2010 No.13 6/18~6/27
作者:松本清張(光文社文庫)
評価・・・★★★★ 4.0
文庫の表紙(グリーティングカードに使われるような紙質、表紙と背表紙の文字が一部銀色で入っているところ)が気に入って、手に取った作品です。
『松本清張の短編全集07』と銘打ってます。
表題作は、だめだめ男が愛人との間の子と妻の間の板挟みになり、追い詰められて子どもを手放そうとする物語でした。人間、追い詰められて思考が麻痺したら、とんでもないことを簡単にしてしまうんだな~、と恐ろしく感じました。
でも、もっとも怖く感じたのは『甲府在番』。なんと、時代小説でした。
失踪した兄の役目を継いで、甲府在番となった弟は、兄の失踪の謎を追ううちに、とんでもない恐ろしい状況に陥ってしまいます。まさに絶体絶命! という場面で、作者の普通の叙述になってしまうので、思いっきり盛り下がってしまうのですが、この短編集で一番心に残った作品でした。
『恐妻の棺』も時代小説ですが、ユーモアと武士の悲哀が感じられて。こちらもなかなかおもしろい作品でした。
作者:松本清張(光文社文庫)
評価・・・★★★★ 4.0
文庫の表紙(グリーティングカードに使われるような紙質、表紙と背表紙の文字が一部銀色で入っているところ)が気に入って、手に取った作品です。
『松本清張の短編全集07』と銘打ってます。
表題作は、だめだめ男が愛人との間の子と妻の間の板挟みになり、追い詰められて子どもを手放そうとする物語でした。人間、追い詰められて思考が麻痺したら、とんでもないことを簡単にしてしまうんだな~、と恐ろしく感じました。
でも、もっとも怖く感じたのは『甲府在番』。なんと、時代小説でした。
失踪した兄の役目を継いで、甲府在番となった弟は、兄の失踪の謎を追ううちに、とんでもない恐ろしい状況に陥ってしまいます。まさに絶体絶命! という場面で、作者の普通の叙述になってしまうので、思いっきり盛り下がってしまうのですが、この短編集で一番心に残った作品でした。
『恐妻の棺』も時代小説ですが、ユーモアと武士の悲哀が感じられて。こちらもなかなかおもしろい作品でした。