私のひとり言

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畜産業界

2011-03-21 06:17:49 | Weblog
畜産業界の現状の報告
畜産業界もこれまでか?
太平洋岸の畜産農家も生死の境を彷徨っているような状態を呈しております。
飼料工場はほとんどが大きな港に隣接して建てられており、こちらも壊滅のような
状態です。八戸、釜石、石巻、仙台港、福島県小名浜、茨城県鹿島このような港に
点在しておりましてエサの供給は完全にストップしております。
家畜はエサと水が無いと機能しません。
採卵鶏は卵を産まなくなり衰弱して死んでいきます。
ブロイラー(食肉鶏)は暖房を取らないと一箇所に固まって死んでいきます。
豚も同様、共食いの状態になるそうです。

拙店は牛の飼料が大半を占めております。
乳牛は年に約一回お産しお乳を出します。
配合飼料と草(乾草)と水がないと乳は出ません。
現在の酪農家では大規模化が進んでおり30~50頭の乳牛を飼養し牛乳を生産して
おります。200頭の大規模の生産者も拙店のお客さんにもおります。
200頭規模ですと1日約5トンの牛乳を生産出荷します。
このように多頭肥育ですと乳を搾るのも機械になっており、電気がないと搾ることは
不可能です。牛乳は酪農組合に出荷するわけですが現在は集乳の車も来ない状態です。
結果、搾った牛乳は捨てている状態で、牛にも最小のエサと水をやり、あまり乳を
出ないようにしております。生かさず殺さずの状態といってもいいかもしれません。
もったいない牛乳を被災された方々に分けてやりたいと思っている生産者も沢山
おりますが、いろいろの食品に関する規制があって出荷できないし、被災地まで
運ぶ容器と手段が皆無といったところです。ガソリンも底をついております。

肉牛は多くのエサと水で大きな牛に育て、特に黒毛和牛はサシを入れ日本でしか出来ない
安心安全なおいしい牛肉をつくってきました。こちらも多くの生産者は多頭肥育が進んでおり、100頭200頭規模は普通で中には3000頭10000頭の牛の生産飼養もこの業界では珍しくなくなっております。(肉牛100頭規模でエサの食下量は月間30トン位、金額にしますと約150万円位になります。)今日明日にも出荷したい牛がいても牛を肉にする屠畜場も仙台では被害にあい復旧はいつになるか分らない状態になっております。それでもエサは与え続けなければなりません。

乳牛にしても肉牛にしても畜産農家はここ当分大きな赤字経営を強いられることは必死と思われます。家畜はエサを必要としております。拙店ではAと2,3の倉庫に全得意先で使う約一週間分位の飼料をストックしております。
震災の翌日から工場での生産がストップの状態を聞きつけた生産者が今日まで倉庫に殺到しております。少しでもエサを確保しておこうと。

原子力発電所のあるあたりまで飼料を配達しておりました。
生産者は退避命令勧告で鶏、豚、牛を涙ながらに置いて避難しております。
この生産者にも現金商売ではないので先月分(2月分)の飼料代は売掛になっております。
行き先不明の生産者の、どこに請求書を送付すればいいのか案じております。
回収不可能ではないかと眠れない日々が続くのもやむをえないのかもしれません。

創業者が立ち上げた会社、小生が携わって36年の月日が経過しました。
小規模ながら利益も上げることが出来、優良企業とおだてられたときもありました。
これまで得意先である畜産の生産者には私はじめ社員その家族ともども沢山のいい思いをさせていただきました。代金回収が難しいのに商品を販売するのは商人の風上にもおけないと創業者は言うでしょうか?
もう一分張り、いままでの生産者に対する恩返しも含め、BSE、口蹄疫、鶏インフルエンザどころではない、この未曾有の この難局、危機に どこまで体力が続くかわかりませんが、もう少し挑戦したく思っております。

親族一族のみなさま、この現状をご推察いただきたく一筆書いてみました。
読み流していただきたく思っております。

またテレビ等でご覧の通り、この地震 津波 原発事故で被災された無限大の方々に、  ご声援ご支援をお願いしたく宜しくお願い申し上げます。
                    H23・3・17