2007 No.8 9/1~9/2
作者:奥田英朗(講談社文庫)
評価・・・★★★★★ 5.0
『イン・ザ・プール』ですっかりはまってしまった奥田さんの短編集です。
ちなみに伊良部は登場しません。
どの作品も会社を舞台にしています。
「大企業ってこんな感じなんだ~」と興味津々で読み進みました。
主人公はみんな企業の課長クラスの男性です。いわゆる中間管理職ですね。
部下の女の子に淡い恋を覚えたり、同期と上司の間で揺れ動いたり、会社のちょっとした闇の部分を見てしまったり、進歩的な女性上司に反発を覚えたり・・・
本人たちは一生懸命なのに、それがまた滑稽で、時に声を上げて笑っちゃいました。
5作品中、一番心があたたまった作品が『パティオ』。職場の近くでよく見かける老人に、離れて暮らす父親の姿を重ねてしまう主人公・・・特に大きな盛り上がりのない作品ですが、良い作品だと思いました。
NHKあたりで、5作品ともドラマ化してくれないかな。佐藤浩市さんや西村雅彦さん、温水さんといった個性的な役者さん達を使って。壮年期の俳優さん達によるサラリーマンの悲喜劇。結構視聴率とれるんじゃないかな。ぜひ見てみたいものです。