビックリ。アガサ・クリスティーの娘さんも、彼のポワロ役に大満足したくらいの、本当に小説から抜け出てきたような見事なポワロっぷりです。相棒・ヘイスティングズを演じるのはヒュー・フレイザー。見た目は中年なんだけど、“心は少年”のヘイスティングズを上手く演じているので、ヘイスティングズが若いんだか中年なんだかわからなくなるほど。ひょっとしたら原作のヘイスティングズ以上にドラマの彼は魅力的かもしれない。この俳優も映画『パトリオット・ゲーム』にイギリス人の役で出演していてビックリでした。
ちなみに、第1話のタイトルは原作どおりで、第2話は『ゴルフ場殺人事件』というタイトルでハヤカワ文庫から出ています。